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MIRROR ”VOICES” INTERVIEW             (前編)


17年振りの2ndアルバム発売を記念して、メンバー全員に話を聞いてみましたが、
まさかの3万文字となってしまったので前後編に分けてお届けします!食らいやがれ!

最初持って来られたモノを聴くと、第一印象は正直何もわからない笑 やっぱリフの嵐だし展開は多いしで聴いた時に「これどうやろうかな」って大体なるんですよ。(磯貝)


藤本(SHTNR)

まず、本作の制作には約4年以上掛かったわけですが、前作から約8年、アルバムとしては17年振りと超ロングスパンなセカンドアルバムとなりました。バンドのヒストリー等は是非付属のZINEを見て頂いてと割愛しますが、 制作そのものはパンデミック、コロナの影響やメンバーそれぞれの環境の変化とか、そもそもバンド活動自体が止まっていたり停滞していたって部分もあり、そんな中で最終的に完成させた訳で、ZINEの中でも音楽とメンバーへの感謝の気持を表現されてましたけども。あとは先般のヴィレバンのインタビューでも色々と3人はおっしゃってましたが、今回は特に磯と福ちゃんにその辺についてどう思ったのかなって言う、曲作りは木元っちゃんと森くんの2人で作るんだけどろうけど、それを肉付けをして行くのがリズム隊の2人なので、どんな風に思いながら当時過ごして、スタジオ入る入らないとか、この曲が出来たからこれにベース入れてとかドラム付けてみたいな、どんな風に進んで行ったのか、まずは2人の話を聞きたいなと思います。
 
磯貝(Ba)
ベースって事に関してだと、正直に言うと指定とかは無いので、作曲者側からドラムはこんな風にってのは凄い毎回何かあるのかなって?思うんだけどベースに関してはほぼ無い。で、どちらかと言うと森くんがリフに対して「コードはこうですね」って付けて来て、その中でやれば特に何も言われない感じでやらせてもらってるかな。

森(Gt)
コードとリフを書いた表をまず1番初めに作って木元さんに送って見てもらったら、それを直ぐ磯貝さんにも送るっていう役割をやってましたね。

磯貝
最初持って来られたモノを聴くと、第一印象はね、正直何もわからない笑 やっぱリフの嵐だし、展開は多いしで聴いた時に「これどうやろうかな」って大体なるんですよ。でもってスタジオでバって出来ないからあまりにも複雑なんでコード譜を見て、それを見ながら結構家で頭を捻って付けるってのが最近の流れですね。で、その中で好きにやらせてもらっているので自分として何かテーマを作って「この曲はこうしよう」って自分の中で展開がいまいちギターだけだと見えづらいところを、ベースを付けたらもうちょっと展開が見えるようにしよう、みたいなのは意識してやっているかもしれないですね。

藤本
緩急のコントロールというか、その曲のフックの部分でベースを足したり、

磯貝
ここで言ったらもうちょっとこう、シンプルに聞こえる部分と複雑に聞こえる部分と、メリハリを付けるイメージを持ちながら作っているかな。

藤本
なるほど。うん。

磯貝
ただ仕上がって聴いた感じがそうなったなって思うだけなんだけどね。


特に「Fight For Fools」とか「Cross Connection」とかはローのオクターバーを入れたり、ワウフィルターを入れたりみたいな感じで、かなり攻めたアプローチをしましたよね。

磯貝
そうだね、そこはあれかな、コロナ化中にスタジオ入れずバンド活動が止まっている中のストレスを全てペダルにぶち込んだ結果、 ペダルを買うのが楽しくなったんでちょっとそれを足してみるって、このMIRRORって形の中に落とし込むのアリかなと思ったので、あえて結構踏んでるってのはあるかもしんない。

藤本
曲作り自体は、パンデミックの時はデータの?

磯貝
やりとり。データのやり取り。

藤本
なるほど。この時のドラムはリズムマシーンとかなの?

木元(Gt)
入って無いかな。入ってても本当に手打ちとか、森くんにとりあえずここ8(ビート)でとか、

藤本
ドンタン、ドドタン入ってるみたいな?

木元
そうです、昔の歌謡曲みたいな感じ。ビートパンクみたいな感じです。

磯貝
結局ドラムのアクセントが結構ギターリフに寄るので、そこを意識しておくと、そんなにはズレない。

藤本
磯が先で、その後に福ちゃん?

磯貝
曲によるかな。もうベーシックなものがギターは2人で森くん家に行ってやり取りをしてるので、そこに対して打ち込みが入ってる時はギターのリフを意識しておくと最終的にドラムとそんなにズレないから。逆に先にドラムが付いて来た時はそれを聞いて「じゃあ、ここはアクセントあるから」とか、あとはそのギターに合わせてどういうフレーズを弾いてくか。あとはさっき言ったみたいにゴチャっとしてる風に聞こえる部分をベースを入れて、もうちょっとこう、抑揚を付けるかみたいのを意識してやってる感じかな。

藤本
ありがとうございます。福ちゃんはどう?

福山(Dr)
大体あれですよね、木元さんとの付き合いも長いので、木元さんが持ってくる原曲に関しては俺が出来る事の範疇内のリズムパターンとかである程度こんな感じってのをバンドの例を出したりとかして注文してくれて、それに対して自分なりに少し、やっぱ手癖が出ちゃうんですけど…、でも今磯くんが言った通り、ベースに関しては、まさに俺が結構木元さんの、森くんもそうですけど割とそのアクセントがギターに寄っちゃうって部分を磯くんがわかってるからそれにこう自然とスタジオ久しぶりに入って、考えて来た事ってそんなに見当違いな事をお互いがやってるような事もなくて、だから逆に想像の範疇内に収まっちゃう部分もあるのかもしんないです。あと森くんが作ってくる曲の方が注文がある程度具体的に、デモがあったりとかもするんで、あでも最近木元さんもデモ作って、森くんと一緒にやったりしてるんで、また少しずつ今後変わって行くのかなって感覚ですけど、あまりドラム単体で僕のこだわり処ってのは、あまり、藤本さんもご存知の通り笑

藤本
んな事は無いけどね笑

木元
うん、こだわりがないのがこだわり!

