昨日と同じ服
若い社員が昨日と同じ服で出社したら、噂の的になってしまいますね。
これは、そんなロマンチックな話ではなくて、テレビのディレクターから出された指示です。
認知症の母を同居介護する私と愛妻は、NHKの密着取材を受けることとなりました。さすがに取材班は我が家に泊まったりはしませんでしたが、それ以外は丸二日密着で撮影をすることになりました。
初日、我が家の朝の様子を撮影しました。母を起こして、トイレを済ませ、朝食を食べさせました。着替えを済ませて、デイサービスに送り出します。
母を送り出した後、ディレクターが不思議なことを言いました。
「明日の朝も同じ服を着ていただけませんか?」
何を言っているのかわかりませんでした。
後になって、やっと意味が分かりました。
二日撮影するのは、よりいい画を撮るためなんですね。一日目で家族の動きを把握する。そして、どこにカメラを設置して、どうすればうまく撮れるか考えるわけです。つまりリハーサルです。本番は2日目。初日の撮影と二日目の撮影を後で編集してうまく撮れている方を採用する。二日の出来事を一日に編集するのです。私たちが同じ服を着ていれば、編集がしやすいのです。
夏でした。
朝ご飯を食べただけで、たっぷり汗をかきましたよ。
二日目に同じシャツを着るのは、なかなかの苦行でした。
そのかいあって、私たちの生活は全国放送されました。女優の柴田理恵さんがコメントしてくれていました。
でも、私たちの登場は5分でした。2日間、朝から晩までずっと撮影してオンエアは5分です。
テレビ。ぼんやり見ていますが、大変ですね。おろそかには見ないようにします。
English
イラスト by きりの