見出し画像

Shadowverse Worlds Beyond はDCG業界にとってのSF6になれるのか?その2

ということで、前回の続きです。
引き続きSF6が成功した部分をビヨンドがパクったらどうなるかを妄想していきたいと思います。

前回はこちら↓

前回はモダン操作の導入というSF6の成功ポイントを真似してみました。

SF6の成功要因はまだまだあると思うので第2弾を書いていきたいと思います!

という事で、今回の文章で真似するSF6の成功ポイントはこちら!

  • コーチング配信

こちらのテーマに則って今回は話を進めていきます。

忘れてしまった人がいるかもしれませんので繰り返し最初に言いますが、ビヨンドとSF6とを比較する意味は一切ないのは分かりきった上で意味のない妄想を垂れ流しているだけなのでご注意ください。



コーチング配信というコンテンツの力

SF6の躍進を支えたのが、コーチング配信というコンテンツの普及です。

YouTubeなどの動画配信媒体では様々なゲームでの"解説動画"が投稿されています。今でもあらゆるゲームで初心者向けの動画やトップを狙う層向けの動画などなど、多くのそのゲームを楽しむユーザーに向けて情報が発信されています。


そんな中でSF6がゲーム動画業界において異色とも言えたのが、「コーチング配信」というコンテンツです。

これは今までの「有識者がゲームの攻略を解説する動画を一般の人が視聴する」形とは異なり、実際の配信者が有識者からそのゲームのコツを教わりながらゲームをプレイするのを配信するという形となっています。

FPSの大会などでもコーチがついて練習する事もありますが、SF6のコーチング配信の特色としては上級者から完全初心者までと全てのプレイヤーを対象にしたコーチング配信が展開されている事です。


このコーチング配信というコンテンツが、SF6の人気に寄与したポイントとしては、

  • 実際に人が教わっている所を見れる

  • 視聴者にもコーチングできる

の2点が挙げられます。
という訳で、この要因をパクってビヨンドに取り入れる方法を考えて行きます。

コーチング配信の裏には、付随するストリーマーイベントの存在もある事も多いですが今回はその点は無視します。


実際に人が教わっている所を見れる


ゲームの”解説動画”というのは、投稿者が架空の対象者を思い浮かべて動画を制作していきます。

それに対してコーチング配信では実際の人が有識者から教わっているのを視聴します。つまり解説動画に比べた時のコーチング配信のメリットは、人が実際にそこにいるという点です。

これにより例えば教えてもらう人が分からなくなったタイミングで質問をできたり、有識者(コーチ)側が架空ではなく実際の初心者に接してどのようなポイントが分からないかを探りながら教えることができたりします。

また、配信でリアルタイムで有識者が初心者にコーチングを行い、配信終了後にお互いのチャンネルやその他切り抜きチャンネルなどでそのコーチング配信の要所を切り取ったものが動画として数多く投稿されることで、1,2時間の収録時間から2,3本、人気の配信者なら10本以上のコーチング動画が量産されコンテンツとして普及していきました。

通常の解説動画よりも聞き手がいることで、実際に困っている一般の人に刺さりやすい動画になり、一般の視聴者も自分の実力に近い配信者のコーチング動画を見るという選択がしやすくなるなど様々な効果が産まれました。


視聴者にもコーチングできる

コーチング配信のもう一つのメリットは、その配信者側の視聴者のコーチングをできることです。

これは視聴者が配信者と一緒に教えてもらうことができるという意味でもありますがそれだけではありません。


新しくシャドウバースビヨンドの配信を始めてみようという配信者がいるとします。そしてその配信者の視聴者の中でビヨンドをやっている人は2割だとします。つまりは8割の視聴者はシャドバを知らない状況です。

きっとその配信は、何も分からない配信者と何も分からない視聴者とその中に埋もれる経験者という構図になります。分からないことだらけでぐだぐだな配信になりかねません。


ここでこの状態からコーチング配信からスタートすることで何が起きるかというと、初心者の配信者と同時に未経験の視聴者も同時にこのゲームがどういうゲームなのかを教えることができるのです!