福山
て言う感じですかね。でも、意識としてこう前に出てった感覚、ちょっと語弊があるかもしれないけど極力ギターが前に出るギターインストみたいに言われる事の方が圧倒的に多いので、 そこを邪魔しないように、くらいの感覚はありますね。こだわりが有るとすれば。

藤本
でも福ちゃんのドラム聴いたらすぐわかっちゃうなって、こう言ったギターの絡みのバンドは他にもいっぱいいるんだけど、本質的に違うのってやっぱりリズム隊のバラエティの豊富さとか、そこが凄く特出してるのがMIRRORなのかなって思う。

福山
バラエティの無さが売りかなと思ったんですけど笑

藤本
いやいや、MIRRORが好きだと公言している同じインストポストロックバンドも聞いたりするけど、確かにギターは同じようなリフがあったりとかするんだけど、圧倒的にリズム体が違うよなと思って。

木元
おそらくそう、僕も最近色々と日本の若手インストの話を聞いて、リズムとかアクセントパターンとか、その手数とか、何を鳴らすかってところって、 おそらく影響としてはtoeとかからインスパイアが来てて、MIRRORはどっちかってそこじゃないところから始まってるじゃないですか。だから多分今の若い人たちってか、若い人たちとかって言い方も良くないんだけども、そういうバンドって柏倉くんとか、本当にもうThis isセンス!って感じのドラムで、やっぱ模倣やコピーとか絶対してるはずなんですよ、聴いてるし。で、 福山はどっちかっていうと、永遠のドカドカを、

藤本
だからこそのガチャるってところが、

木元
そうそうそう、本当に、

磯貝
個人的にはギターのインストなのかもしんないけど、ギターを食うつもりでベース作ってるから。

木元
そう、だから俺はなんか磯貝くんってベーシストなんだけどもかなりフレージングが多いし、その隙間を縫ってこう入って来るフレーズを凄くうまく作ってくれるし、うねりも作るし、本当にベースっぽいベースって言うか、ボトムでずっと行くようなものって言うその押し引きとか掛け合いが、本当に何も言わなくてもやってくれるから、多分1番我が強いんじゃないかと笑


磯貝さんって元々1番初めってベースからなんですか。ギター?

磯貝
ベースからよ。
 
藤本
まぁ3cmtourとかやってて、あそこのギター2人も特殊だからね笑、それで隙間を縫って行くって、そっからなんじゃないですかね?

磯貝
あ、うん。なんか4つで音をちゃんと作るっていうのは、多分3cmtourで、

藤本
しかもドラム殿下(ATATA)だし。

全員
そうそうそう。

磯貝
あとはやっぱり、普通にルート弾いてるだけじゃちょっとMIRRORでやっても面白く無いなって思う部分でもあるから、 敢えて1回全部詰め込んで、自分で間引く。

木元
なので、リクエストを出すのはよっぽどで「ここはなんかちょっと腰に来る感じで」とか「ボトムでちょっと弾いていて」もらいたいなとか、 音的にも「ここはなんかぐっと堪えて」じゃないけど「平たい方が良い」とか、本当に思った時だけ。もう部分部分で。それ以外は、

磯貝
お任せみたいな感じ。

木元
そして福山に関しては何も言わないです。

磯貝
いや、言ってると思うけど、こんな感じって笑

木元
でも、腑に落ちてない顔してる時はそれ以上言わない。

藤本
やばい、想像できる!

「Cross Connection」は本当に今でも手探りで、フレーズとかじゃなくて全体像、 多分良い意味で共有出来てない様な気もしながらやってるって言うか。まさにそれがフワフワ感が出てて良いのかなって、特に練習中は思いますけど。(福山)



でも逆に後半の曲はもうスタジオに入れ無いってなってから出来た曲だと思って、例えば「MISATO」もそうだし「Cross Connection」なんてスタジオで最終的に1度も完成しなかったんですけど、ドラムだけ録ったんですよ。ドラムだけ録ってとりあえずこのAの展開とBの展開とCの展開録っておこうねって言って「でもこれはプリプロなんで~」みたいな感じでやってたのを、それがなんと、

藤本
それが本チャンになった。


それが本チャンになりました。なので実は福山さん的には「これ後で録り直しさせてね」って言ってたんですよね。スタジオで練習に入った時に、「この曲どういう気持ちでやったら良いか全然わかんねえって」笑

木元
「Cross Connection」に関しては、誰も俺の思いを理解してない。なんかね、俺はずっと80年代とか90年代のトレンディドラマのオープニングシーンみたいなのを脳裏に焼き付けながら、


そうだ、初めは「京浜湾岸あぶない刑事」ってテーマで、ちょっとギターのフレーズは半音下がりのフレーズとか、木元さんのギターもちょっと半音でこうクリシェで下がって行くようなフレーズなので、だからコード合わせるのすっごい大変で、ベースのコードとかもすごい細かいし「こ、こ、こ、こうで、すいません、これだけはこの音だけで弾いてください」みたいな感じでお願いをしたっていう。

