MNKMディレクター伊藤のファッション史
こんにちは。MNKMの伊藤です。
本日は少しパーソナルな事を取り扱って、MNKMにある想いや背景を紐解ければなと思っております。
皆さん、ファッション楽しんでますか?
私はとても楽しんでいました。ストリート→古着→モード→ドメス→現在(何でもあり)といった流れでその時々を楽しんでいます。
それほどにファッションが好きだし、僕にとって切っても切り離せないカルチャーの一つです。
ファッションってその時その時で、流行ファッションやブランドなどがありますよね。
昔は、今よりも「流行」とか「自分はこれ好き」とかが強かった気がします。
昨今は、SNSの発達でどこからでもファッション含めイケてるカルチャーを見れます。とても恵まれた事ですよね。
しかし、だからこそみんなお化粧上手だったりおしゃれだったり素晴らしい一方で、見た目で自己を表現するような個性が薄くなった気がして寂しくもあります。
前置きはここまでにして、私のファッション遍歴をご紹介したいと思います!
(1). 中学生 -上下ダボダボストリートファッション期-
私が中学生に入学したのは、2000年。
当時は、裏原系が流行っていたと思っていたので、何でもダボダボって着ていました。当時太っていたこともあり体型も気にせずできるファッションでしたね。
田舎者でまだおしゃれに目覚めていなかったので、StussyやSupreme等のブランドは買えず近くの服屋で買っていました。(いや、母親に買ってもらっていました笑。)
とにかく腰パン度合いが強い方がかっこいいという謎の時代で、
学校のジャージとか特に下着のパンツとか丸見えでしたよね笑。男女問わず。。。
母親は割とイイトコ育ちで名古屋の女子校卒なので、当然このファッションに対し理解がなくとても嫌がられました。
【今振り返ると・・・】
この頃、ZIPが付いてて膝下が分離できるナイロン素材のカーゴパンツをよく履いていて、高校になるとあんなんダサかったと思いましたが、今そういうパンツ出しているブランドも結構あって懐かしくて欲しくなっている自分もいたりします。
2000年は、裏原系の全盛期から見ると衰退していっている時期だったんだなと思いました。少しずつメゾン系のブランドが強くなってきて、Number(Nine)やUNDERCOVERもそっち寄りになって行ってましたね。
女性ファッションだと90年代後半から00年初頭ってすごく面白くてコギャルやガングロギャル、アムラー、シノラーなど今じゃ「えーー!?」っとなるファッションが流行っていた不思議な時代です。
(2).高校生 -古着MIX期-
高校に入ると、アルバイトもすぐに始めて毎月自分の稼いだお金で、洋服は買ってました。
ありがたいことにおしゃれな友達がいまして、その子に名古屋の大須観音駅へ買い物で連れて行ってもらいました。そこでたくさんの古着屋さんと出会いました。
当時お気に入りだったお店はUNCLE MEATやCRACKERでしたね。
古着なんだけど、個性的で普通じゃない感じがなんか好きだったんですよね。当時ブルーハーツとか好きでバンドもやっていたので、人と違う服を着たい欲がすごくあったんだと思います。
US古着のカルチャーに興味を持ち始めたのもこの頃からです。
アディダスのジャージのトップス着たり、細めのボトムスにエンジニアブーツを履いたり、参考にしていた雑誌はChoki-Chokiが多かったですね。
キング奈良さんや馬場さんは本当にカッコよかった。他のキングもみんな。
【今振り返ると・・・】
セレクトショップも増えて、DCブームや古着ブーム絶頂。
一部では名古屋発祥のお兄系っていうとんがりブーツに盛り盛りの髪型なんかも流行ったりしてましたね。本当にお兄系大嫌いでしたけど、面白い文化ではありました。そう行った人たちは今は、EXILEの方々のファッションを参考にしたりしている人達が多いですかね?
