【AIと企業戦略】AIと持続可能な社会『ダブルハーベスト』CHAPTER7#3
こんにちは。シンラボ共同代表の草場です。
いよいよAIの実装に向けて動いていきましょう。最適な本、『ダブルハーベスト 勝ち続ける仕組みをつくるAI時代の戦略デザイン』を見ていきます。
是非ご購入ください!!
目次は以下です。
【Prologue】勝敗を分ける「何重にも稼ぐ仕組み」──ハーベストループとは何か?
【Chapter 1】AIと人とのコラボレーション──ヒューマン・イン・ザ・ループ
【Chapter 2】AIで何を実現するかを見極める──戦略デザイン構築のための基盤づくり
【Chapter 3】戦略基盤を競争優位に変換する──戦略デザインとしてのAI
【Chapter 4】データを収穫するループをつくる──ハーベストループでAIを育てる
【Chapter 5】多重ループを回して圧勝する──ダブルハーベストこそ最強の戦略
【Chapter 6】ハーベストストーリーを実装する──AIプロジェクトマネジメントの考え方
【Epilogue】地球をやさしく包む「最後のループ」──SDGsとハーベストループ
CHAPTER7!新たなモデルに関して。
昨日の記事は以下です。
■【Epilogue】地球をやさしく包む「最後のループ」──SDGsとハーベストループ
最終章は、今後の未来に関しての著者の考えが述べられています。好きなことが仕事になる世界、きそうです。
ここからが面白い部分です。AIによる最適化が、SDGs達成を導く、というものです。
・AIによる最適化は「持続可能な地球」を残すところまで進む
AIにより、産業構造、社会構造、人間の働き方が大きく変わります。これは、この本でも見てきましたし、以前『予測マシンの世紀』でも見てきました。
この先に見えてくるのが、SDGs達成だそうです。SDGsに関しては様々な文献がございますので、ご参考ください。なぜつながるのでしょうか?
ハーベストループを回すのは、従来のように1回限りの勝負で一喜一憂するのではなく、この先も続く未来に向けて、持続可能な働き手を育て、持続可能な企業活動を支え、持続可能な社会に貢献し、持続可能な地球環境や生物多様性を子孫の代まで残すためでもある。
ハーベストループは、周り続ける仕組みなので、それを考えること自体が持続可能性が織り込まれている、ということでしょうか。
著者の考えでは、以前は人間の視野の狭さ、AIの能力不足もあり、最適化ループが回る生態系は極端に小さかったそうです。かつての高度経済成長期の日本では、メーカーはモノを売って売りっぱなしの売り切りモデルで、資源やエネルギーは使い放題という考え方だったと。その結果、大気汚染問題、公害問題、気候変動等をもたらしました。
もちろん、消費者にも責任があります。使い捨てが当たり前、資源のリサイクルも普及しませんでした。
こういったことは、専門用語で、外部不経済、というそうです。以下のリンクに言葉の意味があります。
イギリスの経済学者 A.マーシャルが用いた言葉で,市場を通じて行われる経済活動の外側で発生する不利益が,個人,企業に悪い効果を与えることをいう。
外部不経済の代表的な例としては公害問題がある。かりに騒音公害があったとすると,その周辺の住民はその公害がなかったときに比べ不愉快な生活を強いられることになる。住民にとって公害は,なんら市場原理に基づかない経済的不利益をこうむることになるので外部不経済となる。
経済政策的には,外部不経済をできるだけなくすこと,できれば外部不経済を市場価格に基づいて内部経済化することが課題とされている。
ある意味で当たり前にもたらされた結果でもあります。
資本主義は競争を前提とした市場経済がベースにあり、右肩上がりの成長ができた時代には、本来は有限であるはずの資源やエネルギーをむだ使いしても、誰も気にしなかった。資源問題やごみ問題は長らく市場の外にあり、最適化の対象ではならなかった。
今でももちろん違います。気候変動問題も大きく取り上げられており、イーロン・マスク氏が、カーボンをゼロにするプライズを始めるなど、大きな流れが来ております。
ではAIがこのどこに貢献するのか?明日見ていきます。
草場壽一
https://sinlab.future-tech-association.org/