磯貝
なんでこんな展開が多くて、展開が毎回違うんだろうと思いながら、


拍がちょっと一拍違ったりして、でもわかると「なるほど」だからここはこうなってるんだって言うのを、書くとわかるんですよ。

磯貝
うん。最初パっと聞いた時、マジ理解ができない。


そうですね。うん。

藤本
曲が出来る毎ってか、詰め込み具合がエグ過ぎて来てるような気がするんだよね。
 
木元
多分それ、最初僕がギター弾いてて「これいいじゃん!」ってなるんですけど、コロナ禍の時めちゃめちゃギター弾いてたんです。多分1日長いと7、8時間とか弾いてて、そうするとなんかギター弾くのがやっぱり今人生で1番弾いてるなぐらいの感じで色々面白くなって来て、もしかすると新曲にはなんか入っちゃってるかもしんない笑

藤本
これからはツアーやライブも始まって来るわけですけども、それに向けてのリハも、もう入ってるんですか?


先週も入って、リリースしてから2回目なんですけどね。練習を月1ぐらいでやって。

藤本
なるほど。じゃあ福ちゃんもこんな気持ちで「MISATO」を叩くみたいな感じで大丈夫ですね。

福山
でも「Cross Connection」は本当に今でも手探りで、フレーズとかじゃなくて全体像、 多分今日は良い意味で共有出来てない様な気をしながらやってるって言うか。まさにそれが

木元
混じり合ってるよ。混じり合って、

福山
でもそれがまたフワフワ感が出てて良いのかなって、特に練習中は思いますけど。

木元
前回のスタジオの時は、その前のスタジオよりもちゃんと叩いてた。

福山
単純に覚えやテクニカルなとこはそうかもしんないですけど。でもあの曲はそう言う感じで良いのかなって思ってます。
 
木元
うん、いいよ。なんかそんな洗練されたアレじゃなくて。

福山
そう、だからこんな感じでやって、あれ、何の話でしたっけ? 藤本さんの話がなんでしたっけ笑

磯貝
これからスタジオ入って、

木元
ツアーに向けてっていう。

藤本
でもリリースツアーって、大体その曲を馴染ませるツアーみたいな部分も、こんな言い方するとあれですけどね、ファイナルに向けてみたいな。

木元
ファイナルに間に合わないパターンもあります。

磯貝
よくわからないまま終わるっていう。


でも本当に純粋な新曲って、それこそ「Cross Connection」と「MISATO」位なのでその辺ポイントさえ押さえればなんとか。あと「BOTE」とかもそうだけど、あれは短いんで。

藤本
もうテンション曲だからね。

磯貝
この間福ちゃんとスタジオの途中で話したけど、レコーディングを経てベースのノリ方を変えた曲とかあるから、そこの戸惑いは福ちゃんは凄い有るかもしんない。

福山
そう、なので今まであまり新曲メインでライブやったりとかも必然的に無かったので、多分レコ発自体凄くちょっと違くて、ずっと見てくれてるお客さんとかからしてみると、すごい違う緊張感とか、セットリストとかも色々やってみようっていう話も出てますし、色んなパターンで前よりはバリエーションが増えるような感じで、曲の種類だけじゃなくてちょっと新鮮な感じになMIRRORになるのかもしれないなって気がしますけどね。とにかく新曲やったりするタイミングも、だって「MISATO」も「BOTE」もやったことないですしね。ライブで。

木元、森、磯貝
「BOTE」はATATAとの時やってるよ!

福山
だからもうそう言うレベルって事です笑

磯貝
「Cross Connection」もやってないね。あ、全然違うアレンジでコロナ前にやったか。

福山
うん、とにかく良いフワフワ感が出ると思う笑 それはまたツアーって感じで言ってた通りやって行きながら鳴らして行く感じが良いのかなと。

個人的にその当時は一生懸命作ろうって気持ちもあったんですけど、最後の方はもうとにかく「機が熟すまで待つのが良い」って形で誰かが頑張るとかじゃなく、テンションや全体的に雰囲気が上がって「ここだ!」ってなったところまではとにかく待った方が良いのかな?ってのがあって。(森)


藤本

ありがとうございます。続いてZINEの要約にもなっちゃいそうですけれども、今回のアルバム制作の始まりって2016年12月25日に森くんが「ポストロックの金字塔になるアルバムを作りたい」ってtwitterに投稿したことから始まったと聞きました。ある種の決意表明的なね。その後アルバム制作に向けてじっくりと取り組む事になったわけですけれども、そう宣言してからの制作に対しての困難とか、それぞれの生活や仕事とかでの影響で、これ本当に調整面倒臭かったよなとか、こう言う事があって途中で頓挫しましたとか、 この部分すごい難産だったとか、意外と曲が全然詰めきれなかったとか、何かそんなトピックがあれば教えてください。


基本的には全部ですね笑 個人的にその当時は一生懸命作ろうって気持ちもあったんですけど、最後の方はもうとにかく「機が熟すまで待つのが良い」って形で、誰かが頑張るとかじゃなくて、テンションや全体的に雰囲気が上がって「ここだ!」ってなったところまではとにかく待った方が良いのかな?ってのがあって。 そのきっかけをもらったのが、ATATAとのツーマンに2年連続でマサシさんに呼んで貰ったってのもあったんですけど、それがあって「良し、ここだ!」って言ったところで多分一気にやらないと無理だと思いましたね。あとは状況的にちょっとずつ、少しずつ進めようって言うのは無理だろうなと思ってました。やっぱりスタジオ入るのも大変そうだったしそんな中で正直アルバム制作は無理だろうなって思ってました。無理なんだろうって思いながらちょっとはやってたんですけど、その中で頑張り過ぎなかったと言うか「出来ない時は出来ないままで、とりあえず今は待っとこう」みたいな感じの気分であったとは思います。

藤本
それはお尻というか、ゴールを全く決めずにやってたっていう感じ?


