『窓展 窓をめぐるアートと建築の旅』(美術館めぐり③)
ハシゴ3件目、今日のラストです。
その名も『窓展』。
窓にフォーカスしたキュレーション、めちゃくちゃ面白かった。
はじめは採光と通風という機能的要請から生まれた窓が、技術の進歩と呼応するようにして、いかに美術におけるモチーフとして発展していったのか。
古代から現代までという数千年の時間軸で編纂された、『窓の技術』『窓のある日本美術』『窓のある世界美術』の年表がまず圧巻。
四角い枠組みで世界を切り取り相対化するという意味で、絵画と窓は同じである
という考え方に則って、自分と世界の境目としての絵画や、窓に関するアートを紹介しています。
古今東西、いつの時代のどの国でも存在している『窓』という編集軸が、本当に興味深かった。
写実的な絵画は、実世界のリアルな光景を切り取って、目に見える世界を描写した。
抽象的な絵画は、あらゆるものを捨象したシンプルな色と形で、直接は目に見えない世界を描写した。
加えて、窓という横軸を通すと、絵画だけじゃなくてパソコンやスマホの「ウィンドウ」も世界と自分の境目として定義できる。すると、一枚の絵画や一枚の窓では、一つの世界しか描出できかったが、その制約もなくなっていく。
外と中を隔てる境目であり、世界の見え方を規定する枠組みでもある『窓』というモチーフから、人とアートの歴史を紐解く展覧会でした。面白かった。
国立近代美術館で2月2日まで
https://www.momat.go.jp/am/exhibition/windows/