トップアスリートから学ぶ 市民交流セミナー&ファンライド <前編>
主催:High Ambition女子サイクリングアカデミー
協力:スポーツタウン御殿場推進協議会
主旨:オリンピック開催地の実績を生かして、地域の自転車普及と健康増進に貢献する
開催日時:11月26日(土)
会場:御殿場高校 体育館
ゲスト:佐野 淳哉 選手(元日本チャンピオン/マトリックスパワータグ所属プロロード選手)
アシスタント:阿部 花梨 選手(High Ambition 女子サイクリングアカデミー)
司会進行:加藤 修(FM御殿場パーソナリティ/High Ambition女子サイクリングチーム代表)
High Ambitionの活動地域は静岡県東部の東京オリンピック開催地
富士山周辺地域での交流イベントを主催してきた
High Ambitionは日本初の国際女子自転車チームという形で2019年に始まり、2020年以降は静岡県東部地域を活動拠点としています。
コロナの時代に入り、国際チームの活動は休止状態となりましたが、下部組織で普及活動を行うHigh Ambition女子サイクリングアカデミーはこの3年間も活発に活動をしてきました。
その中でも2020年に御殿場市と連携協定を結んだことで、2021年に開催された東京オリンピックロードレースでは御殿場市内の特設ライブサイトに選手やスタッフがゲスト出演させて頂いたり、オリンピックの機運情勢イベントにも参加してまいりました。
また、High Ambitionとしても毎年独自のサイクリングイベントを富士山周辺オリンピック開催地において企画・主催してきた経緯があります。
座学では大会に向けたメンタリティや目標設定、アスリートの身体づくり、自転車レースがどんなものなのか、自転車の楽しさ等をレクチャー
朝の1時間は座学(というより双方向のトークイベント)で、私は司会進行の中で元日本チャンピオンの佐野 淳哉 選手から聞きだしたかった内容があります。それはスポーツをする人にとって大切なメンタリティ、目標設定、あきらめない心、失敗を恐れないこと(実は沢山失敗をして学んだ人ほど成功している)、理解力とコミュニケーション能力、語学力、応援される環境の有難さなど、スポーツが好きな方だけではなく普段から仕事を頑張っている市民の方にも何かしらヒントになりそうなことをお伝えできたように思います。
阿部 花梨 選手は、佐野選手との共通点で大学入ってから競技をはじめました。それで1年生の頃はなかなかついていけなくて苦労したことや、4年生になって大学選手権3位に入るまで成長できた経験、そこで得た自転車の楽しさを語ってくれました。また、日本国内は欧米と違って女子ロードレ-スのプロ化が難しい中で人口の半分である女性にもっとスポーツとしてのサイクリングを楽しんでもらえたらという希望も持っています。
御殿場高校ハンドボール部の高校生たちが実際にロードバイクを体験
ユーモアを交えたトークで少し和んだ後は、佐野選手に身体のケアや柔軟性を維持する動きを実演いただき、参加者の方々にも体験していただきました。
そして最後のお楽しみは選手たちと参加者の高校生によるロードバイクの体験コーナー。今回はWahooのスマートローラーとZwiftのセットを持ち込んで、オンラインでバーチャルサイクリングを楽しんでいただけるようにセットしました。
今回21名集まっていただいた御殿場高校 ハンドボール部の生徒さんたちにロードバイクにチャレンジしてしてもらいました。彼らは静岡県大会で優勝校とのことで、かなりの脚力が期待できます。佐野選手からのあおりを受けて、高校生たちが漕いだ時の最大出力を競うような展開になっていき会場はどんどんヒートアップ!若くて体力のあるハンドボール部の皆さんはさすがで、ロードバイク初乗りなのに500Wから600Wぐらいの高い数値をたたき出していきます。
阿部選手もチャレンジ!体重の軽い女性でも出力は600W超え、男子高校生たちは驚きの表情に。
そして最後は大本命、佐野選手の登場です。
体力的はピークを超えたベテランとはいえ、現役プロロード選手がどのくらいの出力をたたき出すのか、会場にいる全員が注視しています。
用意したバイクが佐野選手には小さくて窮屈そうですが、阿部選手の「3-2-1、スタート!」の掛け声に反応し、力を込めて踏み込んでいきます。
500W、600Wと順調に上がっていき、さらには700Wが出ました。まだ伸びていき、最後は800W を超えてしまいました!さすがプロ選手です。サイズが合うバイクなら1000Wもいけたのではないかと思われます。
自転車をもっと人気スポーツにしていく上で、一般市民にもスポーツとしての自転車の魅力を少しでも感じていただけることに価値がある
御殿場など富士山周辺地域は基本的に車社会です。自転車をもっと国民的な人気スポーツにしていく上で、東京オリンピックが開催されて地元の人々がロードレースを見たことは大きなプラス要素ですが、この地域にサイクリングに来る人が増えた一方で、地元の人たちの間でスポーツバイクはまだそんなに普及していません。これまでママチャリしか乗ったことがなかった高校生たちにロード選手たちの体験談を聞いていただき、Zwiftで楽しみながらロードバイクの乗車体験をしてもらうことができました。
佐野選手や阿部選手にとっても高校で講演・セミナーを行ったのは初めての経験だったそうで、選手の側にとっても良い刺激になったみたいです。
自転車をもっと人気スポーツにしていく上で、競技者の育成・強化だけではなく、地域の理解と応援につながる普及活動、安全運転の啓蒙活動も大切です。
High Ambitionは今後もこのような市民交流セミナーやイベントは定期的に企画・実施していく予定です。
このようなイベントを実施させていただくにあたり、会場をご提供いただいた御殿場高校の先生方、このイベントに後援いただいた御殿場市の関係者の方々に感謝申し上げます。
<後編のファンライドへ続く>