手技道とマッサージの違い【No.242】手技道 渋谷で健康づくり 40年以上の実績 整体(再掲)
2019.9.1掲載
こんにちは、手技道の多治見です。
やっと酷暑もお盆過ぎより収まり、
涼しい日も増えてきたと思っていましたが、
早速暑さが戻ってまいりましたね。
気温が涼しく安定してきたことで、
暑さで活性化し自覚できなかった疲労を感じ始めた方や、
エアコンの冷房、冷たい物の食べ過ぎで腸が冷えて、
免疫力が低下し、風邪を引かれる方や、体調を崩されている方も増えてきましたね。
皆様も改めてお気をつけくださいませ。
さて、先日手技道で技術を学びたいという方々向けの勉強会を行いました。
この所、手技道を習いたいと言う方が、
集中して何人かいらっしゃったので、
その方々向けの勉強会です。
こういった技術伝承は手技道の大切な課題です。
ここで、院長から受講者に手技道についての案内がありましたが、
その中で筋膜の説明をする際に、
「1万分の1mm」の話がありました。
人の感覚というのは本当に鋭敏なもので、
訓練次第では、この単位での違いがわかるというお話です。
最近のマッサージ店や施術院で、この位細かく見るよう指導しているところは、
少ないのではないでしょうか?
これは決して無理難題を言っているのではなく、
手技において、こういった感覚を鍛えることは、
施術技術を修めるのに大変重要なのです。
以前にもマッサージと手技道の違いについてお話させていただきましたが、
今回はより技術的な違いについて、お話させて頂きます。
専門性の高い話となりますが、
もし今後、手技道を習ってみたいなと思う方の参考にされば幸いです。
〇手遣いの差
一番わかりやすい違いとして、
手技そのもの、『手遣い』の差があります。
最もわかりやすい差は、
「指圧」で行うような垂直圧による手技です。
図のように押圧部位に対して、
垂直に押圧することで、施術部位に無駄なく力を伝える方法です。
これそのものは間違った点もなく、手技道でも拘縮部位に用いることはあります。
ただ、押圧法だけでは、力の伝達方向が固まった筋膜を思い通りの方向に動かすことは、
難しくなります。
手技道では「筋膜」を基本に、骨膜、神経や靭帯など、より細かい部位を正確に捉えようとします。
勿論基本的な動作はありますが、
皮膚接触以前の動きで固定した動作を行うと、一方向のみの動きに囚われ、
正確に部位を捉えることが出来ないため、
部位毎に様々に使う手遣いや動きを変えます。
一般のマッサージでは代表的に母指か、手の平(掌)を使うことが多いのに対し、
手技道では、「四指(第2~5指)」、「ニ指(示指、中指)」なども、多用されます。
よくマッサージ店などに行くと、
ある程度決まった施術パターンが有り、
背中、首、足などを中心に押すラインが決まって居ることが多くあります。
こういったパターン化は、施術者を早期に現場で働いてもらう方法にはなりますが、
根本的な原遺障害の元を施術することが難しいため、
患者さんの状態、診察によっては、毎回違った部位や手遣いを行うことや、
原因となる一点のみを治療することもあります。
これらの手遣いが「方向」として、筋膜を捉える上での、最初の段階となります。
○皮膚より先の動きの違いの差
手技道は前述のように筋膜を捉え、操作することで、
原遺障害の改善を図るものです。
そのため、前記垂直圧の指圧法とは違い、
皮膚に接した先、
更に内部、皮膚の基底層以下の表中層筋膜や深部筋膜での動きを、
細かく行うことが大切です。
逆にオステオパシーでよく用いられる皮膚接触に近い手技も、用いる場合があります。
これは、筋膜を主体に手技を用いていますが、
本質的には、神経系に過敏反応がある場合(重篤な疼痛症状、交感神経優位、過労状態、神経興奮など)には、強刺激は適さない場合があるため、
こういった場合には、皮膚表面表皮に触れるか触れないかの施術を用います。
この0.2mm以下の表皮でも、更に先0.01mm単位、0.001mm以下の力加減の差で、
痛みが出たり、鎮静する事もありますし、
鍼施術を用いる場合は、この単位でズレるだけで、神経や経血に鍼が当たるか外れるかが、
決まることがあります。
この繊細な感覚がわかると、筋膜を捉える場合においても、
それが表層なのか、中層なのか、深層なのか、方向があっているのか、角度があっているのか、
より正確に短時間でわかるため、
日々、より細かな感覚を研ぎ澄ます訓練は大切です。
一つの実例として、頭痛の症状持ちの方で、
表層から中層にかけては、血管拡張性の頭痛、中層の深部から深部骨膜にかけては、筋緊張性の拘縮による頭痛を併発していました。
この場合、単純に一定圧の押圧だけでは、
強くしすぎると表層の血管拡張性の頭痛が神経興奮を起こし、
更に亢進性の頭痛が増悪してしまいます。
逆に調摩のような軽度の刺激を行う方法もありますが、この場合は根本的な症状の回復に時間がかかります。
ですので、表面を軽度の鎮痛性の弱い刺激で治療しながら、
緊張の緩和に合わせて、深部の拘縮はしっかりと筋膜層を動かすことが出来ると、
好転反応の頭痛を出さないように施術を行えます。
こういった細かな動作を行うには、
前述の院長の伝える1万分の1mmがわかる感覚がわかるようになると、
確実に効果が出るようになります。
実際に体内の筋膜を動かす手遣い、指使いは、
手技の「深さ」、「角度」に加え、刺激量に作用する「リズム」など、
難しい症状に対応するためには、必要な技術になります。
○細部の施術方法
その他、あまり一般的にはマッサージなどで施術を行わない部位について
施術する場合があるのも手技道の特徴と言えます。
これらの部位は、細かな操作が必要な点や、
加減を誤ると強い反応が出る場合などもあるので、
習熟度、練度が上がった状態で実践します。
最近は、インターネットの発達によって、情報伝達が早いので、
見様見真似で決して行わないよう注意してください。
代表的な部位としては、以下のような点があります。
・椎前筋群:頚椎(首)の前面にある筋群、呼吸やムチ打ちなどの施術に用いる
・尾骨(尾てい骨):仙骨から尾骨にかけては、馬尾と呼ばれる神経の密集点があり、脳神経系とも密接に関連する
〇手技棒チェレンジ!
いつも会員様限定で、おススメの商品を毎月毎にご紹介、割引させて頂いておりますが、
来月の商品は「手技棒」です。
元々手技棒は、
手での手技に比べ刺激量が多いため、
施術が十分に熟達し、級の取得の後、段位の段階まで修めた方が使うものでした。
ただ、逆に全く手技を習っていない方ほど、無理な施術が出来ないので、
一般の方ほど、危険性が少ないと一般販売もされました。
セルフ手技道を行おうのに徒手で行うよりしっかりと行うことが出来ます。
カウンターにサンプルもありますので、ご興味の在る方は一度お試しになってみて下さい。
ご高覧ありがとうございました。
40年の続く渋谷の手技道 マッサージの多治見でした。
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