崇城大学 パイロット特別選抜受験記

この記事をご覧になっている皆さんはきっと、崇城大学に限らず何かしらの方法で「パイロット」という職業に就くことを夢見ていることでしょう。

崇城大学についてはパイロットを目指している人の多くがご存じだと思います。航空操縦学専攻を持つ私立大学の中でも、就職実績や訓練の質などを総合的に評価した時にトップレベルの大学です。推薦入試、特別選抜、一般入試など受験方法は多種多様ですが、ほとんどの学生が特別選抜を通して入学しています。

パイロット特別選抜は二次選考まであります。一次選考はいわゆる書類選考です。パイロットになるにあたって、ある程度の英語力と健康な身体が必要なことは言うまでもありません。また、大学受験な訳ですからもちろん高校時代の成績なども知りたいわけです。そして、自己申告書という形で、崇城大学の志望理由やパイロットになりたい理由、今まで頑張ってきたことなどが問われます。
以上のものを簡潔にまとめると以下の書類の提出が求められます。

・調査書(遅刻や欠席が多いと二次の面接で理由を聞かれます。)
・英語能力証明書(英検やTOEICなどのスコアのコピー。詳細はホームページを参照ください。)
・航空身体検査証明書(航空身体検査は一回受けるのにかなり高額なので、しっかり準備してから行きましょう。おすすめは東京にある小原医院です。先生や看護師の方が優しいです。)
・自己申告書(問われる内容は毎年変わります)

次に二次選考について紹介します。
二次選考はざっくり適性検査です。項目は以下の通りです。

・小論文
・内田クレペリン
・操縦適性検査FTD
・面接

まず小論文については、例年航空業界に関する内容が問われていたのですが、2022年度は過疎化について問われました。字数は600〜800字だったと思います。制限時間は60分です。いきなり書き進めるのではなく、最初にどのように書き進めて、どのような結論を導き出すのか、道筋を考えるのが良いでしょう。マスに埋めていく方式なので、時間的にも途中で引き返すのは厳しいと思います。

次に内田クレペリンについてです。自社養成や他の私大でも取り入れられているので、ご存じの方は多いと思いますが、単純な計算です。一桁の数字の足し算をひたすらやっていく例のアレです。ただ計算するだけなのに、その人の性格がかなり細かく分かるみたいです。書店で参考書が売っているので、不安な方は事前にやってみた方がいいと思います。思いのほか疲れるので覚悟しておいた方がいいです。私は何回か受けたことがあるのですが、そのたびに一生やりたくないと思ってしまいます。

次に操縦適正検査についてです。これは崇城大学が所有するフライトシュミレーターを使って、指示されたように操縦する試験です。スティックと操縦桿の二つの方式で操縦をします。事前に全体でどのような試験なのか説明を受けますが、正直初めてのことなので何がなんだかわからないと思います。あらかじめシミュレーター体験や、フライトトレーニングを受けておいてもいいかもしれません。この試験はそれぞれの操縦方式で2回ずつチャレンジできます。1回目は事前に説明されたことを自分の解釈通りにやってみる。そして2回目は1回目のフィードバックを受けて、修正を加えながらやるわけです。多くの方が初めてやるわけですから、試験官の方は操縦が上手いかどうかを見ているというより、1回目より2回目が上達したかどうかを見ているのだと思います。

最後に面接についてです。これに関しては皆さんの想像通りだと思います。面接官3人に対して、受験生1人です。崇城大学を志望する理由、なぜパイロットになりたいのか、学生時代に頑張ったことは何かなど、ある程度想定できる質問をされます。他には学費はどのように払うのか、高校時代に遅刻や欠席が多いがどうしたのか、集団生活に不安はないか、時速120kmで4km進むには何分かかるかといった思いがけない質問がくることもあります。そんな時でも焦らずに、正直に思っていることを話すのが大事だと思います。ただ、問われている質問に対して答えになっていない回答をするのは避けましょう。面接はただの会話です。気負わずに普通に話すことをイメージすれば良いのです。

二次試験の流れについてですが、事前にグループ分けがされており、最初に小論文を全体でやってからはグループごとに行動します。それぞれのグループが内田クレペリン、操縦適性検査、面接をバラバラに受けていく感じになります。一つひとつの試験で結構待ち時間が発生するので適宜昼食やお手洗い休憩を取ります。

パイロットというのは夢のある職業です。誰でもなれるものではありませんので、合格された皆さんは自信を持ってこれから始まる訓練を頑張ってください。また夢破れた方々も人生が終わったわけではありません。パイロットになる道が閉ざされたとしても、死ぬわけではありません。ただ、死ぬほど悔しい思いをした方もいることでしょう。前を向いて頑張れ、他に道があると簡単には言えませんが、パイロットを目指した自分に誇りを持って新たな旅路に向かって行きましょう。
この先受験される皆さんは最大限の対策をして挑んでください。心から応援しております。

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