デザイナーなのか?
組織人事コンサルタントから、デザイナーにジョブチェンジして、3年半が経ちました。未経験からでも独り立ちできるように、会社に全力のサポートをもらい、自社サービスのデザインに携わる中で、「自分もデザイナーの"端くれ"には、なれたかな」と思い始めた今日この頃だったりします。
一方で、いつまで経っても頭に浮かび続ける問いかけがあります。
「自分は、果たしてデザイナーなのか?デザイナーを名乗れるほど、デザインできているのだろうか?」
デザイナーを名乗るのに、資格や免許は存在しないし、ある意味名乗ったもん勝ちな部分もあると思います。曲がりなりにも3〜4年経験を積んだ以上、堂々と名乗ってもいいのかもしれません。
ただ、「デザイナーなのか?」という問いかけは、意外と粘り気が強く。社外のデザイナーさんとお会いすると、「ああ、すごいなぁ。自分とは全然違うなぁ。自分はまだまだだなぁ。」みたいな考えが芽生えるのです。これはコンプレックスなのか、自虐心なのか、はたまた期待値を下げるための自己防衛なのか。
もしかすると、デザインを高尚なものと思いすぎているのかもしれない。
デザイナーに、ありもしない幻想を抱いてるのかもしれない。
でも、同時にこんなことも切に思います。この世のすべての人が何かをデザインしているし、あらゆる人がデザイナーなのであると。
この資料、どう作るとプレゼンしやすいかな。
手持ちの服を踏まえて、春服何を買おう。
明日のお弁当、どんな献立にしようか。
このサプライズなら、きっと喜んでもらえるはず。
どう撮ったら、1番映える写真になるだろう。
会議の席次、この形が一番スムーズなのでは。
日々の生活の中で、ひとりひとりが数えきれない「デザイン」を実践しています。デザインというと大げさに聞こえるかもしれないけど、立派なデザインです。
誰かのために本気で考えた、小さな仕掛け。
明日の自分を楽にするための工夫。
勢いで試してみた、思い切ったチャレンジ。
私たちの暮らしは、大小様々なデザインにあふれていて、誰しもがデザイナーです。
そう思えば、「デザイナーなのか?」というのは、笑っちゃうくらいの愚問にも思えます。「デザイナーなのだ!」と、誰もが胸を張っていいはずなのです。その上で、「自分は何をデザインしたいのか」「誰に何を届けたいのか」というシンプルな問いと向き合うだけでいいのかもしれません。
『デザインは、デザイナーだけに任せるには、あまりにも重要すぎる』という言葉もありますが、本当にその通りだと思います。デザインの対象が何であれ、デザインは"デザイナー"だけのものではないはず。その上で、「デザイナーなのだ!」という矜持を太々しく抱いて、日々を生きていこうと思います。