セクシズム・ルッキズムへの抵抗としての就活抗議デモ
この社会に蔓延するセクシズム・ルッキズムに抵抗するために、私は就活抗議デモに参加します。
私が就活を経験する中でもっとも辛いと感じたことが、ジェンダーに基づく外見に対する規範です。ジェンダーレスやトランスジェンダーの人権、多様性が盛んに唱えられるわりには、髪型やスーツ、果ては足の開き方に至るまで男女別のことがあまりにも多く、その規範にのれない/のりたくない私は、いつも逸脱してしまっていました。
合同説明会や面接の待機場所で、他の就活生をみると、みんな規範に従っているように見えて、おかしいのは自分だけなんだと思うようになりました。他の人が当たり前のようにできることが、自分にはできない。この規範に従えなければ、就職できない。いつしかそんな思いに囚われるようになりました。
ただのコスプレだと思うようにして、ジェンダー規範に適合した振る舞いをしようともしました。しかし、そんな自分の姿が嫌で、街中でも鏡や反射を極力避け、面接が終わったらすぐに帰り道の途中のトイレで着替えていました。だんだんと、それすらもきつくなり、面接前に緊張もあって嘔吐してしまうことが重なりました。いつしか吐くことが面接前のルーティンになり、逆に吐かないと安心して面接に臨めない状態にまで陥っていました。
こんな状態だったので、あまりにも辛く、内定も貰えなかったため1年休学して、翌年に再度就活することにしました。しかし、今度は面接で休学していた理由をしつこく追及されました。精神的な理由であることがわかると、露骨にそっけなく対応する面接官もいました。このことをハローワークで相談すると、親の介護やアルバイトのしすぎで留年したという嘘をつくように勧められました。たしかに、そのほうが好ましいのかもしれませんが、「死ぬぐらいなら逃げてもいい」「何度失敗してもやり直せる社会に」というわりには一度レールを外れてしまった人間には厳しいのだと感じます。
就活を経験してから、外に出ることへの恐怖が増しました。今でも少し怖いです。特に、外見に対してジャッジされているという意識が強くなり、コロナ以前から顔を隠すためのマスクが手放せなくなりました。
就活で顕著に表れるセクシズムやルッキズムは、多くの人にとってはそこまで違和感がないことなのかもしれません。しかし、どうしようもなく苦痛を感じる人がいることも知ってほしいです。もし、関心を持ってもらえるなら、どうか声を上げることを手伝ってほしいです。私も他の人が別のことで困っていたら、一緒に声を上げたいと思います。
希望がないわけではありません。
セクシズム・ルッキズムに対する抵抗は、日々広がり、人々の価値観も急速に変化しています。10年後には、もっといい就活のスタイルが定着しているかもしれません。しかし、だからこそ10年先にあるはずの変化を5年先、1年先に実現していくことも重要です。これ以上、苦しむ人を生み出す必要なんて、どこにもありません。
外に出るのは少し怖いですが、この気持ちを伝えるため、11月23日に大阪で行われる就活抗議デモに参加します。就活に思いのある方、セクシズムやルッキズムに意見のある方はぜひ集まってください!
B(元就活生)