バカは風邪ひかない?
「バカは風邪ひかない」というのは、風邪をひいた人を慰める言葉としても使えますね。
しかし、最近、私はこの言葉を真剣に考えるようになったのです。利口な人は風邪をひきやすいのではないかと疑い始めました。
バカな人は難しいことは考えませんので、いつも体の欲求を素直にきいています。暑いのか、寒いのか、お腹がすいたのか、疲れているのか、眠いのか。そういう体の声を聞くことは、風邪をひかないためには必要な能力です。
利口な人はいろいろ考えます。迷惑をかける、嫌われる、叱られる、負ける、損をする、バカだと思われる。ついつい計算をして無理をしてしまいます。
バカな人は、たとえ、「この仕事を今夜中に仕上げないと、人類が滅びる」という状況になっても、眠くなったら寝るのです。眠いからです。難しいことはわからないからです。
この姿勢こそ、我々が学ばなければならない「バカさ」ではないでしょうか? 実際に人類を滅ぼされてはかないませんが、私たちがいかに深刻に考えている仕事も、体の声を無視してまで続ける必要があるのでしょうか?
風邪をひいている人は利口な人です。いろいろ考えて、無理をして体に負担をかけてしまったのです。いたわってあげましょう。そして、こっそり「もっとバカになれー!」とおまじないをかけてあげましょう。
イラスト by 桐谷とうしろう