【『ジジイの片づけ』を実践する③】 「引き出しの一番上は空にする」
沢野ひとしさんの本『ジジイの片づけ』は、片づけが気になっていた人からこれまでに片づけに関心のなかった人まで、「やる気が高まる」と多くの方々に好評をいただき、おかげさまで重版を重ねています。
コロナ禍の今、家で過ごす時間が増え、そこでどう快適に仕事や家事をこなすか考える機会が増えました。
子どもの頃から片づけ好きの沢野さんだったといいますが、「山登りは片づけ」(本文p.140)で綴られているように、登山に魅せられてからは「ザックへの物の詰め方が、安全や疲労の度合いをも左右する」ことを知り、片づけは自分を守り行動しやすくする行いなのだと痛感したそうです。
本書では、随所にシンプルですぐに始められる沢野さんの片づけの習慣が書かれています。
そのひとつが前回までに記した「朝の10分間片づけ」(本文p.14)です。
続いて今回は、「引き出しの一番上は空にする」(本文p.34)を実践してみましょう。
沢野さんの机の一番上の段の引き出しは、いつも中に何も入っていない状態にしているとのこと。せっかく物が入るスペースの引き出しを、まるまるひとつ空にしておくとは!
その空の引き出しには、翌日の持ち物や、外出から帰ったあとにポケットに入っていた物などを広げたり、調べ物の新聞の切り抜きや、資料などの仮置き場にしたりして活用するのだといいます。
確かに、そんな仮置き場があるのは良さそうです。いわば「引き出して使うトレー」のような存在で、「次やることはここにある」と頭へ明確に記憶されますし、迅速に作業に移ることができるでしょう。
編集部にある机の一番上の段の引き出しはというと、このような状態でした。
無秩序に、なんとなくいろいろ入っている…。出し入れしやすいからと、平たいものや小さい物を漫然と入れていましたが、蛍光ペンも付箋も用紙類も、ここになくていい物ばかりではないか? と改めて感じます。
もしもここが空っぽだったなら──沢野さんの一番上の引き出しのように、様々な物を仮置きするトレーになってくれる──その姿を想像して、まずは中の物をすべて出してみました。
すっきりと広いスペースが生まれました。まぶしい!
中から出した物は、新たに収納する場所を決めながら積極的に捨てていきます。
そしてすべて行き先が決まったところで、空になったこの引き出しを有意義な仮置き場として生かすべく、中に紙を敷いてみました。
この紙は竹尾のヴィベールPという、ベルベットのような質感のパイルに紙が裏貼りされている特殊紙です。ふんわりとして滑りにくく、仮置き場の敷紙として最適。
こうして、またひとつ『ジジイの片づけ』を実践するに至りました。
例えばこのように、これから行なう仕事道具を配置。この時は、『ジジイの片づけ』POPを切って厚紙に貼る作業や、届用紙の記入がありました。ちょっとした気分転換のおやつを忍ばせておく楽しみもあります。
またある時には、ただ鞄置き場にするのも良いものでした。引き出しなので、出す長さを調節できるのも便利なところです。
帰り際には「明日やるべき仕事」をここへ並べておけば、翌日の業務も迅速に進むこと間違いなし。
始めてみると、なんとも心が爽やかに風通し良くなります。
まず、空になった引き出しを開閉する音が、中に物が入っている引き出しとはまるで違うのです。空の引き出しの開閉音は、いかにもすっきりとしていて、「さあ、ここからあなたの可能性が無限に広がるのですよ」と勇気づけてくれるように感じます。
そしてその時に必要なものを入れ、そこを再び空にすることで「やるべきことを終えた達成感」が可視化されるという励みも。
このまま「引き出しの一番上は空にする」を続けていきたいと思います。
沢野ひとしさん著『ジジイの片づけ』には、私たちの毎日がより過ごしやすく快適になるヒントが随所に散りばめられています。
片づけて、心も頭もすっきり!
どうぞ御愛読ください。
『ジジイの片づけ』書籍詳細
http://www.shueisha-cr.co.jp/CGI/book/detail.cgi/1752/
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https://books.shueisha.co.jp/items/contents.html?isbn=978-4-420-31089-5