あたたかい雪
おはようございます。
昨日、クリスマスイブの大千穐楽岡山公演をもちまして「くるみ」全11公演を、そして2023年すべての公演を終えることができました。
ご来場いただきましたみなさま、ありがとうございました。
今年の振り返りは追々するとして、ひとまずくるみのお話をば。
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毎年恒例、冬といえばのくるみ割り人形。
今年で4回目になりまして、さすがにいろんな面で余裕を持って臨むことができたように思います。
特に花のワルツは4回全て、今年に関して言えば 7/11 公演で登板したので自分としても珍しくゼロ緊張で舞台に立てて、ストレスフリーの公演を楽しむことができてよかったです。
クララがクラカトゥクくるみを見事割ってのけ、それを祝うようにディベルティスマンの一番最初に踊る花のワルツ。初めて観たときは驚いたものですが、今となってはこれ以外あり得ない!という演出です。
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そして今年は雪の王も。
2年前にデビューして、カムバックでした。
Kの雪のシーンは本当に素晴らしく、何度も見ているはずなのに、ゲネで前から見て「おおぉ……」と唸るほど。
そんなシーンの真ん中で踊れるというのは誇らしかったですが、やはり緊張しましたね。
何というか、他のどの場面がどれほど良かったとしても、雪だけはコケてはいけないという謎のプレッシャーを感じるのです。
それほどお客様の期待も感じますし、ダンサーとしてのプライド?矜持?のようなものも呼び覚まされるような気がするんです。それほどKの雪は特別だと思っています。
クイーン成田は本番が一番強いで有名なのですが、今回もそれに違わぬド根性を見せてくれました。
想定外の大雪で視界がゼロになろうが、音のテンポが早くなろうが、必ず僕を信頼して踊ってくれました。
パートナリングの相性というのは難しいもので、11年のキャリアを顧みても未だに The Best Partner と呼べる人は少ないのですが、今回の雪に関して言えば、紗弥ちゃんは間違いなく相性良かったです。
もちろん自分の肌感なのでお客様から見て、あるいは紗弥ちゃんがどう思ったかは分からないのですが、少なくとも雰囲気は良かったようです。笑
たくさん素敵な感想を寄せていただいたのですが、いちばん嬉しかったのが、
「2人の相性がとても自然で息ピッタリで、子供のころに雪が降って嬉しかったのを思い出しました。くるみの雪のシーンを見てそんな気持ちになれたのは初めてでした。」
「冷たいよりも、あたたかく優しい雪でした。」
というお言葉でした。
音楽もクールでカッコいいですし、振付もシャープでなので冷たい雪を表現するのが一番正解なのは僕も重々承知なのですが、他のペアを真似しないで自分たちの色が出せたのもある意味正解だったのかなと思えました。
何回リハしてもやっぱり大変で難しい踊りなのですが、終われば達成感でいっぱいで、楽しいしまた踊りたいと心から思える役でした。
紗弥ちゃん、ありがとね!
そしてもちろんほぼシングルキャストフル出場のコールドのみんな!みんなにパワーをもらったからがんばれました。百戦錬磨のみんながついてると思うと心強かったです。ありがとう!
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というわけで今回は「眠り」の時期の関係もあって集中してリハーサルできる期間はそう多くなかったのですが、無事に終えられてホッとしました。
ディレクター、先生方、スタッフの方々をはじめとする関係者の皆様、本当にありがとうございました。
メリークリスマス!