毎年「今年はやるぞ」って言ってましたけど。

藤本
漠然と言ってた状態ですね。「今年の12月31日までに!」とかじゃなくて、漠然的に今年作ろうと。


という感じです。で、ライブをやって「よし、じゃあ作ろうね」って言ってから、ほら、次にスタジオ入らなくなると「あれ、あの話どうなったっけ?」みたいなところにどうしてもなっちゃうって言うのがね。

木元
よくある閉店売り尽くしセールをずっとやって「なんか閉めねえんだよあの店」みたいな。

福山
でも、凄いしっくりくるかも。


うん。サカゼンが閉店したと共にアルバムが完成。

福山
実際の作業とかはもう出すって決まってからみんなそれこそやって頂いて、俺なんてほとんどなんも手伝えてなくて。でもゴールが見え始めたら急に駆け出し始めた感じで、

藤本
ゴールが見え始めたきっかけって何かあるの?

磯貝
去年のATATAのライブで2曲新曲が出来た事だと思う。「MISATO」と「BOTE」。あの2曲がポロポロっと出来た。もう「やろう!」って逆にライブに新曲としてその2曲をやろうって決めて出来た。と言うのが多分アルバムをレコーディングしようってなった1歩で1番の理由かと俺は思う。で、それであと「Cross Connection」作ったら10曲なんじゃん!って。まずこの2曲が出来ていなかったらまだアルバム自体出来ていない気がする。

藤本
なるほど。そういうポイントだったんですね。

福山
結構2曲で曲の作り方もちょっと変わった気がするって言うか、今後あまり変に煮詰め過ぎなくなれるんじゃないかなって気がする。

木元
細かいこだわりってどうしてもバンドだからあるじゃないですか。長い事やってるし。でも2曲に関しては練らなかった。変に練らないしこねくり回さずに基本の味付けこれで良いんだから、これでそこそこうまいんだから「とりあえずこれを1回形にしようぜ」ってところをやった感じですね。で、それで「これ以上細かい何かって必要かな?」みたいなやり取りした記憶があんだよね。「いや、これでいいんじゃない?」って言う風に結構みんな腑に落ちた感じがあって、じゃあ、余計な事はもうしないで行こうと。

福山
ペースが上がる事の方が楽しいなってなりましたね。周りからの評価がどうかってのは、そもそもライブも音源も少ないし、だから自分たちで評価出来るか出来ないかって言う事ばっか向いちゃってたのが割とそこかなと。良い意味で力が抜けたんじゃないのかなって気がしますけど。

藤本
いろんな意味で曲の作り方の事もそうだし、その作ったものに対しての考え方も変わるし、

福山
そうしてみないとわからない事をずっと悩んでるって感覚が割と森くんなんか元々そんな感覚で見てたみたいですけど、やっぱやってる当事者の感覚がそこに本当の意味で寄れないって言うか、評価される場所が無いから、自分たちだけで煮詰めちゃうみたいな、受けた方がとりあえずそうでって言う喜びの方が大きいのかなって言う方に多分バンド全体の雰囲気が向いたから、それで途中からは早くなったような気がしないでも無いですけど。あとはもうね、当然藤本さんたちの手助け有きです。


でも、そのスタジオワーク神話じゃないけど「バンドで集まって話してみんなで音出して曲を作る」こそバンドであるってのは、やっぱり若い時にはあって、スタジオに入れなくなった時に「入れなくなって、じゃあバンドをやらなくなるのか」ってなったら、そういう訳にはいかないって形で、かなりシフトチェンジしたんじゃないかなと思うんですけどね。だからデモを作って、録ってとか、コード表書いて、入れる回数は限られてるので、出来てきた素材とかコード表とかデモに対して1発勝負なんですよね。その時にこれ持ち寄って「これこうなんだけど」って出して「じゃあこれでやるしかないよね」ってあと1、2回しか出来ないからって形の時に、みんな集中して、ある程度ちゃんと練ってそれぞれが持ってくるみたいな感じじゃないと間に合わないっていう状況を敢えて~、になったのが逆に良かったのかもしれないですよね。

藤本
大人なりの諦めが、諦めって言い方は違うな…、


いやでも、そうだと思います。

木元
俺が思ったのは、例えばラーメンをみんなで食ってて、そこそこ俺うめえなと思って食ってるので「うまいじゃん」って言ってんだけど、なんか横で首傾げて「いや、俺もう少し、なんか…いや、ちげんだよ、何か足りねえな」みたいな、「奥行きがさ」とか、「立体感がさ」みたいなのが、たかがラーメンされどラーメンだけど、ラーメンにそこまで首かしげながら食ってるヤツとか見ると「こいつ何に幸せ感じんだろうな」って思っちゃうわけですよ。だからそう言うのってバンドの曲で言うと、この1杯にかける情熱みたいなのが重すぎるとなかなかみんなが満足行くラーメンが出来ないじゃないですか。だから最低限「まぁまぁ旨いよね」って思えるようなものをまず作ることが大事で、多分曲で言うと例えばその曲をスタジオででもライブででも、3~5回合わせりゃ多分もうMIRRORの曲になっちゃうんです。誰がなんと言おうと、良い悪いじゃなくて、でも俺ら一応納得してないものは人前で演奏はしないし良しとはしないって言う、ある程度のハードルがある中で、 一応ここまで出来て「じゃあとりあえずこれライブでやろうよ」って言う時には一応それなりにある程度は満足してるというか、 納得してる状態のものだと思ってやってるつもり。だからどんな状態であれとりあえず「やっちゃおうぜ」みたいな「食わしちゃおうぜ」みたいな感じのアレかなってのは、なんか思いながらやってました。


