気づいたらヤシノミ洗剤を6トン買っていた話
ヤシの実洗剤を買いました。あの、ラベルに爽やかなヤシの実が描かれた食器用洗剤です。
コスパを重視しまくる私は”お徳用”とか”業務用”ってやつに目がなくて、定期的に買うような日用品は何でも大容量のやつを選んでしまいます。
バスルックは4キロだし、シャンプーは5キロ入っているものを買いました。おそらく一年以上買い換える必要はないでしょう。
そんな私が、ホームセンターで食器用洗剤を探していた時に目をつけたのがコレ。
おなじみヤシノミ洗剤が5キロ入っている商品。ホームセンターでは、棚の一番下にホコリを被って鎮座していました。長いことここに置かれていたようです。
私はこの5キロボトルがとにかく好きで、アホみたいな内容量とそのずっしりとした重さは、「今後世界が一変しても、とりあえず半年くらいは今まで通りコイツを使い続けられる」という安心感を与えてくれます。
つまり、5キロボトルを見せられてた時点でコイツを買う以外の選択肢はありませんでした。しかもコイツ、3倍コンクと書いてあります。
「コンク」の意味を調べると「濃縮されたもの」と出てきました。おお、素晴らしい!つまり、コイツは内容量は5キロだが、その中身は3倍に濃縮されているので、実質15キロ分の洗剤が入ってる!
こんなの見せられたら買うしかありません。ヤシノミ洗剤の洗浄力とかそんなものはどうでも良くて。とにかく、とんでもない大容量っぷりにメロメロだった私は、5キロのヤシノミ洗剤とともに自宅へ帰っていきました。
後日、わざわざ詰替え用に通常サイズのヤシノミ洗剤を購入し、頑張ってそれを使い切りました。100円ショップで適当にボトルを買ってきても良かったのですが、あのヤシの実が描かれたボトルがなんかオシャレで、キッチンに置いておきたかったので。
早速ボトルに詰め替えます。5キロボトルは棚から取り出すだけで一苦労。詰替作業も最早ちょっとした筋トレですね。
ん?
使用方法が色々とおかしい。
ラベルにでかでかと3倍コンクと書いてあったので、当然3倍に希釈するものだと思っていましたが……
希釈倍率は1200倍でした。
え?3倍コンクどこいった?そもそも1200倍って……え?
意味がわかりません。希釈で1200倍って、もうそれはただの水です。
「泥水にワインを一滴たらしてもそれは泥水のままだが、ワインに泥水を一滴たらせばワインは泥水になる。」って言葉ありますが、1.2リットルの水に1ミリリットルの洗剤を垂らしたって、それは水でしょう。どんなにコンクされてたって、洗剤にはならない……というか1200という数字はどこから出てきたんだ。
ということで調べてみました。
あ!3倍コンクされていないヤシノミ洗剤じゃん。ということで使用方法を見てみると…
希釈倍率400倍じゃん。なんでよ。3倍コンクじゃないやつの時点でだいぶ濃縮されてるじゃん…
ということで、3倍コンクする前の洗剤の時点で400倍に濃縮されていたみたいです。3倍コンクは、「400倍に希釈する洗剤を更に3倍濃縮した洗剤」という意味でした。400✕3=1200。希釈倍率1200倍の謎が解けた。
そして、もうお気づきの方も多いと思いますが、5キロある洗剤を1200倍に希釈したらどうなるか。
6トンじゃん。
最終的に6トン分の洗剤になる。そう、気づいたらヤシノミ洗剤を6トン分買ていました。
この一般的なボトルが500gになります。6トンだと?
1万2000本分です。
うっかり1万2000本分の洗剤を買うなんてことがあり得るんですね。いや、日常で起きるエラーにしては桁がおかしいでしょ。
1万2000本分の洗剤を死ぬまでに使い切ろうと思ったら、どれくらいのペースで消費する必要があるんだ?
ということで寿命80年で計算すると、2.5日に1本みたいです。いや、コレは生まれた瞬間、母親のお腹から取り上げられた瞬間からスタートしての計算だからダメじゃん。
私はもう26年寿命を使い果たしているので、残りライフ54年として計算し直すと……
1.6日に1本でした。
一週間に11本。
確実に使い切る前に死ぬ。