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高圧的な先生
私が小中学生だったころ、先生というのは、ほとんど高圧的な人でした。すぐ怒鳴る。こちらの話は聞こうともしない。「人間としてどうなんだ?」という人も多かったです。同年代の人たちと話していても、先生というのは大体そんな感じの人が多かったです。
しかし、例外の人がいて驚いたことがあります。全校生徒合わせても十数人しかいない学校で学んだという人と話していると状況が全然違うのです。高圧的な先生なんていなかったんだそうです。
最近の若い人の話を聞いても「先生は優しい人が多かった」と話がかみ合いません。
問題は生徒の数ですね。
私はふちっことはいえ、名古屋市内で育ったのです。高度経済成長期直後です。私が子どものころ学区内に巨大集合住宅ができて、夏休みがあけると転校生が一クラスに6人いたということもありました。一クラスの人数は60人くらいいたのです。しかも生徒たちも多様で、代々その土地に住んでいる家の子や、全国から越してきた家の子どもが混ざっていたのです。
多様で多数の人間を少数で管理するとき、管理者は高圧的にならないとまとまらないのです。一人一人の生徒に向き合い、寄り添っていたりしたら、先生の方が病気になってしまいます。毎日60人の子どもを受け持つ人間の気持ちになってみてください。おかしくなるのは当然です。
私が小学生の時は町に一つしかなかった小学校が、今は三つあります。ところが少子化で、どこも空き教室だらけだそうです。
学校が足らなかったり、余ったり、うまくいかないものですね。
私の高圧的でイヤな先生たちは、もうすでにこの世の人ではないでしょうが、今の時代に先生をしていたら、全然違う先生になっていたのかもしれませんね。
子どもは自分が学ぶ環境を選べません。しかし、残念なことに、ほとんどの場合、大人も自分が働く環境を選べないのです。
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イラスト by iimages