マガジンのカバー画像

デザイン系note集

158
運営しているクリエイター

#UXリサーチ

#3-2 顧客理解・ユーザ理解にサヨナラを(UX戦略の教科書)

昨今では、顧客理解 / ユーザ理解に取り組む必要性が様々な所で主張されており、一般常識になりつつある。そして「顧客のことを深く理解すれば、良質な仮説を立案できる」という言説が広く信じられており、マーケティング戦略を検討したり顧客体験をデザインするうえでの前提条件となっている。しかし、このような言説は本当に正しいのだろうか。 結論からいえば「顧客を深く理解すれば、良質な仮説を立案できる、という言説は間違っている」というのが本記事の主張である。この間違った言説が広く信じられてし

#3-5 デザイン思考は「はやすぎる」(UX戦略の教科書)

サービス仮説を立案するための方法論としては、一般的に「デザイン思考」や「デザインスプリント」「リーンUX」などの手法が提唱されている。 しかし、これらの方法論を活用してサービス仮説を立案しても、「経営サイドからSTOPをかけられてお蔵入りする」や「経営サイドの要望に応えているうちに、企画段階とは全く異なるサービスとしてリリースされてしまう」といった結末を辿ることが多い。 なぜ、このような現象が起きるのだろうか。本記事では「デザイン思考」を始めとする既存のサービスデザイン方

AIがもたらすこれからのデザインプロセス

アンカーデザイン代表の木浦(@kur)です。 我々デザイナーは、常に新しいテクノロジーをデザインのプロセスに取り入れてきました。古くは様々な印刷技術がそうだろうし、椅子の歴史などを紐解けば当時のテクノロジーとその応用例を垣間見ることができます。 デジタルプロダクト分野であればfigmaやAdobe XD、Sketchなどが挙げられますし、我らがCIIDと深い縁があるArduinoやProcessingもそのひとつでしょう。解釈の仕方によってはWebflowやStudioも

文化人類学と社会学をざっくり知る。プロダクトデザインにどう関連するか?

プロダクトづくりには「リサーチ」という工程があります。 大ざっぱに代表的なものを分けると、UXリサーチとマーケティングリサーチでしょうか。 UXリサーチが、個人にフォーカスし、実際にどういった体験が発生しているかの探索や仮説検証を行うのに対し、マーケティングリサーチはユーザーの集団がいる環境はどういう状態なのかを推定します。 両者を適宜、行き来しながらプロダクトづくりが進んでいきます。 近年、UXリサーチにおいて、文化人類学的な手法や考え方が取り入れられるといった話題は注

UXリサーチャーとして働き始めて1年が経った

2019年1月16日にメルペイに2人目のUXリサーチャーとして転職し1年が経ち、今日から2年目に突入しました。同じタイミングでリクルートからスタートアップに転職した同期が1年を振り返るnoteを書いていたので、私もまとめてみようと思います! リクルートでやっていたこと人材領域にてデジタルマーケティング→PdM→UXデザイナーと様々な職種を経験しました。以前退職エントリーを書いたので、詳しくはこちらのnoteをご参照ください。 なぜメルペイに転職したのか?UXリサーチを極め

そもそもUXリサーチとは何なのか

プロダクトマネージャーとして見よう見まねでUXリサーチを始めてから、UXリサーチって面白い!とハマった私はメルペイにUXリサーチャーとして転職しました。 特にここ1年間はUXリサーチをがっつりやってきて、自分の中でUXリサーチという言葉の定義が広がりアップデートされてきたので現時点での私個人の定義をまとめてみたいと思います。 UXリサーチはUXデザインの一手法UXリサーチは、大前提としてUXデザインの一手法です。UXリサーチを通して解決すべき問題を定義したり、仮説を検証し

UXリサーチで気をつけたい7つの認知バイアス | UI/UX Journal Vol.18

2ヶ月ほど前から、Google UX Design CertificateというGoogleが提供しているUXデザインのオンラインコースを受講しています(コースについては以下のnoteにまとめています)。 2ヶ月ほど続けてみて、学ぶことがとても多いのですが、その中でもとくに「Identify types of bias in UX research(UXリサーチにおけるバイアスを認識する)」というトピックが気になったので、復習を兼ねて&少し深ぼってまとめてみたいと思います。

