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2024年の新規上場の振り返り
昨年書いてみた「2023年の新規上場の振り返り」を、2024年についてもまた書いてみたいと思います。
なお、2024年については、昨年度とは以下の点で集計方法を変えています。
テクニカル上場(※ホールディングス化等を目的とし、簡易な手続きにより上場を認める制度)はカウントしない。
監査法人の区分を、「大手」はBig Fourとし、「準大手」はChatGPTで抽出された太陽有限責任監査法人・三優監査法人・東陽監査法人・ひびき監査法人に加え、3社以上の実績がある仰星監査法人・ESネクスト有限責任監査法人・監査法人FRIQとする。
2024年の新規上場
2024年は、83社が新規上場を果たしました。上場承認後の承認取消は1社のみです。
2023年の92社に比べて9社減となっており、久しぶりに80社台となっています。
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新規上場に勢いがなかったというのもありますが、全上場企業の月次推移から上場廃止による上場企業数の減少が顕著だったことがわかります。
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新規上場企業(都道府県別)
次に都道府県別の上場企業数です。
引き続き東京に集中しているのが特徴ですが、大阪や福岡といった大都市かつスタートアップにも注力している都道府県からの上場企業数が減少しているのが気になります。
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新規上場企業(決算期別)
3月決算と12月決算が多いのは引き続きです。スタートアップでは12月決算の企業が増えている印象ですが、やはりまだまだ3月決算企業が多いです。
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新規上場企業(上場月別)
新規上場企業が受ける上場審査は、主幹事証券と取引所の審査期間をあわせて9ヶ月ほどになるため、3月決算企業が多い日本においては12月に上場企業が集中する傾向があります。
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近年は比較的分散していたのですが、2024年は3月と12月に集中したようです。
グロース市場への新規上場企業の多くは、自社のファイナンスや集中期によるPR機会の損失を避けたいので分散したいというのが本音ではありますが、上場してしまえば他の全上場企業との勝負となるのであまり気にする必要はないのかもしれません。
新規上場企業(証券代行別)
2025年1月1日から三井住友信託銀行株式会社、東京証券代行株式会社、そして日本証券代行株式会社の3つの証券代行機関が合併するので更に選択肢が減りますが、既に寡占市場となっているのでこちらは大きな影響はないかもしれません。
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(ご参考)
三井住友信託銀行株式会社「三井住友信託銀行株式会社、東京証券代行株式会社、および日本証券代行株式会社の合併について」(2024.07.30)
新規上場企業(監査法人別)
監査法人については、引き続き大手、準大手の監査法人に集中しています。
大手監査法人(EY新日本監査法人・あずさ監査法人・PwC Japan監査法人・トーマツ監査法人)で83社中40社(48.2%)、準大手法人等(太陽有限責任監査法人・三優監査法人・東陽監査法人・ひびき監査法人仰星監査法人・ESネクスト有限責任監査法人・監査法人FRIQ)で30社(36.1%)、計 70社(84.3%)となっています。
この数値はとても高いシェアですが、少し前はこれらの区分で90%以上のシェアだったことを考えれば監査法人の分散化は進んでいるといえます。
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2020年7月1日に設立されたESネクスト有限責任監査法人、2021年1月4日に設立された監査法人FRIQなど、近年設立されている監査法人の実績も出始めており、今後の新規上場企業の監査法人の更なる分散には注目です。
新規上場企業(主幹事証券別)
"主幹事証券"の集計については、2024年は9社が幹事取引参加者(主幹事証券)を2社以上選定しているため母数が91社となります。
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2024年の上場準備会社において、大変になってきているのが主幹事証券の選定となります。昨今はそのハードルも上がってきており、「主幹事難民」と言われ主幹事証券が決まらずに審査に入れない企業も増えています。
これは主幹事審査を行えるだけの人員やノウハウがある証券会社が限られていることが大きな要因です。
監査法人、主幹事証券組み合わせ
IPO準備中の企業からよく「どの監査法人と主幹事の組み合わせが良いのか?」というのを聞かれますが、以下が2024年の実績です。
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昨年は大手監査法人×大手証券会社の組み合わせが多かったですが、今年は主幹事数第2位のみずほ証券や近年主幹事数を増やしているSBI証券が監査法人は問わない傾向が見えました。
新規上場企業(六曜別)
最後に個人的な趣味で、上場日の六曜別に調べてみたので記載します。
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やはり大安が嬉しいとは思いますが、個人的には「他社となるべく被らない日」であればいいのでは・・と思います。
新規上場企業データ推移(2020年~2024年)
東京証券取引所の「新規上場会社情報」は、2021年以降のデータを閲覧することができ、一覧にまとめるとこのようになります。
国内 IPO 件数 推移(2020年~2024年)
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IPO 企業の上場時の監査事務所の内訳(2020年~2024年)
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IPO 企業の上場時の主幹事証券会社の内訳(2020年~2024年)
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IPO 企業の上場時の証券代行の内訳(2020年~2024年)
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IPO 企業の上場時の都道府県別の内訳(2020年~2024年)
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まとめ
以上、2024年の「新規上場の振り返り」でした。
既に2024年12月27日には、2025年2月5日の新規上場企業の承認が出ています。
2025年も多くの新規上場や市場変更があることを期待しつつ、今年もデータを集めていきたいと思います。
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