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論文No.1 脳卒中患者さんの膝過伸展について

今回は脳卒中片麻痺患者さんの麻痺下肢の過伸展についての論文を読んでみました。比較的よくみられる現象ですが、意外にもまだ明確になっていない部分も多いようです。そんな中にも臨床での起きている現象の理解や治療へのアイディアを広げられる内容もあったので紹介いたします。

タイトル    

 脳卒中片麻痺患者の歩行立脚期中の膝関節過伸展と下肢の筋力との関連性      The Relationship of Lower Limb Muscle Strength and Knee Joint Hyperextension During the Stance Phase of Gait in Hemiparetic Stroke Patients

Allison Cooper et al. Physiother Res Int. 2012 Sep.
                        https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22147298/

内容

⚫︎背景と目的                                                                   脳卒中患者の40〜60%が歩行中の膝過伸展に苦しむが明かな要因が示されていない。
片麻痺脳卒中患者における下肢筋の弱化と膝の過伸展との関係性が存在するかどうかを特定する事。

⚫︎  方法                                                

20名の歩行補助具を使用せずに歩ける脳卒中患者を対象。被験者は全て足底を接地して歩くことができた(足関節底屈筋の短縮はなかった)。         

・両側の股関節伸展筋、屈曲筋、外転筋、膝関節の伸展筋、屈曲筋、足関節の底背屈筋の筋力をハンドヘルドダイナモメーターで測定し、各筋の筋力低下があるグループが特定された。
・コンピューター動作解析ソフトと視覚による歩行分析によって荷重応答期(LR)と立脚中期(MS)の膝の過伸展の有無が確認された。
・筋力低下群と膝過伸展群の間に関連性があるか統計解析された。

⚫︎結果画像1 ・足関節の底屈筋の弱さとMS時の膝の過伸展との間に強い関連性が見出された(p=0.044)。
・他の下肢筋の弱化と立脚期の間の膝の過進展との間には関連性は無かった。

私見と臨床への手掛かり                                             

・特に2関節筋である腓腹筋の近位部がCKCの運動の中で膝の屈曲方向への制動に関与する可能性があり、この活動の低下が膝伸展モーメントを制御することを困難にしているかもしれない。               

・腓腹筋はプレスウィングで着目する事が多かったが、麻痺側立脚期初期〜中期の練習の際にも腓腹筋近位部の活動性に着目したい。

感想

読んでみての感想ですが、まずこの論文英語が読みやすい♪                                             

次に研究者の方々へ、色々課題が残ったようですがこの研究に向き合う直向きさ、熱意や真摯に取り組まれた様子がヒシヒシと伝わってくる内容でした。この場を借りて成果に敬意を評したいと思います。                                 

個人的にウェールズ・カーディフとかニュージーランドのダニーデンという地名に少なからずワクワクさせられましたね(笑)理由はおいおい小出しにしていければと。

1発目。もう上手くいかない事だらけでしたが、兎に角形にして上げようと必死こきました(汗)至らない点ばかりかと思いますが、こかからプラスを積み上げられればと思いますのでご意見・ご感想もいただければ嬉しいです。

今後もよろしくお願いいたします。




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