「良妻賢母」
『楽しかったねー!』
手を繋いで歩く、久々の2人っきりのデートの帰り道。
『ねぇ、晩ご飯、何にしようか?』
「うーん。何でもいいかなー」
『困るんだけど、そーいうーの』
ほっぺたを膨らませて怒る璃花。
正直、かわいいが先行してしまう。
「ごめんごめん。じゃあ、オムライスで。」
『わかった。いつものように作るね!』
俺の好きな甘めの味付け。
それは、近所の親戚に預けていた、
娘も同じ嗜好で。
『ご飯出来たよー!』
『はい、あーん』
娘にご飯を食べさせる璃花を見る。
『なーに?やってほしいのぉ?』
笑いながら俺を見る璃花。
まぁ、図星だけど。
『じゃあ、後でやってあげるね』
小声で耳打ちされる。
俺自身でもわかる。
今、顔が真っ赤なことぐらい。
非の打ち所がない、璃花と
俺はずっと、一緒にいるんだろうな、と思った。