経理のお話し⑥~部門別経理を導入しよう(施策編)~
昨日の投稿の後編です。昨日の投稿では、部門別経理を導入するに当たっての背景について書きましたが、本記事では具体的にそのために社内でどんな施策を講じたのかを書きます。
いきなりこの記事に来た方は、まずは前編からお読みください。
1.経理システムをアップグレード
まず肝になってくるのがもちろん経理のシステムです。
弊社では現在、税理士との兼ね合いでTKCの「FXクラウドシリーズ」という経理システムを使っています。具体的な経緯等については、以下の記事やその前後のシリーズをご覧ください。
これまでは、一番入門に近い「FXまいスタークラウド」というグレードのものを使っていましたが、今回、「FX2クラウド」にグレードアップしました。これにより、これまでは税理士事務所が我々の口頭ベースの情報に基づいて頑張って計算してくれていた部門ごとの収支というものが、明確にシステムで管理できるようになりました。これから月次の確認の際にすぐに部門別の収支がわかってくるというのは、シンプルに楽しみであります。
一番の目的は部門ごとの業績管理をしたいということでしたが、タイトル画像にあるとおり「FXまいスタークラウド」は目安として年商5,000万円までが目安となっているので、もしかしたら業容規模的にはもっと早くアップグレードしても良かったくらいだったのかもしれませんが。今のところは部門別に入力できる以外は、操作性にそんなに違いは感じていません。
その他の機能実装としては、同時ログインがこれまで1ユーザーしかできなかったものが、今回のグレードアップに伴い複数ユーザーでのログインもできるようになったりもしてます。おかげで記帳代行先とのやりとりも少しやりやすくなりました。
ちなみに前の記事に書いた通り、収支管理する部門は
① 酒類製造
② 土と風(昼)
③ 土と風(夜)
④ 食品加工
⑤ SANABURIショップ
⑥ ラーメン店
と6つに分けていましたが、売上だけについては正確な状況把握のために以下のとおりさらに細分化しました。
①-1 酒類 卸
①-2 酒類 内部 ※内部取引に利用
①-3 酒類 EC・イベント等
②-1 土と風(昼) 酒
②-2 土と風(昼) 食品テイクアウト
③ 土と風(夜)
④-1 食品加工 卸
④-2 食品加工 内部 ※内部取引に利用
④-3 食品加工 EC・イベント等
⑤-1 SANABURIショップ 酒(自社)
⑤-2 SANABURIショップ 酒(仕入)
⑤-3 SANABURIショップ 食品(自社)
⑤-4 SANABURIショップ 食品(仕入)
⑤-5 SANABURIショップ 物販
⑥ ラーメン
⑦ その他の売上高(講演料、プロジェクトマネジメント料等)
その数なんと16! 目まぐるしい感じがしますが、しっかりこれらに従って分けて売上を登録すれば、それぞれの推移が経理システムで一目瞭然でわかるようになります。作業ではなく思考に割ける時間が増えそうです。
2.UPSIDERカードを導入
弊社の岡住がICCサミットでの縁をきっかけにその取り組みやサービス内容に魅力を感じて、UPSIDERカードというものを最近使い始めていたのですが、今回を機に思い切って各部門ごとにクレジットカードを作って配布することにしました。
上記ページにはまず「上場のための」と書いてありますが、それに限らず操作性は大変によく、新規カードの発行も早くて使いやすいです(UPSIDERもベンチャー企業で新たなことに次々と取り組んでいる故かまだ色々と多少不安定な面はまだ否めませんが)。バーチャルカードにも対応していることからカード新規発行のハードルも低く、これによりスタッフAのカード利用=●●部門の支出、というような誰が見てもわかりやすい管理が可能となりました。証憑のアップロードも、スマホのアプリを使ってすぐにできるので、誰でも簡単に使えます。
今のところの難点としては、経理システム(FX2クラウド)とのAPI連携ができないところですが、これは現時点では、件数もそこまでは多くないので記帳代行先に手入力してもらっています。CSVデータでうまいことインポートできれば良いんですが、FX2クラウドはそれがわかりにくくて。。freeeだとかなりシンプルなんだけどな。
freeeやマネーフォワードだとAPI連携できるはずなので、連携するとどれだけ便利になるのかが気になるところ。別の法人ではfreee+UPSIDERカードの組み合わせを既に導入しているので、どれだけ便利なのかが気になるかが楽しみになところ。こちらの法人はまだ未稼働なので、実際に使い始めたらいずれまたレポートしたいと思います。
3.実店舗での物品購入に伴うレシート提出時のメモをルール化
これまでが何ともザルといえばザルなんですが、これまでは会社のクレジットカードや現金で物品を購入した際は、指定場所へのレシート提出のみがルールとなっていました。
しかしこれだといちいち購入内容を吟味しないと何のために購入したのかがわからないため、レシート提出時に何のために買ったものかを各々メモしてもらうことにしました。ついでに、購入者の名前も書いてもらうことにしました。
いや、こんなの初めからやっとけよって話なんですが。スタッフの人数も増えてきたというのもあったので、、
(従前)現金誰でも持ち出し可、クレカは利用簿記入で持ち出し可、レシートは該当場所に要提出
↓ ↓ ↓
(これから)現金は金庫の番号知っている人のみ持ち出し可(それ以外の人は領収書と引き換えに精算)、クレカは利用簿記入で持ち出し可、レシートは必要事項記入して該当場所に要提出
という風にルールを変えました。ようやく会社・組織としてまともになってきた感が……(笑)
ひとまず、部門別経理を導入するために講じた具体的な施作は以上です。実際はこの1-2か月でようやくここまで決まりを整えたという感じで、結局労力がかかるのはそれに当たっての細かな軌道修正やスタッフ・記帳代行先とのコミュニケーションになってくるので、まだまだこれから色々と軌道修正なり新たな仕組みづくりが必要になってくると思います。
続報にご期待ください………
結局、あまり執筆のモチベーションが上がらず無理やり書き上げたら、何ともしっくりしない感じがしますが(笑)
今年は資金調達シリーズ第1段のnote公開をきっかけに、「note読みました」と言ってくれる方に何人も会えて嬉しかったです。有料無料問わず、記事を読んで下さった皆さま、ありがとうございました!
来年もマイペースに書いていこうと思います。今のところは年始の時間使って資金調達シリーズ第2弾を書き上げる……予定。お楽しみに。
それでは皆さま、良いお年を!
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