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60代からの『ノマドライフ』、「90日ノマドプラン」で始める新しい生活様式

はじめに ― 夢ではない、60代からのノマドライフ

「定年後は落ち着いて」という常識を、私は55歳の時に捨てました。

会社員として働いていた頃、零細企業の不安定さから「万一の時の収入源」を作るためにアフィリエイトを始めたことが、今の自由な生活の原点です。最初は自宅の寝室でパソコンの明るさを落とし、静音キーボードを使って深夜に作業していた日々。

しかし今、私は年に6回ほど国内各地を移動しながら、自分のペースで仕事をする生活を楽しんでいます。家内も同行する旅先で、朝はカフェでゆっくり仕事をし、午後は観光を楽しむ――60代からこそ始められる「ノマドライフ」の魅力をお伝えします。

「90日ノマドプラン」で無理なく始める方法

なぜ多くの方が「憧れるけど踏み出せない」のでしょうか。それは全てを一度に変えようとするからです。私が提案する「90日ノマドプラン」は、準備期・試行期・定着期の3段階で、誰でも確実に新しい生活様式に移行できる方法です。

特に60代には大きな強みがあります。①時間の自由度が高い、②年金という安定収入がある、③長年の経験が財産になる——この3つを活かせば、若い世代よりも成功確率は高いのです。

準備期(1-30日目)― 最初の一歩を踏み出す

具体的な準備項目と手順

準備期で最も重要なのは、「必要最低限」に絞った準備です。私が失敗した原因の一つは、「情報集めに夢中になりすぎる」ノウハウコレクター状態に陥ったことでした。以下に、本当に必要な項目だけを挙げます。

  1. 基本的な通信環境の確保(1-10日目)

    • モバイルWi-Fiの契約(月額3,500円程度)

    • バッテリー容量の大きいスマートフォン(2万円程度)

    • 軽量ノートPC(中古で5万円程度、新品なら10-15万円)

  2. 最低限必要なデジタルスキルの習得(11-20日目)

    • オンラインミーティングツールの使い方(Zoom/Google Meet)

    • クラウドストレージの活用法(Google Drive/Dropbox)

    • スマートフォンでの予約・決済アプリの使用法

  3. 収入源の確保(21-30日目)

    • 自分の経験・スキルの棚卸し

    • 副業規約などの確認

    • 初めの1-2件の仕事を獲得

準備期では、コストを最小限に抑えることが重要です。私の場合、初期投資は合計で86,500円でした。その内訳は、中古ノートPC(58,000円)、モバイルWi-Fi初期費用(5,000円)、クラウドサービス年間契約(12,000円)、オンライン講座受講料(11,500円)です。

無理のない時間確保の方法

仕事をしながらの準備期間では、毎日2時間の作業時間確保が理想的です。私は家内が就寝した後の21時から23時を「準備タイム」と決めました。重要なのは、家族の理解を得ることです。「なぜノマドライフを始めたいのか」「どんなメリットがあるのか」を丁寧に説明し、共感してもらいましょう。

私の場合、「旅行好きな家内と一緒に、もっと国内各地を巡りたい」という想いが原動力でした。家内には「旅先でも半日は仕事に使うけれど、残りの時間は一緒に観光できる」というメリットを強調しました。この共通理解があったからこそ、後の試行期も順調に進めることができたのです。

試行期(31-60日目)― 短期滞在で経験を積む

はじめての短期ノマド体験

試行期の目標は、「3泊4日程度の短期ノマド体験を2回実施する」ことです。初めての滞在先として最適なのは、以下の条件を満たす場所です。

  1. 自宅から2-3時間以内の移動距離

  2. Wi-Fi環境が整ったビジネスホテルや民泊がある

  3. 観光と仕事の両立がしやすい静かな環境

私の初めての滞在先は、自宅から約2時間の温泉街でした。平日に3泊4日の日程で、2泊目は観光地から少し離れたビジネスホテル(5,800円/泊)を選びました。なぜなら、連泊する場合は中日に「集中して仕事ができる日」を作ることが効率的だからです。

実際の働き方とスケジュール

試行期で最も重要なのは「仕事とプライベートの境界線を引く」ことです。以下は私が実践していたスケジュール例です。

1日目(移動日)

  • 10:00 自宅出発

  • 12:00 滞在先到着、チェックイン

  • 13:00-16:00 カフェで仕事

  • 16:00-19:00 周辺散策

  • 夕食後、メールチェックと翌日の準備(30分程度)

2日目(仕事集中日)

