『アンジェリーク』と『moon』
全然文庫でもないし、絶対にためにならないけど、プレステの思い出について語らせていただきたい。
子供の頃、ファミコンのやり過ぎで母親に目の前で本体をぶっ壊されて以来、私はゲームに飢えていた。(ちなみにバッドでカセットごと壊れて、破片が頬を切ったのを覚えている)
社会人になってまずやったことは、ありとあらゆるゲーム機を家にそろえることだったのも無理はない……よね? ドリームキャストもしっかり購入して宇宙で踊った(※「スペースチャンネル5」のこと)。
でもやはりいちばんやりこんだのは、プレステ(やりすぎて1台ショートさせ、二台目を買った)である。
どんなに徹夜で帰ろうとも、とりあえずプレステを起動。「ぼわーんぼわーん」みたいな音と共にあのロゴが立ち上がるのを濁った目で見つめる私。完全に終わっていた。
その濁りの塊が、プレステの中では金髪の天真爛漫な女王候補だったから痛さが増す。その名も『アンジェリーク』。占いの館で相性を捜査し、ライバルをひたすら妨害、毎日守護聖様とデート……プレステの読み込み音のあるなしでデートがうまくいくかどうかまでわかるようになっていた。(うまくいかないときは、読み込み音の段階でリセットしていた)
痛い。
いちばん好きな守護性様は美の守護性オリヴィエ様(※要ググり)だった。同好の友人曰く「え? この人、志茂田景樹さんですよね?」(※要ググり)……。確かに個性的な容姿ではあるが、いちばん大人! いちばん冷静!(と今でも思っている。)
アンジェリークが私の力はもうないわね……とひとりごちて眠ってしまおうとも、濁りアンジェリークこと私は眠らなかった。
そして、そんな女王候補が出会ったのが『moon』。
酔いどれバーで勇者の行く末を憂う人に出会い、間違って鳥に乗り、時間切れになり……。音楽を集めて子守唄代わりに流したりもした。
ネタバレになるので、くわしくは絶対にやって欲しいのですが、私はあの衝撃のラストを見ました。まんまと。
そして、思ったのです。
私は女王候補じゃない。完全な廃人だと。
ずっとゲームは好きですが、プレステと言えば、この二本を思い出すのです。
編集・S