Ethiopian Football News (vol.7)
こんにちは、シュウです。
たまたまなのか、今回のレポートを出した時も年明けだったようです。
DREAMプロジェクトもだいぶ盛り上がってきた時期ですね。お楽しみあれ!
2017.1.22
エチオピア滞在7ヶ月目
明けましておめでとうございます。2017 年をアフリカの大地で迎えるとは、昨年の 1 月には思ってもいませんでした。半年を過ぎて、こちらの生活にすっかり馴染み、道を歩いているとサッカー教室で関わった子どもたちに「シュウ!シュウ!!イグルクワス(サッー)!!」と声かけられるように少しずつなりました。ちりも積もれば山となる、今年も自分のできることをコツコツと積み重ねていきたいと思います。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
さて、今月はエチオピアのダービーマッチの話題からスタートします。
1.エチオピア・プレミアリーグ開幕
天皇杯決勝が行われた1 月1 日に、エチオピアでもビッグマッチEthiopia Buna vs St. George の試合がありました。 試合前からアディスアベバスタジアム周辺では、両チームのサポーターが盛り上がっていました。車の上に乗って踊っているサポーターもいるくらい・・・ボルテージは既に最高潮に達していました。他の隊員と観戦しようと思いましたが、チケットは既に完売・・・私だけ ID を使って入ることにしました。他の隊員は次回に・・・ごめんなさい。中に入ると応援歌の大合唱、選手がアップに登場すると両チームから声援とブーイングの嵐・・・なんか、怖いよ。そして、ゲームが始まりました。やはりゲームは、キック&ラッシュのフィジカル勝負でした。準備なしのロングボール、ロングボールの蹴り合いでゲームが進み、セントジョージが有利かと思われた中、ブンナが前半 27 分に得た左サイドからの FK
を頭で押しこみ先制点!スタジアムが壊れるかと思うくらいの地鳴り・・・周りには、ブンナのサポーターが発狂している・・・まじで、怖い。その1点をブンナが守り切り、1‐0 でブンナが勝利!!セントジョージに今季初の黒星を付けました。試合後、スタジアムの外は、ブンナサポーターが道で踊り歌いのお祭り騒ぎ・・・うん、早くこの場から立ち去ろう、本当に怖い。足早にスタジアムを後にして家に向かう途中、ブンナのサポーターがセントジョージのサポーターに絡んでいる・・・これはやばいのでは・・・と心配する中、「今回は、ブンナが強かった!おめでとう!!」とセントジョージサポーター・・・それに対して、「いや~、今回は運が良かったよ!また次回が楽しみだな!!」とブンナサポーター・・・そして、ハグして握手して終了。すごく驚きましたが、エチオピアの素敵なサッカー文化に触れた瞬間でした。ダービーマッチでは「勝利」が何より大事、そのためサッカー自体はケンカサッカーだったけれど、スタジアムの雰囲気やサポーターの熱気に触れることができて、面白かったです。
2.DREAM プロジェクト(活動 #5, #6)
2016 年最後の仕事として、第 5 回DREAM プロジェクトを Shimels Habte Primary School で行いました。この学校は、今までの学校と違い 5 年生までの各学年に 1 クラスずつしかない小規模校でした。その分、この学校にいるボランティアのことをみんな知っており、日本人にとても慣れている様子でした。
さて、今回は男女混ぜてのサッカー教室とダンス教室を行いました。初日は、3 年生29 人でサッカー教室、やはりサッカーは人気があって、普段の体育では 1 つのボールを使って順番に試合をして終わるところを 2 人に 1 つのボールを用意して、たくさんボールに触れてもらいました。この学校では、体育の授業がきっちりと行われているためか、しっかりと話しを聞くことや列に素早く並ぶなどの躾がされており、とてもスムーズに行うことができました。2 日目のダンスは4 年生を集めて行いましたが、前日にサッカーをしているのを見ていたため、テンションはやや低め・・・ダンスが始まると盛り上がりはしましたが、子どもたちはやや消化不良といった感じでした。サッカーだけでもいいのですが、種目の選定も今後の課題になりそうです。でも、子どもの笑顔が最高に素敵でした!!
