これからの「正義」の話をしよう "いまを生き延びるための哲学"#読ブロ@Eisuke

感想は、正義とは何かという問を何回も問い続ける、ハーバード大学のマイケル・サンデルが正義とは何か?を様々なアプローチから説いてる、いわば、哲学ですの本です。

〈書評〉

あなたならこんなときどうする?

・避難した4には船乗り(海の上)にいた。
・食べ物がなく、4人は飢えていた
・雑用の係の少年が体調を崩し死にかけている。
・彼を殺し食料にした。
・彼を食べなければ全員が死んでいた。
・これをどう裁くべきか?

これは悪?正義でしょうか?

サンデル教授は正義へのアプローチは3つある。それは

・幸福の最大化
・自由の尊重
・美徳の促進

とマイケル・サンデルは説いている。

幸福の最大化
功利主義 = 快楽主義
※他の三人を救うために、一人の命を犠牲にしても良いのか。
※満足度のみが焦点に当てられるために、他を犠牲に伴う危険がある(功利主義の問題点)
簡単にいうと、一人の幸福のために、100人を犠牲にしてはいけない。
自由の尊重
※自由=どの人間も平等に自由な権利を持っている
※政府が強制的に所得の一部を徴収することは、自分が政府に所有されることになる。=(累進課税は平等ではないようねという考え方)
※非道的な行為が容認される危険性がある
簡単にまとめると、100人の幸せのために、一人を犠牲にしてはいけない。

→いわゆる総和が大事なのか?という点。
正解はないが、何が正解かを見つけるのが非常に難しい。

功利主義が正当かされるすぎると、

闘技場でライオンと戦わされました。でも、功利主義的にはこれで問題がない。「社会秩序を乱す者たちを罰しながら、正しい市民の娯楽になっている」わけだから。功利主義の視点に立てば、あらゆる拷問も正当化されてしまいます。

米国の連邦政府が石油ショックを理由に高速道路の速度制限を55マイルと決めたところ、交通事故の死者は目に見えて減少しました。しかし、この制限速度の結果、経済は減速することになります。
やがて80年代、石油ショックの時代が過ぎて速度規制は撤廃されました。ほとんどの州は規制速度を65マイルに。ドライバーは時間を節約できるようになり、経済も復調しましたが、その代わりに死者が増えていきます。時速を10マイル増やすと、その分だけ死者は増えるけれど、はるかに経済効果が大きい。

功利主義はあらゆることをロジカルに考える結果、どちらが権力者に良い方向に進められるかがるということ。

ポルノ規制を考えると
・自由の尊重(個人を守る正義) → 何を書くのも読むのも自由であり、そうする権利がある。
・幸福の最大化(論理的裏付け) → 不快に思う人が多いのならば規制すべきだ。
・美徳の促進(道徳的根拠薄) → 表現の自由とは言っても、大衆的にもっと良品があるよね。

どれが「正解」とは言えないけれど、3つの対話のバランスが必要
「共同体」での「美徳」の定義が必要。

その美徳が企業における、「会社の理念や、ビジョン」にあたる。
共通の旗印がないと、みんなが同じ答えにならない。

3つの価値観がそれぞれ問題を起こし、そのこんがらがった状態を問題という。問題一個一個は小さいけれど、問題の数が多すぎて、何が答えがわからないと大事。

3つの価値の対話が大切なので、社会が一番難しく、企業がその次に。
個人にするともっと簡単なのだと感じました。





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