その違和感を整理整頓をしない、あえて違和感があった時に「自分はこれは違和感があるな」って思う時に、それは違うって言うと、自分が咀嚼出来てなかったのか、本当にダメだったのかが判断が出来ないので、違和感がある時に「これは違和感が有るって俺は言わないようにした」。言わないと言うか、基本的にしないようにして、慣れて行くと言う事をちょっとやるようにしたんですけど、そうすると「あれ?別にこれで良かったじゃん」みたいな風にもなるし、逆に「このアイデアは出て来ない」とか、「この絡みは出て来ない」みたいなのは、むしろその方が良いかなと言うのがあるので、逆に熱心だとそれが「違和感がある」とか、「それ違う」とかにやっぱなっちゃうじゃないですか、バンドで。

木元
でも森くんも口に出さなくても顔に出てるよ。思いっきり笑


本当ですか!? 正直、違和感はあるって思いながら、多分そのうちリセットされるだろうって思いながらやってるんで。

磯貝
俺、森くんにレコーディング当日にすげぇベースライン修正されるんだよな。「この音程、ここの音は入れないでください!」って。
 

いやいや、ごめんなさい!それはマイナーとメジャーの切り分けをちょっとさせて合わせないといけないんで、そこだけはちょっと、

木元
そこだけはしっかり、


そこだけはしっかり!

磯貝
そこの違和感は気持ち良いと思ってやってるものを、こう、


すいません!ちょっとそこはマイナーの3度じゃなくてメジャーの3度なんすよ、みたいなのは、ちょっとそれはあります、はい!

藤本
大人の諦めってさっき言っちゃいましたけど、逆に言うと、大人の協調性、調和がこう育まれてるって言う様な

木元
諦めですね。


17年目の諦め。

木元
調整という名の諦めで、

福山
かけた時間に良さが比例しないんだなってわかったって感じですかね。

木元
そうそう、それだね!

藤本
ちょ、身も蓋もないこと言わないで!


いや、でも本当にそうなんですよね。特に歳取れば取るほどそうだと思います。

藤本
なかなか追い求める理想がね、どんどんこうデカくなって行くってか、なんだろう、ラーメンも色んな味を知ってるからね。故にああでもない、こうでもないって言い出しちゃうんだけど、それはキリが無いよって言うのもわかってんだけどもね、

木元
基本しょっぱきゃうめえだろ。みたいな。

藤本
どうせハイミー入ってんだろ?みたいな。

木元
ハイミーが好きなんだよ!みたいな。

福山
結構「BOTE」なんて本当に時間が掛かって無いと思うんですけど、 でもあんなにインプレッションもらったのは「BOTE」だからってのもあるのかなって思ったりしちゃったんですよね。その曲が1番良いとか悪いとかじゃなくて、時間めっちゃ掛かってないんで。

木元
あれ、スタジオ1回で出来なかった?

磯貝
元ネタはあったからね。

木元
だけど、なんか合わせるのも、何年振りだったとかで。

プロデューサーと言うか広い意味で「どんなアルバムにしようか」ってのを1番真面目に考えてたのは多分磯くん。(木元)



曲を作るとか作品を作るって事においては、ちょっと若い頃はクリエイティビティとか創造性だみたいに思ったんですけど、違ったなと。そうじゃなくて、制約だと。実はイメージとかクリエイティビティがこう落ちてくるのって、制約があったから曲になってるって当たり前の事なんですけど、若い頃の制約ってのは出来る事が少なかったっていう制約だと思うんですよ。で、年取って来ると出来る事は多くなるんだけど、時間が無いっていう制約があって、その制約に落とし込まれても結局曲が出来上がったって言うような、 なんて言うかこう、空気中の気体がこう冷やされてバッと固体になったりとか水になったりする感じと同じで、結局どこに制約を持たせられるかってのが、どういう作品になるかって事になるんだなと思って。それで最近はレコーディングやる時とかも「1時間2,000円ですから」って必ず言うんですけど、それはその時間とお金の制約をつけさせる、相手につけさせるって言う意味合いがあるんですけど、そうやって冷めさせるってか、相手をある意味ホットなところを冷めさせて、凝固させて作品に落とし込ませるみたいな制約が逆に作品を生むのかなって思い、ちょっとこれは自分の意見ですよ、だから作る時は当然そのクリエイター側はホットだし、イメージをワって広げたいってのはあるんですけど、それを受け皿の側はどちらかと言うとそれをこう凝固させないといけないので、 ある意味制約を枠を誰かが作ったりとか、制約を設けてあげないと冷やしてあげないといけないとなんかそういう役割をして初めて作品が出来るのかなって。で、それが若い時は知らないうちに単純に出来る事が少ないっていう制約があった事に気づかなかっただけなのかもってのがちょっとありますね。

木元
今森くんが言ったような事って、ちゃんとした、違う、うちらがちゃんとしてないわけじゃないんだけど、ちゃんとしてないんだけど笑、バンドだったりとかちゃんと活動してるとこだと所謂それがプロデューサーだったりアレンジャーとか、多分そういう曲としての骨組みだったりとか箱だったりとか、そう言うのをどう作るかって言葉悪いけど制約ってものを契約とか、良い風に言っちゃえばベクトルだよね、ベクトルでここまでのこう言う事をやろうって、あれも目標を決めてこんな形でってのを決めるのが居れば多分良いんだろうけど、残念ながら我々の周りにはプロデューサーっていうものが特に、


