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迷いから自信へ!1日1テーマで完成する定年後の私物語

はじめに

「定年したら、やりたいことをやるんだ」と思っていたのに、いざ定年を迎えてみると「自分は何をしたいのか、何ができるのか」がわからなくなる——。

これは、多くのアラ還世代が直面する意外な現実です。

長年の仕事人生で「会社員」や「〇〇部長」としてのアイデンティティを形成してきた私たちは、その肩書きが外れると、突然自分自身がわからなくなることがあります。

私も還暦を前にした頃、「これからの人生、何をして過ごすべきか」という問いに答えられず、焦りと不安を感じていました。

しかし、ある「1日1テーマ方式」の考え方を知り、自分の内面と向き合うことで、新たな人生の指針を見つけることができました。

今日は、定年後に「自分は何者で、何がしたいのか」を明確にするための1週間プランをご紹介します。

「1日1テーマ」7日間プランの基本原則

原則1:小さなテーマに絞り込む

多くの人が自己分析に失敗する理由は、「人生の目的」という大きすぎるテーマに一度に取り組もうとすることです。

その結果、膨大な考えや感情に圧倒されて、具体的な答えに到達できません。

このプランでは、「1日1テーマ」という明確な枠組みで、自分と向き合う時間を作ります。

1日30分、たった1つのテーマだけを考える——この小さな制約が、実は深い自己理解への近道になります。

原則2:「書く」ことで思考を整理する

頭の中だけで考えていると、思考はすぐに迷路に入り込みます。このプランでは、必ず紙に書き出すというステップを設けています。

研究によれば、思考を書き出す行為は脳の整理整頓を促し、新たな気づきをもたらすことがわかっています。

私自身、手書きのノートに毎日の考えを記録することで、それまで気づかなかった自分の価値観や関心事に出会うことができました。

原則3:判断を一時停止する

このプロセスで最も重要なのは、出てきた考えや感情を「良い・悪い」で判断しないことです。

「こんなことを考えるなんておかしい」「こんな趣味では人に笑われる」といった自分への検閲が、本当の自分を見つける障害になります。

アラ還世代は特に、社会的な「べき論」に縛られがちです。このプランでは、一時的に全ての判断を停止し、湧き上がる思いをそのまま受け止めることを大切にします。

1週間・1日1テーマの具体的実践法

月曜日:「過去の喜び」テーマ

ワーク内容
これまでの人生で「心から楽しかった」「充実感を感じた」瞬間を、年代を問わず思いつく限り書き出してみましょう。仕事、家庭、趣味、どんな小さな出来事でも構いません。

記入のポイント

  • いつ、どこで、何をしていたか

  • そこに誰がいたか

  • なぜそれが楽しかったのか

  • その時の自分はどんな気持ちだったか

私の場合、思いがけず「20代で挑戦した登山」「40代で担当した新人教育」「子どもとのキャンプ」など、人と関わりながら自然を楽しむ経験に喜びを感じていたことが浮かび上がりました。

火曜日:「得意なこと」テーマ

ワーク内容
仕事でも趣味でも、「これは自分が得意だ」と感じることや、周囲から「あなたは〇〇が上手だね」と言われたことを書き出します。

技術的なスキルだけでなく、「人の話を聞くのが得意」「段取りをつけるのが上手」といった特性も含めましょう。

記入のポイント

  • どんな場面でその能力を発揮するか

  • その能力を使うとどんな感情が生まれるか

  • その能力はどうやって身についたか

このワークで私は、「説明すること」「複雑な情報を整理すること」が得意であることに気づきました。

それは長年の仕事経験から培われたものでしたが、定年後にも活かせる貴重な強みでした。

水曜日:「好奇心のある分野」テーマ

ワーク内容
「もっと知りたい」「試してみたい」と思う分野や活動を、実現可能かどうかは考えず自由に書き出します。昔からの興味でも、最近気になり始めたことでも構いません。

