「ブラックジャックによろしく」二次利用フリー化10年後報告
「ブラックジャックによろしく」二次利用フリー化から10年が経ちました。
「ブラックジャックによろしく」は二次利用規約に従う限り、商用・非商用の区別なく、事前の承諾を得ることなく無償で複製し公衆送信し、また、どのような翻案や二次利用(外国語版、パロディ、アニメ化、音声化、小説化、映画化、商品化など)を行うことも可能です。
僕と佐藤漫画製作所は、二次的著作物に関して原著作物の著作権を行使しません。
また、著作者人格権(同一性保持権)を行使しません。
「ブラックジャックによろしく」フリーダウンロードページ
二次利用がフリー化されたのは2012年9月。
当時大きな話題となり、様々なパロディや商品が登場しました。
それにより作品は拡散し、今も新たな読者を生み出し続けています。
10年間を総括します。
「ブラックジャックによろしく」二次利用結果報告(2012/9/15〜2022/8/31)
■二次利用件数
合計4338件
2012年9月15日から2022年8月31日までの10年間の二次利用件数は4338件。
平均1日1件以上の利用がありました。
2012年から2013年にかけての利用が最も多く712件でした。
その後も安定して利用されているものの、2019年から徐々に利用数が減っています。
■佐藤秀峰作品電子書籍ロイヤリティ(2013/1/1~2022/4/30)
合計¥557,505,766(税込)
2013年1月1日から2022年4月30日までの佐藤秀峰作品の電子書籍ロイヤリティは合計¥557,505,766でした。
2016年のロイヤリティが突出して多く、ここ5年(2018年~2022年4月)の月額ロイヤリティの平均は¥3,037,598です。
■まとめ
二次利用件数は事後報告があった事例のみをカウントしているため、実際の利用数はさらに大きいと思われます。
世界中で各国語版電子書籍が発売され、現在、メキシコ、ペルー、アルゼンチン、スペインなどで紙書籍化が進んでいます。
国内の利用は徐々に減りつつありますが、時間の経過とともに減るのが普通だとすると健闘しているのではないでしょうか。
無償で利用できるということで、当初は「どうやってお金を得るんだ?」といろいろな方に言われました。
が、二次利用フリー化によって著作の電子書籍の売り上げを飛躍的に伸ばすことができました。
それは今も続いています。
現在は「電書バト」という電子書籍の取次サービスを運営しています。
二次利用フリー化をきっかけに多くの電子書籍ストアと直接取引を行うようになりました。
そこで培った商流を活用し、多くの漫画家のお役に立てるよう活動しています。
蜘蛛の糸は自分だけ助かろうとすると切れるので。
漫画家としては「Stand by me 描クえもん」という作品を執筆中です。
ひっそりとYoutubeもやってます。
ではでは。
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