  • 8:00-12:00 ホテルで仕事

  • 12:00-13:00 ランチ

  • 13:00-17:00 ホテルまたはカフェで仕事

  • 17:00以降 自由時間

3日目(観光メイン日)

  • 8:00-10:00 ホテルで仕事

  • 10:00-16:00 観光(昼食含む)

  • 16:00-18:00 カフェで仕事

  • 18:00以降 自由時間

4日目(移動日)

  • 8:00-10:00 ホテルで仕事

  • 10:00 チェックアウト

  • 10:30-12:00 カフェで仕事

  • 12:00-14:00 ランチと最終観光

  • 14:00 帰路出発

このスケジュールで得た重要な気づきは、「移動日は思ったより疲れる」ということでした。初めは移動日にも多くの仕事を詰め込もうとしましたが、それは大きな誤りでした。ノマドワークで大切なのは、自分の体調と相談しながら柔軟に予定を調整する能力です。

予想される課題と対応策

試行期で多くの方が直面する主な課題と、その対応策を紹介します。

通信環境のトラブル

対策:滞在先のWi-Fi情報を事前に確認し、常にテザリングのバックアップを用意する

作業場所の確保

対策:「作業可能な場所」のリストを事前に作成しておく
実践例:じゃらんやトリップアドバイザーのレビューで「Wi-Fi環境」で検索すると良い情報が見つかります

集中力の維持

対策:「25分作業→5分休憩」のポモドーロテクニックを活用
実践例:カフェでは2時間以上の連続作業を避け、30分ほど散歩して場所を変えることで集中力が復活します

私は最初の試行期で、「アクセスポイントが突然切れる」というトラブルに見舞われました。その経験から、今では重要なミーティングがある日は必ずホテルの部屋で行うようにしています。失敗から学ぶことも、試行期の大切な目的なのです。

定着期(61-90日目)― 本格的なノマドライフへ

長期滞在の計画と実践

定着期の目標は「5泊以上の長期滞在を経験する」ことです。長期滞在では滞在コストを抑えるため、以下の方法が効果的です。

  1. ウィークリーマンションの活用(相場:5-8万円/月)

    • 自炊設備があり、洗濯も可能で長期滞在に最適

    • 契約時に身分証明書のほか、場合によって保証人が必要

  2. 割引プランのあるホテル(相場:4,000-6,000円/泊)

    • 7泊以上で大幅割引があるビジネスホテルを選ぶ

    • 朝食付きプランを選べば1日の始まりが効率的に

  3. 民泊サービスの長期滞在割引(相場:週単位で3-5万円)

    • Airbnbなどでは週単位、月単位の大幅割引がある

    • ホスト直接交渉で更なる割引が可能な場合も

私の初めての長期滞在は、静岡県の温泉地でのウィークリーマンション(62,000円/2週間)でした。キッチン付きだったため食費を抑えられ、洗濯も自由にでき、何より「生活感」のある滞在ができたことが大きな発見でした。

収入源の安定化と拡大

定着期で最も重要なのは「収入の安定化」です。私が実践している方法は以下の通りです。

  1. ブログアフィリエイト業務

  2. 請負業務の見積、資料作成

これらを組み合わせることで、月に15-20万円程度の収入を確保しています。年金と合わせれば、充分な生活水準を維持できるのです。


まとめ ― 90日後の新たな世界

「90日ノマドプラン」を実践することで、以下のような変化が生まれるでしょう。

  1. 仕事の自由度が大幅に向上

    • 場所にとらわれない働き方ができるようになる

    • 自分のペースで仕事と旅を組み合わせられる

  2. 新たな出会いと気づき

    • 各地で同世代のノマドワーカーとの交流が生まれる

    • 異なる環境での生活が新たな視点をもたらす

  3. 心身の健康向上

    • 日常から離れることでリフレッシュ効果が高まる

    • 各地の自然や温泉で健康増進

私が最初にノマドライフを始めた頃は、「本当にうまくいくのだろうか」という不安がありました。しかし、90日間の段階的なアプローチを経て、今では自信を持ってこの生活を楽しんでいます。

最初の一歩として、まずは「行ってみたい場所」と「できそうな仕事」をリストアップしてみてください。そして、3泊4日の短期滞在を計画してみましょう。その小さな一歩が、あなたの人生に大きな変化をもたらす始まりになるはずです。

60代からこそ、新しい冒険を始める価値があります。「90日ノマドプラン」で、あなたも働きながら旅する新しい生活を始めてみませんか?

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