めざまし占い生活 1日目:さそり座2位
世の中に運の良い人間と悪い人間がいるとしたら、僕は間違いなく後者であろう。
もちろん、運というものに明確な尺度が存在しないことは僕にもわかる。ここで言う尺度とは、全員が示し合わせて合意したとりあえずの単位だ。時間を60進法で測るように、距離をメートルやヤードで表示するように。そして運にはそれがない。
ただ、はっきりさせる方法はいくつか思いつく。例えば100人ほどを集めた会場でロシアン・ルーレット・パーティー・ナイトを開き、テーブルごとに生き残った人間が勝ち上がり方式で最後の一人になるまで続ければ良い。そいつが少なくともその100人の中で一番運の良い人間だ。
そして僕はそのパーティー会場で、ルール説明中に暴発した銃の流れ弾に当たって死ぬ自身がある。僕の運が悪いというのはそういうことだ。
今まで僕は散々な目に遭ってきた。くじ引き、ビンゴ大会の類はことごとくポケット・ティッシュだった。大空を悠々と舞う鳥たちは、僕の頭上で脱糞する。鎖で繋がれた犬たちは、まるで彼らをその境遇に置いた責任が僕にあるかのように吠え立てる。めざましテレビ占いでさそり座は多くの場合7位以下だ。体感アベレージは10位くらいだろうか。
もううんざりだ。
そっちがその気なら、僕にだって考えがある。そっちの土俵に上がってやろう。
めざまし占いのアドバイス通りに生活して、僕の運を良くするのだ。アドバイス通りの場所へ行き、アドバイス通りのものを食べ、アドバイス通りの女性と出会ってデキ婚でもすれば、成田離婚のようなことにはならないだろう。それは僕にとって良いことだし、逆に成田離婚することになればフジテレビの責任であり過失だ。僕の不運は証明され、保護されるだろう。
僕は自分の運命に反旗を翻す。めざまし占いの力を借りて、自らの未来を切り開くことをここに決意する。でも忙しいので毎日はできないかもしれない。それは許してほしい。しかしできる限り良心的な範囲で全力をつくして占いの指示を遂行しようと思う。僕なりにベストは尽くそう。
4月17日(月)
さそり座 2位
活躍の場が広がって活躍。
自分らしさを全開にGO。
ラッキーポイント:大きな観葉植物
これは幸先が良い。2位だ。「活躍の場が広がって活躍」。活躍という言葉が1文に2回も踊っている。幸先が良い。
約2年ぶりにnoteを更新したので、「活躍の場が広がって」いることにして
よいだろう。自分らしさを前回にGOだ。筆が走るぜ。
しかしラッキーポイントが曲者である。「大きな観葉植物」などこのワン・ルーム・マンションの小さな一室には無い。というか部屋に植物を置く発想がない。外に腐るほど生えているだろうが。
いや、待てよ。マンションの玄関に確かあった。年老いた猿の顔面のような赤茶色の長い草の植物だった。枯れてはいない…と思う。しかし盛りを過ぎて壮年期のような貫禄の植物だったと思う。とりあえず見に行ってみよう。
一応観葉植物になるのだろう。この壮年の植物が僕に何をもたらしてくれるのかはわからないが、手を合わせておいた。
○今日の良い事
・スーパーで半額の弁当が買えた。
・出先でトイレが限界に近かったが、なんとか間に合った。
○今日の悪い事
・かにクリームコロッケで軽く火傷
明日もいいことあるといいなあ…。