スマートバンクが実施しているUXリサーチについて

明けましておめでとうございます。 「B/43」を運営している@shotaです。 今回は日頃から実施しているUXリサーチについて、どういった内容のことを実施しているか、また、ユーザーインタビューを誰でも実施できるよう最近取り組んでいる、標準化の取り組みについて書きたいと思います。 実施している2種類のユーザーインタビュー普段、我々はUXリサーチの一環としてユーザーインタビューを実施しているのですが、大きく分けて2種類の調査を実施しています。 PMF調査インタビュー これ

生まれたばかりのUXリサーチチームを社内に知ってもらうための取り組み

こんにちは、noteデザイナーの仙田です。 最近は社内でUXリサーチチームを作り、リサーチの社内浸透に勤しんでいます。 今回はUXリサーチチーム立ち上げ当初、チームの取り組みを社内に知ってもらうためにやったことを書いていこうと思います。 立ち上げ当初は社内で知ってもらうことを最優先に!noteのUXリサーチチームは2021年9月に立ち上がりました。 メンバー3人の有志チームです。 noteにはUXリサーチを定常的に回す習慣が定着していなかったので、リサーチ結果が活用さ

UXリサーチに役立つ文化人類学的思考

よく「文化人類学を専攻していたことが、UXリサーチの仕事に役立っていますか?」というご質問をいただきます。今日は私なりに感じていることを書いてみたいと思います。 文化人類学へ至った背景まず私のバックグラウンドからお話したいと思います。私の出身校ICUはリベラルアーツ教育で、幅広く授業をとった上で3年次から専攻を選ぶことができます。入学当初は国際関係学や開発学を学び、国連やNGOなどで途上国開発に携わる仕事がしたいと思っていました。ただ、教室で授業を受けているだけではピンとこ

戦略からUIまで伴走するUXリサーチ @ UX MILK All Night

デジタルなUXに関わるすべての人のためのUXデザインフェス・UX MILK All Nightに登壇させていただきました。今年はなんとオンラインかつオールナイト開催! 昨年のUX MILK Fest 2019では「Agile UX Research」をタイトルにお話させていただき、資料やいただいたご質問への回答はこちらのnoteにまとめています。 今年は「戦略からUIまで伴走するUXリサーチ」というタイトルで、メルペイが2020年7月にリリースしたばかりの「おくる・もらう

みんながUXリサーチできる組織にするための3ステップ

こんにちは、カミナシでUXデザインとリサーチをしている渡邊 (@nabetaro_san) です! カミナシのプロダクト開発では、UXリサーチを起点に議論や意思決定を進めています。が、今はカミナシには専属のUXリサーチャーがいるわけではなく(ご興味ある方是非🙏)、チームメンバーみんなが実践していく必要があります。 今回はカミナシでみんながUXリサーチを行う上で取り組んだことを3ステップで書きたいと思います。 UXリサーチを取り組む中で、出てきた課題カミナシでUXリサーチ

UXリサーチからプロダクト開発まで一気通貫なつよつよPdMを目指して!

こんにちは!TimeTreeでPdMをしているめーら(@mela_dayo)です。 私はPdMではありますが、UXリサーチも行っています。 今回はなぜUXリサーチに力を入れているのかと、UXリサーチを学ぶにあたってやってみたことを書いてみようと思います。 🌼 🌼 🌼 PdMの私がなぜUXリサーチに力を入れているのかTimeTreeのリサーチ文化について ──「馴染みのレストラン」のようなサービス運営。創業当初から掲げるTimeTreeの運営コンセプトです。 TimeT

UXリサーチをやるかどうかの判断軸

「とりあえずユーザーにインタビューしてみよう!」と勢いで調査を始め、結果的には「ふ〜んそうなんだ〜」という感想で終わってしまった経験のある方、いらっしゃるのではないでしょうか。 あくまでリサーチは手段!と頭ではわかっているはずなのに、ついインタビューをしたい気持ちが先走って、その先の活用が疎かになってしまう。(昔の僕です) 今はリサーチが目的にならないよう、事前に調査の目的や、調査結果を誰がどう活用するのか?を整理するようにしています。 時には「そもそもこの課題はリサーチ