そして、2017 年最初の仕事として、第6 回DREAM プロジェクトをBerhanh Zare primary school で行いました。今回の学校は、とにかくグラウンドが広くて、フルピッチ取ってもアップするスペースが作れるところでした。地域的には、ボレというボレ国際空港がある地域で、比較的に富裕層が多い地域です。また、「ボレの女は綺麗」と現地の人が言うだけあって、女子生徒たちも顔立ちの良い子が多く楽しく活動できました。今回は、4 年生2 クラスをそれぞれ男女に分けて、男子サッカー、女子陸上とダンスといった形で行いました。しかし、オリエンテーションを予定していた日がいきなり半日日課となり、生徒は下校してしまうというハプニングがありました。つくづく油断できない国だなと実感しました。また、オリエンテーションがなかったため、持ち物や時間も伝えきれず、活動前に保護者に連絡をしている子もいて、なかなかスムーズに始められませんでした。活動が始まってしまえば、あっという間に過ぎていき楽しむことができるのですが、事前の準備が大切だと改めて感じました。そして、今回、新たに頭を悩まされたことがありました。ドリブルのトレーニングをしようとしたのですが、一個ずつボールが行きわたらず、「次の子にボールを渡して並ぶ」という流れでやろうとしたところ、我先にとボールの奪い合いになり成立せず・・・・説明不足もあるだろうが、「順番待ち」ができないのだと新たな発見でした。
オーガナイズに改善の余地ありと、ポジティブに考えていきたいと思います。何だかんだ色々とありましたが、なんとか4 日間活動することができました。
3.エチオピアのコーチングライセンス事情
エチオピアには、日本の様な登録制度がないため、おおよその検討も付かない程たくさんいます。道端で、ちびっこにサッカーを教えている小学生も自分のことを「おれはこのチームのコーチだ」と言い、小学校の放課後にグラウンドで練習しにくる青年たちのチームにも若いコーチがいて、無論、クラブチームやナショナルチームなどにもたくさん指導者がいます。現在、A 級、B 級ライセンスのコースが行われています。どちらも CAF のライセンスコースで、CAF から指導者養成の担当者が派遣されています。そして、現在エチオピアには、A、B、C 級あわせて約 1000 人のライセンス保有者がいるみたいです。しかし、プロライセンスを持っている指導者はまだいません。話を聞くと、2027 年にCAF‐プロライセンスのコースを行う計画があって、それに向けて現在は、ライセンス保有者を増やしている段階です。先日、「自分もA ライセンス取りたい」と懇願したところ、「エチオピア人ですら順番待ちだから無理」と一蹴されました・・・チーン、無念。日本に帰ってから、機会があればチャレンジしたいと思います。
ちなみにクラブチームのコーチの給料は、3~4000 ブル、ナショナルチームのコーチで 10000 ブルだそうです。エチオピアの指導者養成担当は 9000 ブル、技術委員長は 5600 ブルもらっているようです。
カウンターパートは、技術委員長の仕事をしているのですが、自分の小遣いは 1300 ブルしかないと日本と同じく財布の紐は奥さんが握っているようですね。
4.エチオピア正教の祭典 ~ティムカット祭~
1 月 19 日は、エチオピアの祝日にもなっているティムカット祭でした。ティムカット祭は、キリストが洗礼を受けたことを記念して行われるお祭りです。クリスマスの日から 12 日後にヨルダン川で洗礼を受けたとされています。各教会からモーセの十戒を収めた「契約の箱(タボット)」を僧侶が持ってくるところからお祭りは始まります。豪華な衣装に身を包み、神聖なる儀式や聖歌隊の歌や踊りが 2 日かけて行われます。祝日は 19 日になっていますが、18 日の午後から行進はスタートされ、聖なる水または小川の近くのテントまで運びます。本番となる翌日(19 日)にタボットの周りに集まり水をまき、誓いを新たにします。その後、タボットが収められていた教会に帰る間、歌や踊りが続いていきます。アディスアベバでは、街の北東に位置する「ジャン・メダ」という広場にタボットを運び集まります。各地で行われているお祭りですが、ラリベラのティムカット祭が始まりと言われています。
また、一般的には契約の箱を「アーク」と呼びますが、エチオピアではタボットと呼ばれています。紀元前 10 世紀頃にエチオピアを統治していたメネリク1 世は、古代イスラエルのソロモン王と、シバの女王の間に生まれたとされており、モーセがシナイ山で授かった十戒の石版を収めた「アーク」をエチオピアに持ち込んだとされています。現在でも、世界遺産になっているアクスムのシオンの聖マリア教会に保管されていると信じられています。日本人は、仏教や神道についてすら知らない人が多いですが、エチオピアだとみんなキリスト教やイスラム教など宗教についてよく知っています。そのため、宗教の話題が多く出てくるので、 こういった機会に色々と調べてみると勉強になりました。半日お祭りの会場にいただけで、3 社のテレビ局にインタビューされました。英語もっと頑張ろう・・・。
5.エチオピアの豆知識 ~その⑥~ エチオピアの交通手段
エチオピアの代表的な交通手段と言えば、「バジャジ」と「ミニバス」です。バジャジとは、3 輪型の乗り物で地方の方で多く使われています。開放感があって風が気持ちいいのですが、夜乗ると寒すぎて死にそうになります。そして、ミニバスは名前の通り、ハイエースなどのワンボックスカーをバスのように座席を付けた乗り物です。バジャジは 3 人しか乗りませんが、ミニバスは 2 人掛けに 3 人乗るのが当たり前なので、 15~18 人ぐらいは無理やり乗ります。どちらも街を巡回していて、距離によって 1.5 ブル、2.5 ブル、3.5 ブル、5 ブルとなります。しかし、人によって距離の感覚が違うのか、同じ区間でも料金が異なることもあります。20 年前の車が使われており、修理しながら使っているようですが、排気ガスがハンパなく、大気汚染が中国並み・・・いや、それ以上かも知れません。洗濯物がいつも真っ黒です。ちなみにエチオピア人は、たった 100ⅿでも上り坂だと平気でミニバスを使います。ミニバスによる不健康増進活動・・・エチオピア人の健康が心配です。
6.最後に
先日、私のカウンターパートとボランティア調整員と話す機会がありました。現在、エチオピアでグラスルーツに目を向けた活動をしているのは、「修平だけだよ」という衝撃的ひと言葉・・・。エチオピア人の指導者は、お金にならない子どもの指導よりもユース年代やプロチーム、代表レベルでの指導を望んでいるそうです。2 月には、地方にいってグラスルーツの活動をする予定になっています。まだまだ、やることいっぱいの 2017 年になりそうです。来週から、英気を養いにエジプト旅行行ってきます!!
なんか写真の画素が悪いですね…残念。
ではまた!
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