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【玩具レビュー】ポピニカ サンダーバード4号
今回は、1992年にバンダイから発売された、ポピニカ サンダーバード4号を紹介します。
サンダーバードと言えば、1965年に放送されたイギリス製の特撮人形劇ですが、今回紹介するサンダーバード4号は90年代初期のリバイバルブーム時に発売されたものです。
初回放送時にサンダーバードを観ていた世代が父親となり、その息子に買い与えるような感じですが、私もそのリバイバルブーム時に父親譲りで好きになりました。
私はサンダーバードの中でも4号が一番大好きで、父親に作ってもらったプラモデルをお風呂に浮かべて遊んでいたのを今でもよく覚えています。
もっとも、今回紹介するサンダーバード4号は、発売から20年以上経ってからコレクターズショップで購入したものなので、幼少期の想い出とは特に関係の無い物となります。
パッケージ
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パッケージ正面は、余白を残さんとばかりに所狭しと文字情報がギッシリ詰め込まれた騒がしいレイアウトですが、何故だかしっくり来るのが不思議です。
英文の機体解説という、ちょっと大人っぽい要素と、稲妻をバックに斜めの構図で掲載されたサンダーバード4号、という低年齢層を意識した派手な雰囲気が謎の一体感を醸し出していて、いろいろと面白いですね。
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活躍シーンをイメージした写真が掲載されています。劇中だと、見下ろす構図でミサイルを発射する映像が無いので新鮮に感じます。
写真の縁が水飛沫のように切り取られているおかげで、まさに水中を進んでいるかのような雰囲気になっているのがいいです。
擬音が英語表記になっているのも面白いですね。
パッケージ表記ではSHOOM(シューン)ですが、劇中の効果音はどちらかというと、ゴポォ・・・という感じの味気ない音です。
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パッケージ側面は実際のサンダーバード4号のイラストが掲載されています。
言うまでもないですが、箱の中の商品とプロポーションがまるで違います。
実際のサンダーバード4号は曲面主体の柔らかい形状をしていますが、ポピニカ版のサンダーバード4号は直線的で角張った形状をしています。
実際の形状と違うところは残念と言えば残念なのですが、ポピニカ版もこれはこれでかっこいいんですよね。
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反対側の側面は本編映像からキャプチャした、サンダーバード4号の発進シーン。
サンダーバード2号のコンテナからレールを滑って海中に潜ろうとする場面です。
空が赤みがかっているので、夕焼けのように見えるのですが、劇中では夕方の時間帯にサンダーバード4号が出動する場面は無かったので、画像を調整する際に赤みがかってしまったのかもしれませんね。
でも、とてもかっこいいです。
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パッケージ上部はシンプルな構成ですね。
気にするほどでもないですが、注意書き以外は全部英語しか書いてないので、輸入玩具みたいですね。
本編映像がキャプチャされていますが、ちょっと白飛びしてしまっていて見ずらいです。
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パッケージ下部は注意書きのみとなります。
この商品のパッケージにしては日本語の方が多いので、少し異彩を放っています。
パッケージ自体が小さいので、他の面をとにかくカッコよくして、置いたときに目につかない下面に注意書きを集中させたのでしょうね。
当時価格は1800円。手頃な価格帯ですね。
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内箱は発泡スチロール製。
70年代〜90年代にかけて玩具の内箱と言えば発泡スチロールでしたが、2000年代に入ってからは、なくなってしまいましたね。
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セット内容は、次の通り。
・サンダーバード4号本体
・ミサイル3発
・説明書
・カード2枚
私が持っている物は、ミサイルが2発欠品、カードも1枚欠品ということで、完品ではないのですが、サンダーバード4号本体は無事なので、見て触って楽しむ分には全然問題ありません。
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説明書は、シールの貼り方とミサイルの発射しか記載されていません。非常にシンプルです。
細かい話ですが、説明書のイラストで、キャノピーにハイライトが描かれているのがかっこいいです。
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こちらは付属のカードです。
照準が書かれていますが、付属のミサイルの的にする事を想定しているのでしょうか?
だとすれば、サンダーバード4号がサンダーバード4号を撃つというおかしな絵面になってしまいますね。
サンダーバード4号
では、サンダーバード4号で早速遊んでみましょう。
遊ぶと言っても、ミサイルを発射するしかギミックが無いので、ほとんど眺めるだけになります。
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サンダーバード4号といえば、この左側面から捉えたアングルですね。オープニングのカウントダウンでもお馴染みですし、基本的に劇中でも、画面右から左側に移動する映像が多いので、視聴者が一番よく見ているのは左側面だと思います。
実際のサンダーバード4号とは異なり、角張ったフォルムをしているので違和感はありますが、全体のバランスは割りと忠実なので、よくできてると思います。
特に、機体前方に向かっていくにつれて薄くなっていく機首のフォルムは見ていて気持ちがいいところです。
よく見ると分割線の上下で色合いが違いますが、分割線よりも上が、ダイキャスト製、分割線から下がプラスチック製になっています。しかし、ダイキャスト部分が薄いのか、ズッシリとした重みは感じません。
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こちらは右側面からのサイドビュー。
劇中で右側面が映る事は頻度的に少ないので、馴染みはないですね。
右側から見ると、数字の4の尖ったところが進行方向と逆を向くことになるので、なんだか抵抗がありますね。
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商品自体が小さくて奥行きが出せないので、正面から撮ると写りが良くないですね。
実際のサンダーバード4号は曲面主体なので、大きくやわらかく見えるはずなんですが、ポピニカ版は角張っているからなのか、気持ち小さ目に見えてしまいます。
陰になっているので見えづらいですが、前照灯は反射のあるホイルシールで表現されています。
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前の持ち主がシールを貼る時に失敗したのか、機体後部の文字がズレてしまっていますね。
ついでに、貼る必要の無い東北新社のシールも貼られています。余らせるのが嫌だったんでしょうね。
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機体後部はふっくらした形状になっていて、後ろに向かって盛りあがっているのですが、ポピニカ版だとふくらみが控え目です。
この背面からのアングルもよいですね。
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機体底面には車輪が付いており、平らなところで押すと軽快にコロ走行します。
この車輪、設定には存在しないので、見てるとちょっと残念な気持ちになるのですが、愛嬌があってよいですね。
また、これも前の持ち主の仕業ですが、貼らなくてもいいサンダーバード4号の名前シールが貼られています。
余らせたくなかったんでしょうね。
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お次はミサイル発射ギミックです。
機体前方の探照灯をどかすと、機首部分のミサイル発射口が見えるようになります。
サンダーバード4号の機首には4つの穴が空いており、その中には様々なレスキューツールが格納されているのですが、基本的に玩具化の際に再現されるのは、ミサイル発射ギミックだけです。
レスキューメカなのに攻撃的なギミックですね。
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コクピット上部のスイッチを押すとミサイルが発射されます。
かなり勢いよく飛んでいくので無くしやすいです。劇中では複数発を連続発射することが多いのですが、ポピニカ版は1発目ずつしか発射できないので、劇中再現は難しいです。
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というわけで、ポピニカ版サンダーバード4号でした。
手頃な大きさで遊びやすい、よい玩具だと思います。劇中の形状は再現できてるとは言い難いですが。玩具としてのクオリティは当時としては結構よくできていると思います。サンダーバード4号って、サンダーバード2号にオマケでついてくるモノばかりなので、プラモデルや食玩以外の完成品で商品化されるのって結構珍しいんですよね。(それでも3号や5号よりは恵まれているんですが)
また、気が向いたら他の玩具レビューも書きたいです。