シュハリの台所主催 上映呑み会7月情報

「柴井堰と生きる」は2018年作品。そう新作です。しかも、東京初公開作品。東京先行上映ですけど、まだ予定は未定なので今回の上映はチャンスです。
田んぼへ水を引く。その為には堰が必要。田んぼよりも上流の川を塞き止め水位を上昇させて水路へ導く仕組み。水の力は強いので丈夫で頑丈が大切。しかし、頑丈な構造物が原因で今回のような大雨が降ると増水を招き堤防を越えたり決壊したりの切っ掛けにもなりかねないのです。

昔は材木や石を利用して堰を構築していました。しかし、それは増水のたびに壊れてしまいます。崩壊することで水害のリスクをマネジメントする方法論でもありました。しかし、毎回直すのはとても面倒なので、現在では99%コンクリート製井堰に変わりました。
残りの1%であるコンクリートではない井堰が鹿児島県串良川に一カ所だけ奇跡のように残っています。偶然残っているのではありません。毎年6月に架け替えが行われる現役の井堰です。

材料はマテバシイの枝。現地調達出来る雑木の枝です。木の枝を束ね、それを並べて井堰を作るのです。作業する土地の人は言いました「これは原始人の仕事だよ」と。

民俗学は様々な人の行ないを調べる学問。その中に土木民俗学もあります。土木とは建築ではない構造物をつくる技術。トンネルを掘る。山の斜面を削り法面を作る。橋を架ける。土手を作る。ダムを作る。道を作る。水路を作る。溜池を作る。石垣を作る。
土木技術にも長い人の歴史があり、現在では構造を計算出来る特殊な力関係を知恵と経験で成し遂げる技。人の行いの知恵。

とてもおもしろい記録映画です。おいしいおつまみもでます。おいしいお酒も用意されます。是非参加してくださいませ。