やはり自分の知らないゲームを見るのは、少々つまらなく感じることが多いです。
そこで知らない視聴者も一緒にそのゲームの事を知ることができれば、より一緒に楽しめるようになるのです。

視聴者が楽しめないタイトルは継続して配信のゲームとして選ばれません。
イマイチだったなという印象を配信者に与えかねません。

SF6はそこをコーチング配信によってハードルを大きく下げ、ゲーム配信業界に受け入れられていきました。ここがSF6のコーチング配信がコンテンツとして伸びていった理由であると思います。


ビヨンドはどうコーチング文化をパクれるか

という事で、ビヨンドで先述のSF6でのコーチング配信をどのように取り入れていくかを考えていきます。

とはいえ、やればええやんで出来るほどシャドウバースのゲーム環境はコーチング配信に適していません。

現行のシャドバのままだと仮定した時に、コーチング配信をするために解決しなければならない問題はこちらです。

  • 初期投資問題

  • 人材問題

  • 情報開示問題

こちらの3つの問題を1個ずつ解決してビヨンドでのコーチング配信を流行らせたいと思います。


初期投資問題

SF6で見られた初心者でそのゲームを初めてやりますってタイミングからコーチングを開始するという形の初心者コーチングですが、これは現行シャドバのままだとできません。シャドバというかDCG業界では不可能です。


なぜならカードが無いからです。


コーチング配信が始まってすぐに「じゃあ3万円課金してください」からスタートする気まずい配信になってしまいます。

DCG業界はあくまで「カードを集めるコレクションゲーム」が主体です。
このままだと
「カードが集まってから出直してきてください」
と言わざるを得ず、初心者コーチングなんて夢のまた夢です。

そもそも3万円課金したからと言って、全てのカードを使えるか分かりません。
「このカードカッコいい/カワイイから使いたい!」→当たらなかったんで今回は諦めましょうになりかねません。

また、これは配信者側だけではなく視聴者側も同じことが言えて、配信者が使ってるデッキと同じデッキを使いたい!となっても、すぐに使うためには2万円くらいは課金が必要でしょう。

SF6は買い切りのソフトで大体8000円くらいです。
基本プレイ無料と見せかけてシャドバの方がゲームの初期費用が高いのは致命的です。

それだけ現状の常識では初心者の状態でコーチング配信をするためのハードルが高いのです。


せっかくSF6がコーチング配信の文化を作ると良いよと前例を示してくれたのに、そこを見て見ぬふりをするのはやはりもったいなく感じます。

この初期投資問題を解決するためには、
前回から引き続きになりますがやはり全カード無料開放しかないと思います。

「カードを集めるゲーム」から「カードで戦うゲーム」に変われるのは、DCG業界でシャドバにしかできないと思います。本格スマホE-Sportsを名乗っているわけですからね。

「E-Sportsやりに来たのにちまちまカード集めるだけやん」になって良いんですか?


時間か金かを費やさなければカードが集まらないなんて、正直忙しい配信者さんたちはそんなことに時間を使っている暇がありません。

全カード無償化されれば、配信者も気軽に配信のタイトルとして選べて、コーチングとなった時にも「あ、そのカード持ってません・・・生成もできません・・・」といった気まずい状況も発生しません。配信でやってもらう事を推進できるでしょう。

また、配信の視聴者側に「無料で全カード使えるからインストールして予習しておいて!」とインストールを促す事も可能でしょう。「そのゲーム知らないから配信でしないで!」というわがままな意見に対して、「無料でできるんだからやってないのが悪いよね?」とアンサーできるようになるのも強いです。


とりあえず私の考えとしては、
シャドウバースは「カードを集めるDCGゲーム」ではなく「カードで戦うE-Sportsゲーム」である事を意識した展開に期待したいです。

前回のnoteでも全カード無償化をするとしたらどうすれば良いかというテーマで触れているので暇だったら読んでみてください。



人材問題

SF6では数多くの有識者によって数多くの配信者に対してコーチングが行われました。

シャドバの業界ではおそらくコーチングをするという経験をしたことがある人がほぼいないでしょうから、そう言った意味でもかなり人材不足です。


そして、SF6のコーチ陣とシャドバのコーチに選ばれそうな方々には意識の部分で差があります。

SF6側のプロの方たちは、SF6を、格闘ゲームをより大きい市場に発展させたい、盛り上げたいという意識を感じました。
それに比べシャドバのプロ達にこの点の意識はあまり無いのではないかと思います。内輪で盛り上がって知ってる人たちだけで楽しめれば十分でしょみたいな感覚のように受け取れます。

正直外の世界にシャドバを広めていこうと頑張っているのは、Cygames所属の友田氏などの辺りのみで正直プロ達はあまり外へ外へとシャドバを広めようという動きは見受けられません。

そんな意識の方々がコーチングだなんてコンテンツに積極的に時間を使おうとはしないでしょうし、正直まだシャドバが盛り上がる事にメリットがある動画投稿者達の方がそう言った活動に積極的に関わろうとするのでは無いかと思います。

