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待つ
何かをまつというのは難しくて、それは人からの返信であることがほとんど。何かをお願いしたり、また連絡しますね〜といわれたり、ただ早く返信が来ればいいわけでもないので、こちらから改めてつつくこともできないしー。ただその人から返事がくることを待つこと、そのなかに、重要なことがふくまれていたりするね。そう彼は言った。

三人称。
小説を長く書いているいとこと久々に再会、文章のはなしになって、色々なことをおしえてもらう。小説をかくには物語が大切だということ、その物語ははじめは自分の世界のそとにあって、そこにわずかに自分が重なる瞬間があると物語となるということ。電車でかえっている間、そんな彼女に、しゅうくんはもっと嫌な気持ちになる文章を沢山読んだほうがいいよ、と言われる。そして電車を降りる直前、どんな文章をかきたいの?と問われる。むずかしい。歳は下なのに世界がふかくて、生きている時間だけではないとおもわされる。物語となるにはまずは自分の外の世界からはじめると良さそう、そしてそれには、まずは日記を三人称で書いてみるといいらしい。彼はなかなかはなしが理解できず、飲んだお酒であたまが痛い。

手紙。
彼は小さい頃から手紙をもらうときれいにして残しておくようで、実家に帰ってくると幼稚園のころから残し続けている手紙のまとまりを見つける。便箋にはいったものもあれば、お花のかたちにおられたもの、固いポストカードに書かれたものや、旅先からとどいたかすれたカード、もらった当時の自分をおもいだして、このひとは元気にしてるかなーとか、今はなにを考えているかなとか、色々おもってふとわれにかえると、彼はただ自分の部屋のつくえの前に立っているだけ。こう振り返るとこれまでの人生十二分に幸せで楽しかったな!と思うようで、いつもいい気分になる昔の手紙たち。これからどんな手紙をもらって、どんな手紙をおくるかなー。最近書いていないので便箋が減らないらしい。三人称、なんかこそばゆいね!

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