【『パンと牢獄』連載⑤】3年前のクリスマス、ドゥンドゥップと家族は10年ぶりの再会を果たしました。
『パンと牢獄 チベット政治犯ドゥンドゥップと妻の亡命ノート』の著者、小川真利枝さんが、ご自身が体験したチベットにまつわるあれこれを語る連載第5回。今回は、ドゥンドゥップが亡命に成功し、10年ぶりに家族と再会した、あの日のこと。
2017年12月25日。ひとりのチベット政治犯が米国に到着しました。そのひとの名は、ドゥンドゥップ・ワンチェン。彼が中国で拘束されてから、10年の歳月が経っていました。
「亡命できるかもしれない」という知らせが届いたのは、奇しくも妻のラモ・ツォ