格闘ゲームのプロはリーグ期間中だろうが大会前だろうが積極的にコーチングなどでのコラボ配信をしており、界隈を盛り上げて外の世界に広げていこうという気概を感じます。


ビヨンドが始まってからどこまでこの動きをシャドバの公式側に近い人達ができるかがこの人材問題の解決の鍵になりそうです。

まあ別にシャドバプロ達はシャドバをさらに発展させたいとかそんな事よりも今が生活できればそれで良いかもしれないので、これが一番の夢物語かもしれませんね。


情報開示問題

と、有識者がどれだけコーチングできるか?という話をしていますが、ここで出てくるのが競技勢が情報の開示をどこまで行うのかの問題です。

カードゲーム業界はデッキ構築の詳細についての情報を秘匿する文化です。強いデッキを作ってもそれがバレてしまうと、他の人も使い出したり対策を取られたりしてしまいます。シャドバのプロも大会前はどうしても配信などの情報発信活動が控えめになります。そんな文化の中、どれだけシャドバの発展のためだけに自分の持っている情報を開示できるのかが鍵になってきます。

それをプロが嫌がった場合は、そうしたコーチング活動は環境の終盤にしか行うことしかできません。こうなった場合は、せっかく教えてもらっても数日経ったら新カード登場で環境が変わってしまい教えてもらったことが何も意味がない!なんてことになりかねず、コーチング配信自体に意味がなくなります。

SF6の業界は競技勢も大会前だろうとお構いなしに情報を開示する文化が出来上がっていたため、コーチング配信との相性がとても良かったこともありました。もしコーチングをしていこうとなればシャドバ業界全体での意識を変えなければならないでしょう。


この文化をゲーム側で変えようとするのであれば、RAGEやプロリーグをデッキ公開性に変えるのも選択肢です。情報を秘匿してもあんまり意味がない競技環境にする形になります。

今のJCGは公開性、RAGEは非公開性という形でも十分かもしれませんが、少しでも非公開であることのメリットがあると情報を開示しない方が良いになってしまうのでその文化を変えるためにはかなりの改革が必要そうです。

また、SF6では全プレイヤーが世界中のプレイヤーの一定期間のリプレイを自由に覗き見できるシステムが実装されています。簡単ではないでしょうがこのシステムをビヨンドに導入することも解決策になり得ます。情報を秘匿できなくなりますからね。現状はギルド所属のメンバーにはリプレイ共有ができるようにはなってますので、もしかしたらワンチャンスあるのかもしれませんね。


「謎のネクロが勝ち上がってきてるらしいぞ!」みたいな非公開性大会特有の盛り上がりが無くなってしまう事は大きな痛手ですが、それよりもプロの情報発信が増える方が業界全体で考えるとプラスになるかもしれません。




終わりに

SF6の躍進を支えたコーチング配信というコンテンツについて、ビヨンドがその文化を取り込むことができるのかについて考えました。

コーチング配信の優れているところは、1〜2時間のコーチング配信(収録時間)で、
配信アーカイブ、切り抜き(1~3本)の動画コンテンツがコーチ側配信者側の両方で作られるので、コンテンツの生産量という意味でもメリットがあるところです。

投稿される動画の数が多いということはより多くの人の目に留まる確率が高いということですからそれだけそのゲームの拡散に貢献します。ただの初心者解説動画よりも知っている配信者がいる動画の方が見ようと思う人も多いでしょう。


ただ、それもこれもシャドウバースのモダン化「全カード無償化」が無ければ実現は不可能です。今のゲーム業界は配信者に取り上げてもらうことの重要度が上がっています。

無償化して配信者が始めやすく視聴者も始めやすい環境を作る事で、
ビヨンドがより多くの人にインストールしてもらえるでしょう。
流行るかどうかも分からないゲームに3万4万も投資してはもらえません。


そしてシャドウバースはE-Sportsと銘打っています。

SF6で思い浮かべてください。ゲームを購入したら最初は弱攻撃、中攻撃、今日攻撃だけ使えるよ!課金してガチャで当たったら必殺技が使えるよ!という状態でどうしてE-Sportsを名乗れるでしょうか?

集金に関しては、レアカードが当たるカードパックで良いじゃないですか。プレミアよりさらに上のレアリティを用意すれば良いじゃないですか。コラボカード、コラボスキン、限定スキンで良いじゃないですか。

Cygames自慢の本格スマホE-Sportsタイトルとして、全てのカードを全員が使えるのを通常にしましょう!
カードを集めるゲームはE-Sportsではありません。
カードをうまく扱って対戦するゲームこそがE-Sportsです!

本格スマホカードゲームから本格スマホE-Sportsに変えたシャドウバースならきっと!SF6が作った轍の跡を続く事ができるはずです!


という事で私の妄想文章は以上です。
このままだとAPEX,VALO,SF6の牙城は崩せないでしょう。
頼むぞビヨンド。頼むぞCygames。

いいなと思ったら応援しよう!