2023年上場承認取消について
2023年も多くの企業が上場しましたが、一定数の上場承認の取り消しも発生しています。
2023年は8社と、2022年に比べると1社多くなっています。
テクニカル上場の企業を抜かした上場承認が100社ですので、割合としてはやや高い印象です。
会社や社長をはじめとする経営メンバーに関する事項や、株主の意向など要因はいくつもあると思います。
今回は「2023年の新規上場の振り返り」の付属編としてこちらを見てみたいと思います。
ノイルイミューン・バイオテック(4893・グロース)
(https://noile-immune.com)
・事業内容:新規がん免疫療法の開発
・主幹事証券:SMBC日興証券
・監査法人:トーマツ監査法人
・上場承認日:2023年2月22日
・上場承引取消日:2023月3月20日
・上場承認から26日目
キタムラ・ホールディングス(9349・プライム)
(https://kitamura-group.co.jp/)
・事業内容:「カメラのキタムラ」等
・主幹事証券:野村證券
・監査法人:三優監査法人
・上場承認日:2023年3月10日
・上場承引取消日:2023年3月24日
・上場承認から14日目
トライアルホールディングス(5882・グロース)
(https://trial-holdings.inc/)
・事業内容:九州を地盤としたディスカウントストア運営
・主幹事証券:大和証券
・監査法人:PwC京都監査法人(当時)
・上場承認日:2023年3月8日
・上場承引取消日:2023年4月3日
・上場承認から26日目
スタジアム(9157・グロース)
(https://stadium.co.jp/)
・事業内容:営業支援・ビジネスプロセスアウトソーシングサービスの提供
・主幹事証券:SBI証券
・監査法人:太陽監査法人
・上場承認日:2023年3月23日
・上場承引取消日:2023年4月21日
・上場承認から29日目
ホロスホールディングス(5839・スタンダード)
(https://www.holos-hd.jp/)
・事業内容:保険代理店事業を中心とする企業グループの持株会社
・主幹事証券:SMBC日興証券
・監査法人:あずさ監査法人
・上場承認日:2023年6月16日
・上場承引取消日:2023年7月12日
・上場承認から26日目
フラー(5583・グロース)
(https://www.fuller-inc.com/)
・事業内容:スマートフォンアプリを中心としたデジタル領域全般
・主幹事証券:SBI証券
・監査法人:太陽監査法人
・上場承認日:2023年6月19日
・上場承引取消日:2023年7月24日
・上場承認から35日目
Chordia Therapeutics(4895・グロース)
(https://www.chordiatherapeutics.com/ja/index.html)
・事業内容:RNA制御ストレスを標的とするがん治療薬の開発等
・主幹事証券:野村證券
・監査法人:あずさ監査法人
・上場承認日:2023年8月10日
・上場承引取消日:2023年8月30日
・上場承認から20日目
Earth Technology Group(9333・グロース)
(https://www.tech-earth.co.jp/)
・事業内容;
バイリンガルエンジニアによるIT総合サービス等
・主幹事証券:野村證券
・監査法人:三優監査法人
・上場承認日:2023年9月1日
・上場承引取消日:2023年9月20日
・上場承認から19日目
私の友人の会社も上場承認の取り消しを行っており、その後の社内体制等の話は聞いたことがあります。
しかし、悲観ばかりではありません。
諸事情あると思うので、一概にはいえませんが以下の3社のように再度の上場申請で上場している会社もあります。
住信SBIネット銀行(7163・スタンダード)
(https://www.netbk.co.jp/contents/)
・事業内容:インターネット専業銀行
・主幹事証券:野村證券
・監査法人:あずさ監査法人
・上場承認日:2022年2月15日
・上場承引取消日:2022年3月24日
・最終上場承認日:2023年2月28日
・上場日:2023年3月29日
AnyMind Group(5027・グロース)
(https://anymindgroup.com/ja/)
・事業内容:ブランド企業向けマーケティング支援等
・主幹事証券:みずほ証券
・監査法人;
PwCあらた監査法人(当時)→PwC京都監査法人(当時)
→ PwCあらた監査法人(当時)
・上場承認日:2022年2月22日、2022年11月15日
・上場承引取消日:2022年3月30日、2022年12月15日
・最終上場承認日:2023年2月28日
・上場日:2023年3月29日
ノイルイミューン・バイオテック(4893・グロース)
(https://www.noile-immune.com/)
・事業内容:新規がん免疫療法の開発
・主幹事証券:SMBC日興証券
・監査法人:トーマツ監査法人
・上場承認日:2023年2月22日
・上場承引取消日:2023年3月29日
・最終上場承認日:2023年5月25日
・上場日:2023年6月28日
上場承認が出て、翌日から社長はロードショー(金融機関まわり)を行います。
その裏で実務担当は金融庁と調整をしたり、申請資料の印刷をしたりと大忙しです。
これらの苦労は「上場承認」となったら報われますが、承認取消となると全ての責めを社長と上場準備責任者は負うことになります。
「上場承認はあくまで承認で上場するまでが上場準備、そして上場もあくまでスタート地点」とは言われます。
上場した会社は社名や証券コードが市場で認知されますが、承認取消となった企業については忘れられてしまうことが多いと思ったので今回は敢えて取り上げてみましたが如何だったでしょうか。