アーティストモードになると、本当にタコ、糸の切れたタコなんですよ。本当に風でボーっと飛んでどこ行くかわかんねえみたいな感じになるんで、 それにちゃんとタコ糸をこうつけて、こう引っ張って、で上がったらこうタコ糸を離して、みたいな事をする気持ちを持たないと、作品に落とし込まれる事は無いって、ほとんどイメージは膨らむんだけれども、っていう状況はあるあるかなとは思いますがそれは自分が他の人の作品をやってて思います。

藤本
ある種レーベルも一緒だからね。制約やお尻を決めるとかね。「だからここが締め切りですよ」とか、ライブを決めるから「ここまでに返事くださいよ」って事も1つの制約。


なのでミックスしてる時に藤本さんの顔が浮かびましたもんね。藤本さん困ってんだろうな、工程遅れると困るだろうなって。やっぱ制約は自分の中ではかなりあったんですよね。 結構ちょっと急がないとな、みたいなのはやっぱり逆にそれが作品に落とし込まれるのは間違いなくありました。自分たちだけで制限なくって言ったら、 いつまでもイジったと思います。ホントに。

木元
でも今の話の流れだと磯貝くんも色々言いたそうだったけど、磯くんが結構そのプロデューサーと言うか広い意味で「どんなアルバムにしようか」ってのを1番真面目に考えてたのは多分磯くん。

磯貝
性分でしょうね笑

木元
多分俺と福山はそんな考えてない。

福山
考えて無いっすね笑 考えて無い訳じゃないですが欲望のみで。

木元
そう、だから磯くんがみんなでチャットでやり取りしてる時も「どういう風にしようと思ってるか?」みたいな提言というか、サジェスチョンを1番最初にして来たのって、磯くんだったじゃん。 俺は「おお、なんかこれ、ガチモードじゃないですか!」と。


磯貝CEO、

木元
そっからCEOに呼び名が変わったと、

藤本
なるほどなるほど。磯はどう?その辺の制約や。

磯貝
そういう意味だと俺は制約っていう言葉を使いたくないんだよね。いや、変な言い方するとこんな活動の仕方してるって、これはある意味自分の好きな音楽をやるやり方としては理想の形だと思うんだよね。例えばメジャー行ったらそれこそプロデューサーだのディレクターだのが居てそんな世界で俺はそれが制約だと思ってて、今の環境で音楽をやるって事は極論言うと確かにおっしゃる通り、何かしらの締め切りだの何かをつけないと延々とやり続けるよってところはあるかもしんないんだけど、ある意味それは制約ではなくて自分たちが今出来る事の限界値って言ったら言い方おかしいかもしんないんだけども、そう言うのが分かって来てる中で自分たちの活動のペースで「この中でこんな事やりたい」ってところの折り合いのつけ方が凄く出来る様になって来ただけなのかなと思うの。制約の中で自分たちが「何が出来るか」のその中で自分たちが出来る最大限の力って「どういうやり方なのか?」ってのを、こう出来る様になって来たって1番のその制約があった。そして俺らが1番この活動やってる中で1番大きかった制限ってコロナだと思うんだよね。やりたい事も出来ない、スタジオも入れない、あれが無くなって出られるようになったじゃんってなった時に、じゃその1番しんどい制限が外れた、じゃ今ある俺らの制約の中で出来る事の中で、こんなやり方ってのを出来るようになった、だからそんな意味で言うと、コロナがあったのは本来良くないんだけど活動の考え方とかスタンスの考え方ってとこで、なんか1個変えなきゃ勿体ないせっかく出来る様になったんだからもっとやんないと勿体なくない?ってのはあったのかなと思ってて、そんな意味で言うとそれをちゃんと届ける方法って「どうアウトプットしたいんだっけ?」って俺は「どう言う風にこの作品を届けたい」「どう言う風に伝えたいと思ってんの?」みたいなとかってのは結構言ってたのかも。
 
木元
だから凄くそう提言してくれた時に、なんか背筋が伸びました。

エレキギターすら触ってなかった。本当に半年ぐらいかな。更に一時期パソコンすら触らない生活をずっとしてたって事もあって、スマホもほとんど見なかったし、MIRRORのライブの誘いをfacebookで来てるのも全然気づかなくて、それぐらい普段の生活じゃない事をして、完全にリセット出来たんですよ。(森)


藤本
いや、実は次の質問がホントにそれで笑 個人的な背景としてもね、それぞれみんな音楽への情熱とか当然あると思うんですけど、バンド活動自体における成長と経験ってなんだと思いますか?言うてもねみんな本当に中年の4人で、そもそも仕事を持ちながら忙しい日常の合間を使って狭いスタジオで試行錯誤しながら曲を作ったりしてるのを想像すると、実はそれって凄い非効率とも言えるプロセスなんじゃないのかなって思う部分もありますが、その辺ってなかなか一般的にも理解されづらいって感じで、この辺は逆に皆さんどう思われますか。っていう質問しようと思ってます。

