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delicious smile

学童野球の最高峰の大会、通称マクド杯。
都道府県代表チームで日本一を争う。
その末端の大会がここ2週間ほどの土日で開催された。
県大会出場チームを決める、いわゆる、ブロック予選だ。
参加11チームの内、3チームに出場権が与えられる。

まず最初に、兎にも角にも、一番重要な「組み合わせ」。
コロナ禍以来久々に主将がくじを引くことになった抽選会。
試合以上に緊張しているように見えた主将が2番を引く。
その後、一度負けた相手、因縁の相手、やりたくない相手が
悉く反対側の山に組み込まれていく。
今大会の仕事を全てやり切ったような安堵の表情の主将。

初日1回戦、勝利。
2日目2回戦、勝利。
2戦とも大量得点で無失点のコールドゲーム。
なんとなく緩んでいたような、いやな感じがしたので、
2日目終了後、たまたま連絡のあった他ブロックの強豪と試合。
案の定ボッコボコにやられ、自分たちが甘かったことに気付く。
ここが大事。
われわれスタッフは選手たちの気の緩みには早々に気付いていた。
子供達の「勝ったんだからいいじゃん」的な生温い雰囲気は、
大人が言葉で気付かせるのは到底難しい。
ともすれば、怒声・罵声で言い聞かせてしまいがちになる。
それはNGだ。
この敗戦後の「気付き」が3日目に繋がる。

3日目準決勝、
勝てば予選突破、負ければ翌日の3位決定戦。
私はこの日、息子の試合に行っていたので見れなかったが、
動画で確認したところ、緊張感のあるいい雰囲気で、普段通りの・・・
いや、プラスαの力を発揮し、勝利を掴む!
2点差で迎えた最終回の守り、無死一塁からの4ー6ー3は
今まで練習で見たどのゲッツーよりもキレイでかっこ良かった。
このチームのベストゲームだったに違いない。
これで県大会出場だ。

4日目決勝、
秋の大会、サヨナラで敗れた相手。
当面の大きな目標であった「県大会出場」を決めていたので、
選手たちのモチベは昨日よりは下降しているんだろうな、
と思っていた。
・・・が、主将の口から出た言葉は「秋のリベンジ」だった。
それに呼応するように、選手たちの気持ちが「ひとつ」になっていくのが
手に取るように感じられた・・・これが「成長」か。
数人がゾーンに入っていたかもしれない。
1点差に迫られてなおもピンチを背負ったままのエースも、
チャンスで三振してしまった主砲も、
間を抜かれて必死で追いかけて息があがっている外野手たちも、
「笑顔」「笑顔」「笑顔」
相手打線は鋭い打球を容赦なく飛ばしてくるが、
強烈なライナーが野手の正面だったり、
当たりが良すぎてライトゴロになったり。
「運」としか言いようがない事ばかりだったが、
勝利の女神にむこうを向かせない「笑顔」があった。
むこうに行きかけた「流れ」をすぐに引き戻したのも「笑顔」だろう。
前日のベストゲームをさらに超えるベストゲーム。

試合後、選手たちが言った。
「楽しかった~~っ!」
お父さん、お母さんたちが見たくて仕方なかった光景がそこにあった。
ほんとうにおめでとう。

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