ストッキングの伝線で就活生を振り回しているのは、誰?
「もう伝線や穴あきに振り回されたくない! 」
……すみません、あなたたちが就活生にストッキングを強制してきたから、就活生は振り回されてるんじゃないでしょうか?
マイナビニュースとグンゼによるこちらのツイート
(2023年9月21日、22時頃アクセス)
および、リンクされているこちらの記事
(2023年9月21日、22時頃アクセス)
に、抗議します。
このツイートおよび記事は、
「就活でストッキングを履かなければいけない『女性』は、ストッキングが伝線しやすかったり、肌の色に合っていなかったりして、『『失敗』』をしがち。そんな悩みを解決してくれるのがこちらのストッキングです!」
という趣旨だと私たちは受け取っています。
が、
そもそも、「女性は就活でストッキングを履くべき」という規範を押し付けてきたのは、マイナビをはじめとする就活産業ではないでしょうか?
その規範によって、自分の意思ではなくストッキングを履いている就活生は無数に存在しますが、その結果生じた「伝線」や「ストッキングが肌の色に合っていない状態」という「失敗」を、イラストで面白おかしく表現しているのですか?
あまりにも不誠実ではないでしょうか?
さらにイラストでは、「伝線」や「ストッキングが肌の色に合っていない状態」が、就活の面接において、面接官からマイナスに評価されている状況をことさら強調しているように思えます。
あまりにも不誠実ではないでしょうか?
もちろん、完全に自らの自由な意思によってストッキングを着用している人ばかりであれば、「伝線しないように」「肌の色に合うように」という注意・解決策の提示は、何の問題もないと思います。
でも、自分たちが性差別的な規範を長い間発信してきたという事実、意に反してストッキングを履かざるを得ない状況に置かれている人たちが大量に存在する事実を、なぜスルーしているのですか?
「女性」とされる人は、就活のときにストッキングを履くもの、
という間違った前提から出発しないでください。
せめて、
「就活のときにストッキングを履く人は」
という前提から出発してください。
また、記事中の文章
「世界中の女性の脚を美しく魅せるために」
も問題です。
ストッキングを履くのは女性のみですか?
こうした発信を行うのは、
「女性とされる人は、就活で足を美しく見せるべきで、ストッキングを履くべき」
という規範を強化することになりませんか?
さらに、
「就活では慣れないパンプスで1日中移動、なんてこともありますよね。」
という文章。
就活で「女性」とされる人はヒール付きパンプスを履くべき、という規範のせいで、意に反してパンプスを履いている人はたくさんいます。
性差別的な規範を肯定・再生産するような発信はやめてください。