福山
コロナがあって出来ない事へのフラストレーションみたいのが、俺は逆に無かったんですよね正直言っちゃうと。音源も出さないけどとりあえず1週間に1回スタジオ入って、で明確に生産性を上げて行く方法とかも全員シェアして、こんなやり方が良いみたいな話もそんなには出なかったと思う中で、空中分解じゃないけど、なんかなしくずし的に出来なくなってスタジオとか本当入れなかったんですけど、その間になんか良い意味でリセットされちゃって、バンドに対する感覚が結果として今振り返ればなんですけど、その間に家庭が忙しくなったり、仕事が忙しくなったりとか、色々あると思うんですけど、私自身もまさにそうで本当にあれですよね、難しいな、俺はそんな感じですかね。ずっと出来なくてフラストレーションがめっちゃ溜まってて、色々クリエイティブにこんなドラム叩きたいとかこういう曲やりたいとかそう言うのを考えた時間とかってのはあんまりなかったので、逆にその前の方がなんかもうゴチャ箱になってるみたいな感覚があったので向き合い方がある程度さっき磯くんが言ってたけど、今ある中での落としどころみたいのが割とこう口には出せないけどそれぞれの状況とか環境とかに対しての納得感とか、「じゃあこうやって行こうよ」みたいなのがなんとなくみんなお互いを理解出来てるって感覚になった上で、バンドをもう1回やれたから多分曲作りとかも活動の仕方とかもこう滞りなく上手く行ってるのかなって感覚です。 ちょっと質問の答えになってるかわかんないですけど、俺はそういう感覚がありましたね。

木元
俺も結構それに近くて、ZINEにも書いたんですけどスタジオとかも入んない期間があってやっぱりバンドメンバー集まってデカイ音を鳴らすって事が無かったわけじゃないですか。で、多分ライブが決まったからちょっと合わせねえとなってスタジオ入ってそれきっかけでやったら「やっぱバンド楽しいな」みたいな純粋にデカイ音でなんか自分たちの曲を合わせるって、もう初めとか全然出来なかった笑 なんかガチャガチャしちゃってフレーズも「なんかどうだったっけ?」みたいな感じもみんなあったんだけども、なんかそれすらも「楽しい!」って思えて、これが毎週とかずっと継続的に入ってだと多分そう言う喜びってのは感じることがちょっと難しかったのかなって、

福山
難しくなってたかも知れないなって思いますね、その当時、

木元
むしろ練習とか入りたくねえとかって気持ちになっちゃう。


コロナ禍って本当に1年間以上スタジオ入って無かったでしたっけ?。

木元
入ってないよ。


だからエレキギターすら触ってなかったですもん。本当に、半年ぐらいかな。更に一時期パソコンすら触らない生活をずっとしてたって事もあって、スマホもほとんど見なかったし、MIRRORのライブの誘いをfacebookで来てるのも全然気づかなくて、それぐらい普段の生活じゃない事をして完全にリセット出来たんですよ。それは良かったんでしょうね。なんか義務感って言うのかな、やっぱりアルバム作るぞって言ったけどなんか俺自分の性分として自分がやるって言った事が出来ない事がとにかく嫌なんですよ。なので自分がやると決めたのに出来ないって事をコロナ前まではあったんですけど、コロナに入ってから自分なりの自分の約束から解き放たれたと言うか、やらなくて良いっていう。だから義務感が無くなった感覚がある。なのでそれで完全に無くなったのでもう1回やろうと言う時は、単純に自分がその義務感って言うよりは、作りたいって感じで出来たってのはありますよね。なのでもうやると決めたら今度はやりたいって感じで、何が大変だろうがとにかく文句も言わずやるって感じで出来たって気持ちになれたのは、逆に義務感みたいのは全然無かったっ、てのはあるかもしれないですね。1回完全にリセットされたんで。

藤本
ルーティンになる「やらなきゃっ」ってとこで「やりたい」が勝るってのはとても大きいですよね。


丁度そのATATAの2回目のライブもあって、みんなや周りもお客さん含め盛り上げてくれて「もうMIRROR作るんだよな来年?」みたいな感じ。もしかしたら半分そんな事まで期待してなかったかもしれないけど、なんかその流れに乗っかっちゃって、もう作り切っちゃいたい、みたいなに、決めてましたよね。

福山
本当にATATAとのライブが有るか無いかっていうのは凄い大きかったと思います。その後「バンドはやっぱり楽しいんだ」ってツイートしたけど、 なんかそんな感じでした。本当にやっぱり楽しいなって感覚でしたもん。

木元
「やっぱり」って大事なキーワードだよね、

福山
俺なんか特に他のバンドもやってないし、まさにそういう感覚が多分3人よりもあったかもも知れないですね。本当に音出してなかったですし。


バンドってのを、MIRRORというバンドでと言うよりは、それこそ藤本さんやATATAも含めてなんですけど昔からやってる人たちのこの流れでどっかが生きてると他のモノが復活するじゃないですけど、それにあやかって我々も乗っかったが故に、逆に我々の流れがある事で周りもちょこっと活気づいてまた復活してもらったりとか、なんか全体を含めて個人単位で我々が頑張るとかではなく、どっかが浮いたらどっかが沈んでまた浮いてみたいな、そんな全体の流れの中で1つの役割りが出来れば、別にそれで全然良いのかなと思うところもあるんですけどね。

磯貝
いや、俺は逆なんだよねみんなと。逆にこの期間中にさっきのエフェクターをすげぇ増やしたとか、めっちゃ練習したし、そこは木元君と一緒かもしれない。俺、めっちゃ練習したのよ。で、それを出すとこが無いわけじゃない。で、ミラーでスタジオ久しぶりに入って「やっぱデカイ音でやるのは楽しいよね」と。 でATATAのライブをやってて、すげえ盛り上がったじゃん!

