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「仕事は楽しいかね?」生き方に悩んだ会社員時代に読んだ本
物語の舞台はアメリカ・シカゴ。
主人公はどこにでもいる平凡なサラリーマン。
出張帰りの飛行機が季節外れの大雪で飛べず
空港で足止めを食らっていました。
「早く帰って妻と娘と一緒に食事を取ろうとしていたのに」
「家族との夕飯に間に合うように、わざわざ午後の会議をすっぽかしたというのに」
「もう5月だというのに、ひどい大雪だなんて」
周りにいる何千人という不機嫌そうなビジネスマンと同じように
床に座り込み、バッグにもたれかかり、ふてくされていました。
そんな時、主人公はある老人と出会います。
おしゃべりな老人から一方的に質問攻めをされたあと、
最後に老人は彼にこんなことを聞いてきました。
「仕事は楽しいかね?」
日々の仕事に希望が持てず、胸に積もるばかりの失望感を抱いていた主人公は、まるで心を見透かされたような質問に驚きます。
主人公の口から次々と出てくる日々の不安や不満を聞いた老人は、
彼に対してこんな言葉を思いついたと言いました。
“スタグフレーション”
気抜け(スタグネーション)と得意げな気持ち(インフレーション)
という、同時に存在し得ない二つの状態を掛け合わせた造語。
主人公と同じように生きる、多くの会社員の“退屈”と“不安”。
人々はしたくもない仕事し、同時にそれを失うことを恐れている、と。
…主人公は老人にこんなことを話していました。
チャンスをつかみ、大胆かつ勇敢に、夢に向かって生きなければと思っている。
「そこそこの給料をもらっている」誇れるのはこれだけか。
今の会社に勤め上げて15年。この15年で僕は何を達成したのだろう。
一生懸命働いているのに、一向に出世できない。
毎日毎日同じ生活。そうやってまた1年が過ぎていく。
しかし妻子に住宅ローン、もろもろの義務を背負った身でどうしようもない。
〜以下 僕の感想です〜
毎日同じこの生活があと何十年も続くのか。
と思う自分がいる。
一方で、もし仕事辞めてうまくいかなかったらどうしよう。
まだ今じゃない。もう少し落ち着いたら行動しよう。
と考える自分もいる。
「試してみることに失敗はない」
「“適切な時”とか“完璧な機会”なんてものはないということ」
「だれだって、後からだったら、何だって言える」
などなど
この老人が主人公に投げかける言葉の一つ一つが
悩める僕を揺さぶりました。
モヤモヤしたまま会社員として働いていた当時の僕は
この主人公の気持ちがまるで自分のことのようで。。。
ただの「転職のすすめ」とか「フリーランスになるには」
みたいな自己啓発本を読むよりよっぽど心動かされます。
物語形式なのでとても読みやすかったです。
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