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インテリアからはじめる家づくりのススメ

家づくりにおいて、インテリアは、最終段階で決めることが多いですが、
私は、『インテリアからはじめる家づくり』を推しています。

普段、私が住宅の設計をする時もそうです。
インテリアのイメージを確認してからの方が、住まいのイメージが湧きます。

今回は、
”インテリアから始めることをススメる理由”を詳しくお話しします。

●まえおき:家づくりの要望を考えるとき


そもそも、家づくりをしよう、と思った時、
どんな風に要望を考えますか?
どんな風に考えたらよいと思いますか?

家づくり要望どう考える?

・どんな家にしたい?

家づくりが始まると、まず『どんな家にしようか』を考えます。

すると、陥りがちなのが

『キッチンは対面式で』
『収納はファミリークローゼットで』
『パントリーが必要で』

などなど、”条件”にばかり注目してしまうこと。

条件はあってよいのだけれど、
居心地のよい、自分らしい家を手に入れるためにもっと大切なのは、
『どんな暮らしがしたいのか?』をしっかり考えることです。


条件が揃っている便利な家もよいけれど、
せっかくイチからつくる家、それだけじゃつまらなくないですか?
+αの豊かな暮らし、欲しくないですか?

なんなら
条件が全て叶っているだけの家より、
”条件”の全ては叶わなくても、その、+αがある家の方が満足度は高くなります。
+αと思われているものの方が、満足する家には必須だったりするのです。

これは、設計活動をしていて実感していることです。


・本当に必要?

そもそも、ピックアップしたその条件は、なぜ必要なのか?

『あのステキな家がそうだったから』
『便利だって聞いたから』

そんな風に、なんとなくで考えてはいませんか?

自分の暮らしを振り返ってみると、
本当に必要なのか?疑問に思うことが出てきます。
自分の暮らしに照らしわせると、
あれ?そこまで必要じゃないのかも、が出てきます。

・この家でどんな風に暮らしたいのか。
・この家でどんな気分で過ごしたいのか。
・どんな空間でどんな風に過ごせたら幸せと思うのか。

条件を並べるだけでなく、
『暮らしについてきちんと考える』
ことが家づくり成功の秘訣です。

目指す暮らしのイメージができているかいないかで、
完成後の満足度は確実に違います


・家づくり迷子続出

間取り本当にこれでいいの…?
仕上げ材どうしよう…?
照明器具は…?
家具はどう選ぶの…?

なんとなくの憧れだけで家づくりを進めると、途中で迷子になります。

家づくりは、決断の連続です。
決めなければならないことが、たくさんあります。

軸にする “よりどころ” がないと、決断に迷います。

その都度、その時々の気分で決めていたら、
なんだかチグハグな、まとまりのない家になってしまいます。

そうならないために、目指すべき目的地をはっきりさせる必要があるのですが、
それが、家づくりの要望、『この家で、どんな風に暮らしたいのか』です。


●なぜインテリアから始めるのか


では、それをどうやってイメージすればよいのか?
いきなり暮らしをイメージするのはなかなか難しいです。

けれど、
暮らしや家づくりといった、大きな括りだと漠然としてしまうことも、
インテリアのテイストや家具、照明器具や小物、など
あなたがイメージしやすいものを起点に始めると、そこから広がります。

”この椅子を置きたい!”というのがあれば、
座っている時の自分をイメージしやすくなります。

『早めに仕事を終えた夕暮れに、この椅子に座って夕焼けを望みながら、
読書をして過ごせたら最高〜♡』

こんなふうに、椅子ひとつから、イメージが膨らみます。

最初から暮らしや家全体のイメージがピンとこなければ、
こうやって、家具やインテリアから始めるとよいのです。

『それに似合う空間』をつくっていけば、
自分の気に入る居心地のよい家につながります。


●インテリアからイメージする


先日、ふと立ち寄ったインテリアショップで、あるスツールに惹かれました。
これ、玄関の靴履き用に置きたいなぁ、と思ったのですが、
その時実感した、”インテリアから始める”をオススメする理由を3つ、あげます。

スツールから広がるイメージ

理由1:イメージが膨らみやすい

たとえば、このスツールを玄関に置くのなら

”こじんまりした玄関の隅に、ちょこんとあるのが可愛いな”
”余計なものは一切つくらず、このスツールが際立つように置きたいな”

と、イメージが空間にまで及んで膨らみます。
具体的なモノがあると、イメージが膨らみやすくなります。


理由2:迷いなく決断できる

たとえば、そんなイメージが膨らめば

”玄関は大きくした方がいいのかなぁ・・”
”あの家みたいにベンチつけた方がいいのかなぁ・・”

間取りを決めるとき、
そんな風に、悩む必要も、余計なスペースを取る必要も、
ベンチをつける余計なお金も必要なくなります。


理由3:ブレない家づくりにつながる

家全体をイメージして、そこからひとつひとつ決断するのはなかなか難しいです。
だから、家具や照明器具など、あなたがイメージしやすいところから考えていく。

そういう、イメージの膨らむ具体的なモノがあれば、
迷いそうな時でも、そこに”立ち返って” 判断することができます。
”絶対的なよりどころ”があれば、
途中で迷ったりブレたりすることがなくなります。

