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フェルミ推定の基本体系

※当記事は約4分で読めます【約1,500文字】

1. 当記事の目的

フェルミ推定との向き合い方について、以下の記事にて話してきました。

その際、フェルミ推定は体系化が可能な分野であると述べてきましたが、当記事ではその体系化されたパターン構造についてご紹介していきたいと思います。

2. フェルミ推定の基本体系

こちら基本体系については、『東大ケーススタディ研究会』で分かりやすくまとめられていたので、そちらを引用させて頂きつつ、一部この表現の方がわかりやすい(覚えやすい)のでは?という点については勝手ながら修正を加えています。

出典:東大ケーススタディ研究会(一部修正)

この図を元に、言葉の理解が必要だと思われる箇所(個人・世帯、法人は言葉の通りなので割愛)について、簡単な解説をしていきたいと思います。

(1)ストックとフロー

この理解のポイントは、図にも書いてある通り、

①    ストック:一時点における大きさ

②    フロー:一定期間内における大きさ

だということです。

つまり、図のストックとフローを分類すると、以下のようになります。

①    日本における自動車の数(ある時点)=ストック(一時点における大きさ)
②    日本における自動車の市場規模(年間という期間)=フロー(一定期間内における大きさ)

(2)所有と空間

東大ケーススタディ研究会の著書では「空間」の箇所を「存在」と示していますが、枝分かれしている「面積」と「ユニット」についてはどちらも空間の話となりますので、そのまま「空間」と表現します。

私は必要以上に言葉を変換することは、脳のメモリーを圧迫してしまうという考えを持っているため、「Simple is the best」を取りましたが、好きな方で覚えていただければいいと思います。

①    所有で考える例

『日本にピアスはいくつあるか?』

この場合、「日本に居住している人【個人】が所有しているピアスの数」と考えられます。

②    空間で考える例

『日本に電柱は何本あるか?』

この場合、「電柱1本あたりの空間【面積】をベース」として計算式を組み立てることで算出が可能となります。

(3)面積とユニット

①    面積

『日本に電柱は何本あるか?』のように、抽象的な空間であるため、面積をベースにアプローチしていきます。

②    ユニット

・「具体的に名前が付いた空間」:都道府県など
・具体的に形をもって存在している空間:公園や駅など

(4)市場規模と売上

①    市場規模の考え方

『日本における自動車の市場規模』などは、売る側(供給)で考えると、企業ごとの分類(国内メーカーと国外メーカー等)を正確に捉えることが困難なため、自動車を保有する主体となる「世帯」をベースとして、買う側(需要)の視点で考えます。

②    売上の考え方

『あるスタバ1店舗の売り上げ』などは、逆に買う側で考えると、あくまでも全国にある店舗の平均値を出すにとどまり、特定の「銀座のスタバ」など特定の店の売上を出すのは困難です。
一方、売る側であれば、「席数」「営業時間」「稼働率」「回転率」などから具体的な値を算出することが出来ます。

3. まとめ

今回は、「東大ケーススタディ研究会」にて良くまとめられている内容を参考にさせていただきながら、基本体系についてご紹介しました。

まだこれだけだと、フェルミ推定の解き方についてイメージがわかないかと思いますが、全く問題ないです。

他記事でご紹介する「フェルミ推定を解く際の思考プロセス(5ステップ)」を理解し、当記事とセットで頭の中に整理されたとき、フェルミ推定の全体像が見えるようになってきます。

この基本体系は、今後フェルミ推定の問題と向き合う度に、テーマがどの分類に属しているのかを考えるために毎回使いますので、しっかりと頭に叩き込んでおいてください。

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