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マンガで知った、未知の世界と感覚

インターネット等のテクノロジーの発達でもって、趣味嗜好の品を手に入れることにも色々な選択肢が出てきました。
コンビニに本やCDを届けてもらったり、通販を利用したり、電子書籍で購入してすぐ読む! な人も増えています。

そして世間の価値観の変化により、表現の方面でもこの十年程度で色々と変化が生まれている気がします。
だからといって手塚治虫さん達黎明期の作品が色あせることは決してなく、新しいマンガファンが読んでも感じ入るものはあるはず。温故知新ですね。

今回書く事は特に誰からも同意が得られたことがない、でも私にとってはひとつの知見を広げるきっかけとなった出来事です。
何故かたま~~に「この話、好きなんだよなあ……」と思い起こすので、したためておこうと思いました。

子どもの時に読んだ『ドラゴンボール』。ハチャメチャが押し寄せてくる物語と魅力的なキャラクター達で、現在も世界中に熱狂的なファンを擁する作品です。
悟空とクリリンが自らの力を試すため、亀仙人に連れられて参加した第二十一回天下一武道会。登場キャラのひとり、ナムのエピソードが私にとってとても印象深いのです。

天下一武道会優勝者には、大金が与えられるシステム。修行僧の如く実直な人柄のナムさんは、日照り続きで水が足らない故郷の為、優勝賞金で故郷に水を買おうと大会に参加します。
しかし彼は準決勝で悟空に負けてしまい、水を手に入れられなかった……とがっかりして村に帰ろうとします。

そこに亀仙人が現れてナムさんにホイポイカプセルを渡し、近場の水道を指して「水なら無料だからいくらでも持って帰ればいい」と教えるのです。
(ホイポイカプセルは謎テクノロジーにより、巨大・大量の物体でも小さなカプセルに入れて持ち運べるようにできてしまうもの。カプセル化している間は重量も無視される)
都会では水が無料だと知った時のナムさん、驚きの形相で固まってしまったほどでした。


この話は都会と田舎のカルチャーギャップを描きつつ、正々堂々と戦ったナムさんに対して、誰の財布も痛まないほど当たり前の権利でもって彼を救済するマンガ的オチです。
賞金で水を買うという解決方法をまっすぐに信じていたナムさんだからこそクスッと笑える話であり、他に水の入手方法を考える余地がないくらい、彼の故郷では水=貴重なのです。

インフラが整備されておらず、片道何時間もかけて水を汲みにいく生活をしている地域も実際に存在します。できる事が限られている環境出身のナムさんを、笑いものにする意図ではないんですよね。
だからこそ「カプセルコーポレーションすげー!」と思いましたし、子供心に「生活に必要なものが当たり前に揃わない人もいて、そうした人には私達の生活がすごい驚きになるんだ」と、感じた出来事だったのです。

ひょっとしたら、ナムさんみたいに水が欲しくて街に買いに来るような人は地球上には存在しないのかもしれない。(できるなら、その方がいい)
けれど水に限らず、住んでいる環境によって足りるもの・足りないものはきっとあって、そういう違いを笑ったりせず大事にした方がいいんだろうな。
まだカルチャーギャップなんて言葉も知らない頃でしたが、そんな気持ちを『ドラゴンボール』に教えてもらった経験でした。ナムさんが無事水を確保できたことにも、心底安心したものです。


大人になってくるととかく「仙豆で体力一発回復したい」だの「精神と時の部屋にこもって原稿を仕上げたい」だのラクな方にばっかり考えてしまうので(笑)、ちびっ子の時の驚きを今後も覚えていたいな! と思い直す次第です。
ナムさんの代わりに、海外への寄付もYahoo!ネット基金で気持ちばかりですが継続していきます。おっし、いっちょやってみっか!

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