恋人がいるから、転勤ナシを軸に就活はアリ?
今回は、ちょっと触れにくいというか、あまり表立って語られないテーマに踏み込みます。
「恋人がいるからエリアを限定して、転勤ナシの企業を探している」という学生さんはたまにいます。
企業側にそれを伝える事自体にハードルがあると思うので、私の耳に入るよりももっと多くの方が該当するかもしれませんね。
さて、恋人と遠距離にならないための就活は、ぶっちゃけどうなんでしょうか?
●志望理由としては残念…
正直に伝えるかどうかは別として、「恋人と遠距離にならないため」という志望動機は、企業としては残念に思います。
この志望動機は、「恋愛ありきで職を選ぶ」ということですが、逆にしてみたらどうでしょう?
「職ありきで恋人を選ぶ」ってどういうことでしょう?
よくドラマとかである
代々医者の家系だから自分も医者に、それにふさわしいスペックの結婚相手を…
みたいなヤツですかね?
親に結婚相手決められたりするやつですね。
いやいや、自分自身を見てよ!って思いません?
企業も「立地だけじゃなくて、仕事を見てよ」って思います。
この時点で、採用からはだいぶ遠ざかります。
志望動機として明言しなくても、就活の軸が「転勤ナシ」というのは、なんとなく伝わります。
少なくとも、「仕事内容に魅力を感じている」という印象はかなり薄くなります。
「転勤ナシ」の中でも、仕事内容で魅力を感じる企業を選んでいる!
というアナタも、「純粋な志望動機の学生」がライバルですから、勝負としては分が悪いですよ。
●短期目線か、長期目線か?
そもそもなんで恋人と就職する地域をあわせたいんでしょう?
「遠距離にならないため」とさっき書きましたけど、結局は入社してからの恋愛コストを削減しようとしているんですよね。
会いに行く頻度とか、交通費とか移動時間とか…
あ、遠距離だと浮気リスクっていうのもありますか?
まぁ、浮気リスクは一旦置いておいて、
恋愛にかけるコストっていうのは、期間限定です。
入社後数年で結婚して、子供が生まれて、家のローンを…というのに比べれば入社後数年の恋愛コストなんて誤差のレベルですよ。
経済的にも、時間的にも、精神的にも…です。
一方、「転勤ナシ」で仕事を選んでしまったときのデメリットは、じわじわ長期的に効いてきます。
本当にやりたいことで仕事を決めなかった為に、仕事にやりがいを今ひとつ感じられずにいるかも知れません。
転勤を重ねてバリバリキャリアアップした同級生よりも、収入が少なくなるかもしれません。
そんな中で、結婚して子供が生まれて…となった時に。
「仕事にやりがいがほしいなぁ」とか「もっと収入がほしいなぁ」とか、後悔しない自信がありますか?
自分は、就活の時に勤務地を最優先したんだから、他が不満足でも仕方がないよね♪と将来に渡って割り切れる人は、そう多くはないでしょう。
でも、その時になって文句を言い出しても遅いんですよね。
今の恋人との人生設計を本気で考えるのであれば、入社後数年(期限を決めて)はバリバリ働いてキャリアを積んで、結婚するまでに収入を上げたり、パートナーに合わせて転職するにしても、多くの企業から求められて、勤務地をある程度選択できるだけのスキルを身に着ける…という戦略の方が、長期目線でメリットが大きいかもしれません。
それでも、遠距離恋愛という短期的デメリットに耐えられないというのならば、そもそもあまり長続きしない関係性かもしれません。
必ず恋愛より就職活動を優先するべき!とは言いません。
長期的に考えて、後悔しない選択であれば、どんな選択でもアナタにとっては正解です。
伝えたいのは、短期的で視野が狭い選択になってしまっていないか?をよく考えてくださいね?ということです。
長期目線と短期目線の話は、他にも色々なところで意識してください。
例えば、給与額とか初任給を特に重要視している場合があります。
確かに大切な要素ですが、もしも労働条件だけで就職先を決めても、就職してから仕事内容が自分合わない…なんてなったらまずいですよね。
どんなに条件の良い仕事でも、続かなければ本末転倒です。
長期目線と短期目線を意識しながら、広い視野で判断しましょう。
●【余談】自分の筆頭株主は誰か?
そうはいっても、相手が遠距離嫌だって言うし…
という場合は、相手の要望をどこまで受け入れるかを真剣に考えてください。
写真家の幡野広志さんが著書で「自立とは、自分の筆頭株主になること」と言っています。
株式会社の株は、持っている割合に応じて議決権を得ます。
ざっくりいうと、お金出して株券持っているほど多数決で強いってことです。
51%以上の株を持っていれば最強です。多数決には絶対負けませんから、最終的には自分の意見をすべて通せます。
自分の人生の筆頭株主になるというのは、周りの意見は参考にするけど、決めるのは自分という状態です。
誰かの意見で、人生の大きな決断をしたとしても、その選択の結果を受け止めるのはすべて自分自身です。
恋人に限らず、家族や友人など、「誰かの意見を無条件に受け入れている」という状態になっていないか?注意してください。
様々な意見を参考にして、「新卒で入社する」という人生の大イベントを自らが筆頭株主となって決めましょう。
もちろん、このコラムもあくまで「アドバイス」ですから。
自分の人生をよく考えて、就活軸を決めてくださいね。
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