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自分至上最高品質の泥団子


保育園から小学生のころ、よく泥団子を作った。

運動場の上澄の、荒い砂を避けて
細かい砂を使う。

これがツルツルでピカピカ、その上丈夫な泥団子になる秘訣である。

ハマっていた時期は15分休みも、昼休みも使って細かい砂を集めていた。

細かい砂は、地面を掘れば掘るほどでてくる。
わけでもなかった。

あ、掘りすぎると大きい石の塊が出てくるんですね〜。

そういった学びも得つつ、日々砂をかけては布で磨きを繰り返していた。

ある日、すんごいことに気づいた。
母が使っていた洗顔料が、泥だったのだ。

『〇〇の海の海底から取ってきた泥』みたいなことが、そのパッケージ裏に書いてあったのだ。

その名も「クチャ

これを使って泥団子を作れば、
どれほどの艶と頑丈さを出せるのだろう。

そう思って、直径1センチ大の泥団子を作ってみた。

結果は想像以上だった。

1メートルの高さから落としても割れない、
陶器のコップのような艶を持つ泥団子が生まれた。

これは革命だった。

私はしばらくクチャを使った泥団子作りを楽しんだ。

時に調子にのって高い位置から落としたり、
強い力で擦ったりするチキンゲームも楽しんだ。
もちろんそれによって壊れることもあった。

その度に1から作る。

この高貴な遊びは、ある日クチャの減りが早くなったことに気づいた母によって止められるのだが…



10何年かの時を越え、
さぁ…物語の続きといこうじゃないか。

これから大事に育てていこうと思います。
よろしくお願いいたします。

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