加速するインドへの投資 ~Google,インドへ7年100億ドル投資~
”OYO”という企業をご存知でしょうか?
1年程前に日本に進出してきたインドのユニコーン企業です。ソフトバンクと合弁で実施しているOYO Hotelsは耳にしたことがある方も多いのではないかと思います。他にも、OYO LIFEという「スマホ完結で住居賃貸をすることができる」サービスを実施しており、「賃貸のAmazon」と呼ばれるほどのインパクトを残しています。
TikTok等中国発のサービスが注目を浴びていて日本での注目度は落ち着いていますが、世界的にはインドが大きな投資対象となっています。
実際にインド経済は急速に成長しています。特にIT市場はここ10年で約3倍、スタートアップ企業数も約20倍となっています。以前は先進国企業のITプロジェクトの下流工程を担うことが多かったのですが、近年では上流工程を担ったり、インド発のプロジェクトが多く稼働したりと、インドがITの中心を担いつつあるのです。
そんな中、Googleはインドに7年間で100億米ドルを投入するとのこと。
そもそも100億米ドルといってもどれくらいの規模なんでしょうか。日本円にすると(といっても1ドル100円というゆるい計算ですが)約1兆円です。これだけでも大きいとはわかりますがもう少し考えてみることにします。
インドのGDPは約2.7兆米ドルです。7年間と考えると約19兆米ドルなので、この支援額はGDPに対して約0.05%となります。一企業による支援額と考えるとかなり大きな額です。それはGoogle目線で考えてもわかります。Googleの親会社であるAlphabetですが、2019年の総支出は約350億米ドルでした。7年間で考えると、支出のうちの約4%をもつぎ込むことになるのです。100億米ドルによって消費者にどのような効果が巡り巡ってやってくるのかどうかまではわかりませんが、Googleにとってもインドにとってもかなり大きなプロジェクトであることは間違いありません。
その100億米ドルのうち、約半分にあたる45億米ドルはインドの「ジオ・プラットフォームズ」に投資するそうです。このジオ・プラットフォームズにはFacebookなども投資しており、インドIT企業の中でも最も重要な企業といえるでしょう。Zoom(本社はアメリカ)やTikTokなどの中国発のプラットフォーム型ビジネスが世界を席巻しているように、そう遠くない将来、今度はインドの企業の生み出したサービスを、日本も含め、世界中の人が至る所で使うようになる可能性は十分高いと考えています。
冒頭のOYOをはじめ、これからもインド発のサービスをウォッチしていきたいと思っています。