こんな人生、滅びてしまえ
私のストレスは、食べたいものが家にないところから始まった。
突如感じた空腹感を、満たせるものは、この家にはなかった。
空腹感は、空虚へと変わった。
埋まらない心の虚しさは、久しぶりに訪看に会ったから生まれたのだろうか。それとも、久しく会わなかったから生まれたのだろうか。
満たされない心に合わせるように、気持ちは高ぶってゆく。
明日のテスト勉強ができていない。明後日のテスト勉強が間に合わない。勉強に気持ちが追い付かない。明々後日は実家に帰るんだ。成人式で同級生と会うのか。
高ぶる気持ちに追い打ちをかけるように、不安なことばかりが頭をよぎる。
高ぶる気持ちを静めるための手札は、それほど持ち合わせてはいない。数少ない手札の一つ、文字で昇華させることでは、今回は気持ちは静まらなさそうだ。
もう一つの手札、頓服を飲むを実行するべきなのだろう。それとなく気が進まないのは、頓服で気持ちが落ちつけば、不安なことも出来る気がして、無理してやってしまう未来が見えるからだろうな。
無理した先で、潰れてしまったら、また頓服を飲んで、無理をして。
出来る自分は楽しいんだ。勉強も、部活も、バイトも、本当は上手くやりたいんだけど、メンタルが追い付かなくて出来ないだけ。やりたくても出来ないことが、薬で出来るようになる。一時的、ほんの一瞬にすぎないけれど、楽しくて。
楽しい時間なんて、すぐに終わってしまう。
毎日襲い掛かる不安感、気分の落ち込み、希死念慮とは、もう離れられない。忘れられる瞬間はあっても、傍から離れることは、決してない。
そんな毎日が、心底楽しくない。
心底苦痛で、心底死にたい。
ああ、やりたくても出来ない私と、やれるのにやる気が無くて敢えてやらない彼ら。死にたいと思いながら生きてる私と、死にたくないのに死んでしまう人たち。似ているな。
世の中は無常だ、残酷だ、なんていうけれど、そんな言葉で表せるほど、容易い心情ではないと、私は思う。
想うように生きられない人生。そのくせ、苦しみの中に、一時の安らぎと楽しさを見せてくる。これを人は、残酷としか言えないんだろうな。それ以外の言葉が見つからない。悔しいな。
ああこんな人生、滅びてしまえ。