(3).大学生 -ハイブランド期-
この時代が今考えると一番楽しんでいた時期でもあり、リックのレザージャケットを24回払いで買ったり、ジルサンダーの比翼仕立てのシャツが好きで何枚か買ったり、アンドゥムルメステールのモヘヤニット買ったり、、、、、、金銭感覚がおかし過ぎて恐ろしい時期でもあります(汗。
大学生になり、クレジットカードも自分のを作ったことで先に述べた通り買う服の値段もグッと上がりました。当時はエディスリマンがディオールオムのデザイナーをしていて、スキニーデニムにダブルのライダース、ヒールブーツや革靴みたいなとにかくタイトなスタイルが世を席巻する一方で、スキニー履いてる男子はモテないという時代でもありましたね。
自分は、エディがとても好きでしたのでよく真似をしていました。(今でも大好きです。かっこいいですよねショーの魅せ方とか、服もセリーヌでも当時の要素散りばめていたり一貫性がありますよね。)とてもディオールは買えなかったのでモード系のブランドでエディ要素を取り入れていました。例えば、スキニーは、ユニクロのレディスやApril 77, Tsubi(現Ksubi)。バナルシックビザールのレザーライダースやエナメルヒールブーツを合わせたりしていましたね。今考えると、、、今より細かったし肩幅も小さかったとはいえ、サイズ感めちゃくちゃでした。とにかくキツければキツイ方がかっこいいみたいなところがありましたね。レディスのXLを着たりもしていましたし、ギャルソンやヨウジのスカート履いたり、スパッツとダメージデニムの重ね履きしたり、本当に様々なファッションに挑戦した時期でもありました。
当時大学のファッションサークルに所属し、ファッションショーもやったりしていましたね。本当にファッションが全てみたいな時代でした。昼食はうまい棒の時もあるくらい服にお金を注いでましたね笑。
東京へ買い物に行くようにもなって、当時はスナップ雑誌TUNEやFRUiTS、WEBではDROP TOKYOのスナップをよく参考にしていたので、原宿のDOGとかCANDYとか奇抜なお店で買い物してました。
その辺りを卒業間近に、出会った大好きなショップが名古屋栄にあるセレクトショップUNEVEN。20代は毎週末のようにろくに服も買わないのに、通っていましたね。ご迷惑おかけしましたが、本当に今でも大好きなお店です。
行き始めた当初はWhite Mountaineeringにどハマりしていました。ゴアテックスのマンパは本当に破けるんじゃないかほど着倒しましたね。
【今振り返ると・・・】
この頃は、mixiというね紹介制の今でいうSNSが始まり、iPhoneが生まれたり、自己表現を他者に見せる場が変わりました。
2006年に上陸したTOP SHOPや以外にも1995年から上陸していたアメアパなど海外のファストファッションが流行り、お手頃価格でおしゃれを楽しめるようになった一方で、2005〜2017年までGIVENCHYのデザイナーを務めたリカルドティッシを筆頭にモードとストリートの垣根が無くなっていきます。2012年には、SUPREMEがコムデギャルソンとのコラボを発売しました。この1stのパーカーは今でもかっこいいなと思いますね。
これが現在のファッションにも多大な影響を与えていますよね。
(4).社会人 -自分に合うファッション期-
社会人になると職場の影響やノームコアの時代もあってか、ベーシックだけど生地にこだわるMaison Kitsuneや一見プレーンだけどパターンが変わっていたり、古着を再解釈した洋服が多いUNUSEDを着るようになりました。
UNUSEDは今では、一番お気に入りのブランドで、毎シーズン展示会で予約をして楽しみにしています。忘れもしない一番最初に買ったUNUSEDは、2011年に買ったベージュのカツラギのようなデニムのようなガシガシっとした素材のガウンコートです。当時は、お気に入りでとてもよく着ていました。振り返ると懐かしい。
単純に個性的な服を着たいときは、ネペンテスがセレクトしているブランドを着たりしていました。
こうして、様々なファッションを通して、個性を程よく出せてなおかつ自分には何が合うのかっていうのを研ぎ澄ませていきました。
【今振り返ると・・・】
雑誌POPEYEのコンセプトが一新し、シティボーイが流行。
ダンスが体育でも必修で習ってきた世代が大人となりEXILEファッションが流行。この辺りからスキニー履いてる人が量産され、自分自身はスキニーを履くことが逆に減っていきましたね。。。
SNSの発達、Facebook、Instagram、Snapchatなどの登場によって世界中のトレンドが可視化され、どこに住んでいても流行がわかるし、自分の好きな有名人の真似がしたりすることで、原宿ファッションの衰退、TUNEやFRUiTSの廃刊など、ファッションの一本化が進んでいる気がする。
(5).MNKM(現在) -着たいものを着る期-
2017年からMNKMを立ち上げ、当初は古着メインでオリジナルの型数は2型でしたが、オリジナルのデザインを考えることが楽しくなっていき、その時その時のトレンドを取り入れつつ自分の気分や自分が着たいと思うものを作るようになっていきました。なので、自ずとカットソーやスウェット類はMNKMのオリジナルを着ることが増えて、UNUSEDで予約した商品と古着、MNKMでコーデを組み合わせるのが今の基本になっています。キャップはSupremeや好きなアーティストのMerchが多いです。
今夏は、MNKMのショーツかPatagoniaのバギーズショーツにMNKMのカットソーか古着のカットソー、UNUSEDかSUPREMEの半袖柄シャツが多いです。
ちなみに
【8月の購入品でお気に入り】
◇SUPREME今期のレーヨン総柄シャツ
Blow Back Rayon ShirtのマルチカラーのLサイズ。
意外と合わせやすくてガシガシ洗濯できる扱いやすさも◎
◇Miiの半袖開襟シャツ
インド人のBapan Duttaとフランス人のLucie Bourreauの2人がスタートさせた元々はスカーフとストールのブランドで、洋服展開は2シーズン3シーズン目。デザインはパリで制作はインドのコルタカにてすべて手作業にて行われており、世界的に有名なテキスタイルの伝統技術をもつ2つの国の特徴を生かしながら、新しいクリエイションを生み出しているのが魅力のブランド。
刺繍が可愛くて、前身頃と後ろ身頃でパターンが違うギミックも効いてて、個人的に今後注目のブランドです。
画像だとわかりにくいですが、左胸のポケット周りが刺繍になっていて、シンプルで使いやすく絶賛ヘビロテ中です。
最後に、
ざっと私のファッション遍歴をご紹介いたしました。
様々なタイプのファッションを吸収してきたことがわかったかな?と思います。
MNKMでは、ストリート寄りな商品を展開していますが、それでもどこかデザインにシンプルさだったり大人っぽさが垣間見れたり、女性からも幅広い世代からも好評なのはこういった経緯があったからですかねきっと。自分でも不思議です。
コロナ渦で、イベントがなかなかできず皆様と対面でファッションの話ができないのが、寂しいですね。
早く会える日が来ますように。
引き続きMNKMをよろしくお願いいたします。