スペイン放浪記② 〜現地のトレーニングを見て〜
こんにちは、シュウです。
今朝は、ホテル近くのカフェで、オレンジュースとハムとチーズを挟んだクロワッサンを食べながら、なんて優雅で贅沢な時間を過ごしてるのだろうと思ったり…笑。
昨日はフリーで、体調を整えつつベルナベウツアーに行ったり観光を楽しみました。
これぞ!夏休み!!
さて、スペインでのサッカー視察3日を迎えました。今回は、現地のトレーニングをみて自分が感じたことを書いていきます。
お楽しみいただければ嬉しいです!
2024/8/12 (3日目: @マドリッド)
1.監督と他のスタッフについて
今朝、見に行ったのはアルコベンダスというクラブのトレーニングでした。
俗にいう「リレーション」がとても機能している印象を受けました。
見学させてもらったチームでは、第一監督、第二監督、GKコーチ兼アシスタントコーチ、フィジカルコーチの4名がスタッフとして活動しています。今日はアシスタントコーチが休みだったので3名でした。
最初に、筋トレを少し入れながらウォームアップまてまをフィジカルコーチが担当します。
※なんで最初に行うのかは、下のセッションに書きます
今日は上半身のトレーニングで、日にちや試合前によって強度をコントロールするそうです。体のコンディションを仕上げていく過程はフィジカルコーチに任せていて、ウォームアップも任せる監督が多いそうです。
次のトレーニングのオーガナイズは、既にセットされていて移行しやすくなっています。トレーニングが進むに連れて、アシスタントコーチは次に必要なものを準備していく、これも「リレーション」に大切なことです。
その後に、第一監督が今日の流れとねらいについて話をしてから、トレーニングが始まりました。
第一監督の考え方次第のようですが、第一監督、第二監督、アシスタントコーチ、フィジカルコーチも含めて、今日のトレーニングについての打ち合わせや確認をしっかり行います。
その中で
①誰がどんなことを選手に伝えるか
②誰がピッチのどこに立つのか
③オーガナイズを変更するのは誰なのかなど
きちっと決められていて、それ通り実行していきます。
どこに立ってコーチングするかまで、監督が指定していることに少々驚きがありました。
また驚いたのが、今回の練習中に第二監督がシンクロして伝えたことを選手が理解してなかった場合があり、それに気づいた第一監督がセット間で伝えて補うといった場面も見られました。
第一監督って本当にすごいんだなと思います。
しかも、このチームの第一監督は29歳という若さ…
若手監督の人材が豊富ですね…!!
2.トレーニング前に筋トレ?
次に何故、筋トレをトレーニング前に行うかです。
疲労を考えたときに、「トレーニング前の方が一律でコントロールしやすいから」という理由があるそうです。
具体的には、トレーニング内容やポジションによっては個人にかかる負荷が変わります。もちろんフィジカルコーチによるのですが、そういった形で行う人は多いそうです。
また予備疲労を入れることで、ケガの予防にもなっています。
今回のトレーニングでは、4つのセッションをサーキット形式でまわしていました。
<トレーニングの内容>
①腕立て伏せ(10回2セット、手幅を変えて)
②バーベルを使ったローイング(10回2セット、重りなし&30キロ)
③ダンベルを使ったプレス(10回2セット、おそらく10キロ、ダンベル1つを両手で押し上げる)
④ダンベルを使ったローイング(左右10回ずつ、重さは分からなかった)
そこまでゴリゴリに筋トレというよりかは、筋肉に刺激を入れる程度のイメージで15分くらいで終えて、ランニングなどのウォームアップに入りました。
今日みた選手たちは、16歳の選手たちで、この年代の選手でバーベルの握り方や使い方が分からないのは致命的というくらいフィジカルトレーニングは大切に考えられています。
3.コーチングは一流シェフの如く
今回のトレーニングは「DFライン背後のスペースに侵入する」といったもので、中盤でのポゼッションからの崩しのイメージでした。
アップからパスコンまではとてもスムーズに選手もこなしていましたが、1つ目のテーマに沿ったトレーニングに入ると狙っていた現象が出ずにフリーズやシンクロでコーチングが入りました。
このグループは、DFラインの背後を狙う前のポゼッションの部分に課題がありました。
それぞれのトレーニングで獲得させたいことが明確になっているため、それをクリアしなければ次に進まない。多少時間をかけてでも、きちんと理解させてから次に進んでいく。
当たり前に聞こえますが、それを的確にコーチングを入れて獲得させていくことに面白さがある反面、私自身、そこに難しさを感じることがあります。
このトレーニングでは、時間をしっかりかけて選手を導いていく、選手から引き出していく…まさにコーチングしている様子が見られて、とても勉強になりました。
一流のシェフは、「お客さんの反応を見ながら料理の味を調整していくと」聞いたことがあります。
トレーニングのテーマや流れ、獲得させたい要素がいくら素晴らしくても、それらを選手が理解できなければ何も意味をなしません。
トレーニングをうまく機能させるための分析する力…トレーニングを成功させる、機能させるために「必要なことは何か」を素早く見つけ、それを提示する。
それを、日本では「キーファクター」という言葉で表しています。
スペインではそういう言葉は使っていないそうですが、問題を解決するためのポイントとして理解されているようでした。
コーチに必要な能力には、
①様々な想定を持ちながらトレーニング構築していく能力
②想定外のことでも分析して解決策を提示できる能力
これがコーチの腕前のひとつになりそうです。
そんなの当たり前じゃんと言われそうですが、実際にやるとテンパっちゃったり、変な方向に進んだりしてしまいます。
当たり前を当たり前にできるように、私はなりたいです。
まだまだスペインで過ごす時間が残っているので、いろんなことをいろんな視点で学んで帰りたいと思います。
最後に、お昼に食べたイカスミのパエリア、めっちゃ美味しかった!!笑
ではまた!