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「ブルシット・ジョブ」ってご存知ですか?

 ブルシット・ジョブとは、デヴィット・グレーバーの造語で、「被雇用者本人でさえ、その存在を正当化しがたいほど、完璧に無意味で、不必要で、有害でもある有償の雇用の形態である。とはいえ、その雇用条件の一環として、本人は、そうではないと取り繕わなければならないと感じている」 仕事のことです。

 具体的にどんな仕事があるかというと、5つの例が挙げられていて、

①取り巻きの仕事・・・誰かを偉そうに見せるための仕事。封建時代の家臣と同じ。この例は、パーキンソンの法則の中に出てくる。官僚は同じ地位のライバルに部下が増えたとき、自分にも同数の部下が必要だと考えて何らかの理屈のもとに部下を雇用するというもの。

②脅し屋の仕事・・・その仕事が脅迫的な要素を持っている仕事。もっとも明白な例として軍隊が挙げられている。軍隊は、他国が軍隊を持っているから存在が必要なだけで、どの国にも軍隊がなければ無用である。つまり脅迫することで故意に不安を煽り、本来は存在しなかった需要を捏造する仕事はこの類の仕事といえる。例えば美容に関する商品で、これを使わなければ大手を振って街を歩けなくなる、といって売りつける仕事。

③尻ぬぐい・・・構造的に欠陥がある組織や無能な上司の後始末をする仕事。この場合、組織や上司などの根本原因を解決するのではなく、モグラたたきのようにその問題に対処するために雇用されている人がいる。なぜ、根本原因を解決しないかというと、根本原因を解決するのはとてつもなく大変な仕事と誤解しているか、組織や上司の雇用が失われるからである。この類の仕事は、大抵の人が若いころに体験しているのではないだろうか。同じ人がある程度経験を積んだのち、つまり出世を果たした時点で、陰で「無能な上司」呼ばわりされていないことを願うばかりだ。

④書類穴埋め人・・・官僚機構で手続き上必要とされる書類を作成する仕事。この場合の官僚機構とは、官民を問わない。その書類は、たいていは儀式的なもので実質的に意味があるかどうかは二次的の問題である。もちろん組織というものは書類で回っていて、その書類は誰かが誰かの行動を監視するために存在する。しかし一度紙切れにその役目を負わせると、それは重要書類となって限りなく付きまとうものである。

⑤タスクマスター・・・他者にブルシット・ジョブを割り当ててそれを監督する仕事。簡単に思いつくのは中間管理職である。もっともこの種の職業は、組織のフラット化の進展のためにかつてのようには必要がなくなっているはずである。しかし実態はどうだろうか。不要な中間管理職を穏便に排除するには、窓際に追いやるのではなく昇進させることだ。それは尻ぬぐいの元をつくることでもある。雇用の仕組みがジョブ型である欧米では、雇用のためには職務記述書が必要である。その場合、BS な仕事を作り出す職務記述書を捏造するという仕事は、十分に BS な仕事である。著者は、大学におけるマネジアリズム(経営管理主義)の例を挙げているが、大学に限らず、マネジアリズムを維持するためだけの仕事に身に覚えのある向きも多いに違いない。

参照:https://kutarr.kochi-tech.ac.jp/records/2119

 このような仕事って周りに氾濫しているんじゃないでしょうか?

 1930年にジョン・メイナード・ケインズは、「20世紀末までには、英米のような国々では、テクノロジーの進歩によって週15時間労働が達成されるだろう」という予測していました。
 しかし、そのようになってないのは皆さんご存知のはずです。
 なぜそうならないのか? テクノロジは進歩してないのか?
 多分もっと仕事時間って減らせるはずです。
 でも無駄な仕事が多すぎてそうなってないんですよね。

 採用される確率が限りなく低い企画書を延々作ったり、どうでもいいクレームに対応したり、ただの人数合わせで会議に参加させられたり、LINEで済む内容を伝えるためにわざわざ実際に会ったりと・・・

 雇用している以上は週40時間働かせないといけない、会社に出社させないとちゃんと仕事しているのか信用できない・・・そんな経営者がまだまだ大多数なんじゃないでしょうか?
 国民はできる限り働かせないといけないという固定観念を抱いている国家権力があるとしか思えません。

 働くのは、もう週に3日、1日5時間でいいと思います。
 いろんな意味で。
 テクノロジは進んでいるのに偉い人の考え方がまだ封建時代のままなのが残念ですね。

↓もっと詳しく知りたい方は原著を是非お読みください。

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