家づくりをしていると、さまざまな決断を迫られる中で、
目の前のものに追われ、その単体だけで決断してしまうことがありますが、
それでは、少しずつズレていって、
結局何がしたかったんだろう?な家になってしまいます。

『よりどころとしてのインテリア』
『明確な目的地としてのインテリア』

ブレない家づくりのために、
最初の段階で、一度しっかり向き合うことは有効です。

●インテリアテイストは最初に固める

インテリアの目指すテイストが決まっていれば、
間取りを『それが似合うかな?』という基準で見ることができます。

家が出来上がってからインテリアを整えようとするより、
遥かに楽に、クオリティ高くマッチするインテリアがつくれます。

”インテリアテイストを最初に固める”をオススメする理由を3つ、あげます。

インテリアテイストは最初に決める

理由1:間取りの判断基準になる

一般的な家づくりの流れは、
『間取りが決まったら、次、仕上げ材を決めましょう。』
となっていることが多いと思いますが、これだと

間取りを
・どう決断したらよいか決めきれない
・これが正解なのか自信が持てない

こんなことが起こりがちです。

でも、住まいの最終形であるインテリアのイメージが固まっていれば、
間取りのイメージもしやすく、それが避けられます。
インテリアのイメージは、間取り決断の助けになります。


理由2:間取りに反映できる

たとえば、
あなたの求めているものが ”ボタニカルインテリア” だと分かれば、
目的地をそこに設定します。

そして、緑に囲まれたシーンを思い浮かべながら暮らしをイメージします。

・あのグリーンを入れるなら、どんな窓だと相性がよいだろう。
・落ち着いた雰囲気より、開放的な雰囲気が似合いそう。
・天井から下げたグリーンを両方の部屋から楽しめるから、部屋の間に
 室内窓を取り入れよう。

こんな風に
インテリアを活かすにはどうすればよいか、という軸で考えられます。
ブレたりすることなく、そこに向かって考えていけるので、
よりベストな空間につながります。

注)ボタニカルインテリアとは:植物を取り入れたインテリアのこと


理由3:家具がマッチする

新しい家には、どんな家具を置きたいのか。

たとえば、
ダイニングテーブルの大きさはどのくらい欲しい?長方形?それとも丸型?

たとえば、
ソファは置く?
置くならL型なのかI型なのか、大きさはどのくらい欲しい?

こういうことにも間取りの向き不向きが出てきます。
先にイメージが固まっていれば、しっくりとマッチする間取りも手に入ります。


●家具選びは難しい

特に家具は、出来上がった家に合わせて選べばよい。
という考え方もありますが、

家具って、いざ探そうとするとちょうどよいのがなかったりします。

なかなか “これぞ” と思うものに巡り合わない経験、
ある方も多いんじゃないかな?

デザインがすごく気に入ったのに寸法が少し大きかった、とか、
寸法的にはなんとか入ったけれど圧迫感が凄くて部屋が台なし、とか。

家具選びはなかなか難しいのです。

ようやく出来上がった我が家、

置きたい家具がなかなか見つからない….
お気に入りの家具があったのに、寸法や窓のせいでしっくり収まらない…

は、ありがちです。

そんな残念を避けるためにも、
家具選びは、家づくりに先行して、または並行して進めるのがオススメです。


●『インテリアからはじめる』のススメ

好なインテリアは、自分が心地よいと思うものだから、
そのインテリアに似合う、という視点で家づくりを考えていけば
間違いありません。

まとまりのないインテリアになる可能性も、
チグハグな家具を買ってしまって、無駄なお金を使うことも避けられます。

間取りやインテリア全体をイメージするのが難しくても、
お気に入りの家具を選ぶことでイメージがしやすくなります。

家全体を明確にイメージするのは難しくても、
インテリアからイメージすればよいのです。

特に、インテリアにこだわりたいインテリア好きには、
その家具を引き立たせる、『家具から始める家づくり』もオススメです。


●『インテリアからはじめる』家づくり


オススメ理由まとめ

・ 満足度につながる暮らしのイメージをしやすい
・ 目的地がはっきりするので家づくり迷子にならない
・よりどころになるので、ブレない家づくりができる
・ 間取り決断の助けになる
・ 最終イメージに向けて進むので完成度が高くなる

家具も含めたインテリアは、始めに考えるのが、やっぱりオススメなのです。


●さいごに

やること、決めることの多い家づくり。
決断の連続で大変だけれど、目指すものがイメージできていれば、
悶々と迷ったり不安になったりせず、
楽しく、自信を持って決断することができます。

目の前の、決めなくちゃ、に夢中になっていると、
全体を見失い迷子になりがちです。
そんな時にSNSでステキなおうちの写真なんか見たらもう大変。
迷走が止まりません。

でも、目指すところを見失わなければ迷子になることはありません。
最終イメージがあれば、いろいろ決める時のよりどころになります。
目指すところが分かりづらければ、
イメージしやすいところから手がかりにしていけばよいのです。

何かひとつ軸があれば、
溢れる情報に惑わされたり、
ブレて中途半端になってしまったり、
が避けられます。

そんなこんなで
”インテリアからイメージする家づくり”
最初の段階での”インテリアテイストのイメージ固め” を推しています。


■ぜひやってほしい■

インテリアのイメージ固めは、こちらの手順でできます。
↓(主にstep2)
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