記入のポイント

  • なぜその分野に興味を持つのか

  • その分野について何を知っているか

  • その分野に関してどんな疑問があるか

私はこのワークで、若い頃から関心があった「地域の歴史」と「写真撮影」への興味が、実は今も強く残っていることに気づきました。

これが後の活動方針に大きな影響を与えました。

木曜日:「大切にしたい価値観」テーマ

ワーク内容
自分が人生で大切にしたい価値観や原則を考えます。「健康」「家族との時間」「創造性」「社会貢献」など、あなたにとって重要なものは何でしょうか。

記入のポイント

  • なぜそれが大切だと感じるのか

  • その価値観に従って生きるとはどういうことか

  • その価値観を満たすには日常で何をすべきか

このワークでは、私にとって「学び続けること」と「誰かの役に立つこと」が非常に重要な価値観だと再確認できました。これが後の活動選択の判断基準になりました。

金曜日:「理想の一日」テーマ

ワーク内容
もし時間、お金、体力などの制約がなければ、どんな一日を過ごしたいか、朝起きてから夜寝るまでを具体的に想像して書き出します。

記入のポイント

  • 朝は何時に起きて、どんな活動から始めるか

  • 日中は誰と、どこで、何をしているか

  • どんな場所で、どんな環境で過ごしているか

  • 一日の終わりにどんな気持ちで眠りにつくか

私の理想の一日には「朝の静かな読書時間」「昼間の人との交流」「夕方の創作活動」が含まれていました。

この気づきは、実際の日常をどう組み立てるかの重要なヒントになりました。

土曜日:「試してみたいこと」テーマ

ワーク内容
これまでの5日間の振り返りから、実際に試してみたい活動や習慣を3つ選びます。実現可能な小さなものから、少し挑戦が必要なものまで、幅広く考えてみましょう。

記入のポイント

  • その活動は週にどのくらいの頻度でできそうか

  • 始めるために必要な最初の一歩は何か

  • 2週間続けたらどんな変化が期待できるか

私は「地域の歴史探訪と写真撮影」「近所の公民館での教室参加」「朝の15分読書習慣」という3つの活動を選びました。どれも小さく始められるものでした。

日曜日:「1ヶ月アクションプラン」テーマ

ワーク内容
選んだ活動を実際に始めるための具体的な計画を立てます。カレンダーに落とし込み、必要な準備や最初の一歩を明確にします。

記入のポイント

  • 各活動の具体的な日時と場所

  • 必要な道具や準備

  • 予想される障害とその対策

  • 1ヶ月後に達成したい小さな目標

私は日曜日に「地域の歴史探訪マップ作り」「公民館の講座一覧チェック」「朝の読書用の本3冊選定」という具体的な第一歩を決め、翌日から実行に移しました。

実践後のフォローアップ

この1週間のプロセスを経て、自分の内面と向き合った後は、実際に選んだ活動を2週間試してみることが重要です。

試してみると、予想と違う感覚が生まれることもあります。それもまた、自己理解を深める貴重な情報です。

2週間の試行後、再度ノートを開き、「実際にやってみてどうだったか」「何を感じたか」「続けたいと思うか」を記録しましょう。

この振り返りが、さらなる自己理解と活動の調整につながります。

私の場合、地域の歴史探訪が予想以上に楽しく、地元の歴史研究会に参加するという思いがけない展開に発展しました。

今では月に一度の街歩きガイドとして活動し、新たな人間関係と充実感を得ています。

おわりに

定年後に「自分は何者なのか、何がしたいのか」という問いに答えるのは、決して簡単なことではありません。

しかし、この「1日1テーマ」の1週間プランを通じて、自分自身と丁寧に向き合うことで、新たな可能性が見えてくるはずです。

最も大切なのは、完璧な答えを求めすぎないことです。人生は常に変化し、私たちの興味や関心も変わっていきます。

このプロセスは一度きりではなく、半年や一年ごとに繰り返し行うことで、自分自身の変化や成長に気づくこともできるでしょう。

アラ還世代の私たちには、若い世代には無い豊かな経験と知恵があります。

その宝物を掘り起こし、残りの人生をより充実したものにするための第一歩を、今日から踏み出してみませんか?

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