成人式と夢
今日、というかもう昨日は成人式だった(正確には「二十歳を祝う市民の集い」)。今や成人年齢は18歳だけど10年前はまだ20歳だった。だから、小学4年生・10歳のこの時期に「二分の一成人式」なるものがあった。この時、将来の夢を書いた記憶があるが僕の夢はプロ野球選手になるというものだった。けどその夢は怪我などで叶わぬものになり、たまに夢で野球が出てきても決まって肩が痛くなって覚めるというものだったしそもそも夢ですらプロのマウンドで投げてる夢は出てこなかった。けど、成人式当日の今朝ほんの少しの間だけ夢は僕をプロ野球選手にしてくれたのかもしれない。
気がつくと夢の中の僕はナゴヤドーム(現バンテリンドームナゴヤ)のマウンドに立って、(おそらく)同点の8回のマウンドに立っていた。キャッチャーは谷繁、ファーストはウッズ、セカンドは荒木、サードは森野だったような気がする。
全力で腕を振っても不思議と痛めているはずの肩が痛くも痒くもなかった。簡単に2アウトを取り、その後(多分)平野にセンター前のポテンヒットを打たれて盗塁されて2アウト2塁のピンチを作ったけどなぜかラミレスをサードゴロに抑えて無失点でマウンドを降りたところで目が覚めた。サードゴロに仕留める直前に投げたフォークボールは人生で投げたどの変化球よりも指にかかってよく落ちたボールだった。
夢から覚めた瞬間、僕は今しがた起きていたことが全部夢だったことを悟った。でも不思議と嬉しかった。
もしこの世界に神様が居るとしても、神様は基本的に意地悪だと思う。現実世界の僕は1球全力でボールを投げるだけで我慢できないくらい肩が痛くなるし、その前に体が自然にブレーキをかけて全力で投げることすら出来ないのだから。そして僕はそれを望んだわけでもなくたった1球で背負わされたのだから。でも、二分の一成人式で願った夢を成人式本番の朝にほんの少しだけ叶えてくれたのは神様が居るからなのかもしれない。
夢を記録に残したりして覚えていることは良いことではない、と言われることが多い。現実僕も見た夢のほとんどは覚えていないし、別にそれに対して何とも思わない。でも、今朝見た夢だけはどんなに不都合になろうとも覚えていたいものだと思っている。成人式当日の朝にそんな夢を見たのは偶然かもしれないし、自分のあまりに強すぎる思いが捻じ曲げて見せた夢かもしれない。でも、偶然だとしてもあまりにタイミングよく夢を叶えてくれるのだとしたら夢も悪くないものかもしれない。
大分お酒入ってるし、夢の中身も少しずつ忘れかけてるけどほんの少しだけでも夢が叶ったということをどうしても残したかった。こんな僕ですがこれからの僕をどうかよろしくお願いします。