木元
うん、めっちゃ盛り上がった。

磯貝
めっちゃ良いライブで出来て「俺らもっとやんねえとダメじゃね?」みたいな。どっちかって言うと結構俺、ベースとか自分の中に籠って音楽をやるタイプだったんだけど、 やっぱこうそんだけ自分なりに基礎練とかしてある意味自分のプレイヤーとして何かやっと固まったみたいなのあったのかもしんないんだけど、なんか、外に向いたんだよね。


おお!なるほど。それは22年の初めてのスタジオに入った時の足元が「ものすげえ足元だ!これ」みたいな、「買ったんすか?」みたいな感じの、すごい足元で、
 
磯貝
なんか溜まってた3年間ぐらいのやつが、これやってて良かったなって言う風になったのがあって、やっと外に向いた感じがすんねん、俺は。 で、それが独りよがりにならなくて周りのお客さんもそうだし、メンバーもそうだし「すげえMIRROR良いじゃん!」みたいになって自分もそう思ったしだったらこれはもっと外に出して行く、やってかないともったいねえなと。だってここまで来てやっとやれるようになって、こんだけまだ今までコロナの前に積み上げてきたものがまだ生きてんじゃんって思った時に、 もっと良くなるかもしんないしもったいねえなと思って。だったら、

木元
確かにそれ言ってたよね。「なんかもっとMIRRORさ」って「うん、もったい無いよ。」みたいな。


磯貝さんの奥さんが言ってたってのも聞いてました。

木元
なんか俺からすると、もうもったいないとか、もったいなくないっていう価値観すら無い状態ってのがそう。俺と福山は特にそうだと思う。「もったいない」とは?みたいな。

磯貝
バンドは楽しいからやってるんでこんなペースでお客さんに向けて「ありがたいな」って思ってたんだけど、いやいやいや「これに甘えてんのもったいなくね?」って甘え過ぎてるなって言うのもあった。

木元
初めはずっと個人でやってる店なのにCEOが来ていきなり事業計画持って来て「フランチャイズ化しませんか?」みたいな、初めちょっとそんな雰囲気が俺の中であって「磯貝くんなんか焚きつけてくんな」とか思って笑 仕事はそういった事をやってるんだろうけどそんなバンドには持ち込むタイプじゃ無いじゃん?だけど「なんかもっとこう、MIRRORってさ」って言ってきた時に「おぅ、なんか怖いな…」とか笑  でもそれは変な意味じゃなくて、俺の中でも確かにこれだけ時間と手間かけてやってきてる事だから、少しはやっぱりなんとか行かないと、っていう風な気持ちになったのも正直あって。だから、なんか、うん、ありがとうございました!

磯貝
それはね、アウトプット作ったものがイマイチって言い方良くないけど「こんなもんか~」だったらそこまでならないかも。でも「めっちゃ良いの出来たやん!」っていうのもあったし、感触として多分それはみんなそう思ってんだろうし。


いや、俺ね、作って全然わかんなかったですね。良いのか悪いのか。やっぱ自分が(ミックス)やって1番聴いてるから…

木元
そうそう、森くんはね、もうなんか完全に、なんつうのかな、


もう泥酔状態みたいな、大丈夫なのかな?と。でも大体今まで見てきた時に、なんかその後に出来とかはさておき、自分にとってメモリアルなものとか、それの次に繋がるものは大体「これ良いじゃん」とかそう言うんじゃなくて、 なんかそれで良いとか悪いとか判断すらつかないと言うか、木元さんも最後の方「もう判断つかない」って笑

木元
最終的に藤本さんに委ねようってね。


とりあえずマスタリングお願いしちゃおうか、みたいな「TJなら良い音にしてくれるっしょ」みたいな感じ。でもそれはさておき、今本当にマジで毎日聴いてますね。

磯貝
俺も聴いてる。


毎日通勤で歩くときに歩きながら聴いて、飽きないって言うのかな、やっぱ自分で作って「あ、こここうすりゃ良かった」ってのは初め思うんですけど、今は普通に心地よく習慣のように聴いてる。散歩しながら聴く感じなんですけど。

木元
多分福山は毎日聴いて、無い。

福山
俺は元々、今までも全部そうですけど、聴かないって言う、いや、聴いてるけど。いや、聴いてますよ!色んなイヤホンで今更聴いたりしてますし。とりあえず、うん、練習用で聴いてます!

藤本
コピバンや。

福山
でも「on,then,in」とかも勿論そうだったし、例えば「theShuwa」とかもそうですけど、みんな他のバンドとかやってるんでそれぞれの音源とかあると思いますけど、俺は比較的元々そう言うタイプなんで、でも評価は嬉しい笑

木元
福山はさ、突然「あの曲良いっすよね」みたいないきなり言ってくる時あんじゃん。「あれライブでやりませんか?」とか、結構「今更?」みたいなタイミングで引き出しの奥から引っ張り出して来て「これやりましょうよ」とか。そんなんで「あ、聴いてる時あんだな」とか思う笑

福山
そうですね。うん、聴きますよ。でも、ちょ、その話、1回スルーで!

木元
でも自分たちの音源が好きっていうのは、普段からバンドやってると無いじゃないですか。 特に長くやってれば作品リリース作ってけば作ってく程、なんか変な意味の生産性になっちゃって思い入れがあまり無くなっちゃう事とかあると思うんですけど、でも今回の作品はものすごく僕も聴いてるし、


本当にDIYですもんね。やり方とかテンプレート化されたとこだけど、スタジオに入って全部作ったとかでも無いし、アンプもギターも全部ラインだし、本当に初めての取り組みみたいな感じもありましたし、どうなるかわかんないし、初めに想像してたりとか、こう言うのが良かろうって思ったモノと出来上がったモノが全然想像してなかった感じで出来たっていう感覚はありますね。自分の中で作り始めた時からを考えれば個人的にはMIRRORのアルバムを作り終えた後は、自分の感覚的に音楽を聴けたりとか、ミックスしたりする能力は多分バコン!っと上がった感じがあったんですよ。 だから色々作りたいんですよね。

 
~後半へ続く

MIRROR ”VOICES” Release Tour 2024-2025

MIRROR
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