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【一切攻略に関係しない考察】プリンツ・オイゲンはなぜ桃饅頭にマヨネーズをかけたのか。

【はじめに】

今年9月に日本版サービス開始から7周年を迎えた艦船擬人化アプリゲーム、アズールレーン。
サービス開始初期こそ同ジャンルの先駆者たる類似タイトルの模倣と見做されることもあったが、徐々に独自性が注目され、現在ではメディアミックスも多方面に展開される作品となっている。
そんなアズールレーン(以下、本作)にサービス開始から登場する、ドイツ海軍の同名の重巡洋艦をモデルにしたKAN-SEN(同作における艦船をモデルとしたキャラクターの総称)、プリンツ・オイゲン。
ドイツをモデルとした国家「鉄血(IRON BLOOD)」に所属するKAN-SENで、7日間のログインで必ず加入する為、ほぼ全てのプレイヤー(指揮官)が入手することとなる。
キャラクターとしての解説は後述するが、そんなプリンツ・オイゲン(以下、オイゲン)が2020年5月、艦船通信(JUUSTAGRAM、KAN-SENらが使うSNS)にて投稿した内容が「桃饅頭にマヨネーズをかける」といったものだった。書き起こしたものがこちらである。

(余談だが筆者の環境では、艦船通信を遡ると特定の部分でアプリクラッシュを起こしてしまう)

桃饅頭とは、中華料理における甘味の一種であり、餡(あん)を練った小麦粉で包み、蒸しあげたものである。ここまでだと一般的な饅頭と変わりないが、桃の形に成形され、色付けされているのが桃饅頭の特徴である。中国では行事や祝いの席に出されるといった意味合いもある食べ物だが、もちろんマヨネーズをかける文化は一般的ではない。
常軌を逸したその行動に、「オイゲンはマヨラーなのか?」といった疑問が生まれた。
(これ以降でオイゲンが何かにマヨネーズをかける描写は現時点では存在しない。)
今回はこの投稿及び行動を「桃饅頭マヨ事件」として振り返り、なぜオイゲンは桃饅頭にマヨネーズをかけたか、オイゲンはマヨラーなのかを考察することを目的とする。
よって、ゲームの攻略には一切関係ないことは留意されたい。
なお、本考察において取り上げる実在の人物名は、すべて敬称略で表記する。

【プリンツ・オイゲン】

考察に入る前に、オイゲンと艦船通信について簡単に振り返りたい。
まずはオイゲンについて、公式Twitter(当時)ではこのとおり。

( https://x.com/azurlane_staff/status/1429277143767388163  より引用)

続いてコンシューマ作品「クロスウェーブ」のキャラクター紹介。

( https://www.compileheart.com/alcw/chara/?page=ch20  より引用)

続いてバイブリーアニメーションスタジオ版のTVアニメ(以下バイブリー版)のキャラクター紹介。

( https://azurlane-anime.jp/character/15.html  より引用)

最後にアニメ版「びそくぜんしんっ!(以下びそく)」のキャラクター紹介。

( https://www.azurlane-bisoku.jp/character/prinz-eugen/  より引用)

後述するようにこれらはすべてパラレル(並行世界)だが、一貫して「ミステリアスで掴みどころがない」と紹介されていることがわかる。
最初期から登場しており、当時は少なかった鉄血陣営の顔役を担っていたこともあってか、メディアミックス等でも出番が多い。着せ替え(衣装)も数が多く、グッズ化の機会にも恵まれている方である。
ゲーム上では防御特化の性能であることや、現在ではアプリゲームでは避けられないインフレ化及び後発のKAN-SENの話題性には分が悪く、能力的には評価が分かれるが、2023年に行われた人気投票では535名中16位とキャラクター性の評価は高い方であると判断できる。
(人気投票は2年毎に開催されており、2021年は451名中13位、2019年は327名中7位、2017年は144名中7位と必ず上位5%に入っている。)
オイゲンのプロフィールについては後述するが、キャラクターデザインを担当したREALMBW(RJ)はインタビューにて「プリンツ・オイゲンは、最初に敵として出てくると聞いていたので、少し自分の趣味も込めて、ドラゴン娘のような人外的な雰囲気を付けてみました。」と明かしている。
(一迅社「Febri vol.47」より引用)

また、本作のオイゲンはあくまで「同名のドイツの重巡洋艦をモデルにしたキャラクター」であり、その命名元であるフランス生まれでオーストリアの軍人プリンツ・オイゲンことオイゲン・フォン・ザヴォイエンとしての要素はない。

【艦船通信】

KAN-SENらが使うSNS、艦船通信。
イベント「激奏のポラリス」で「ポラリス通信」として実装された機能が後に「艦船通信」として再登場し、それ以降は常設コンテンツとして定期的に更新が行われている。
基本的には開催中のイベントや現実時間における行事に関する内容が多く、投稿者であるKAN-SENの画像付きの投稿に対して他のKAN-SENらが返信を行っており、プレイヤーである指揮官は基本的には用意された2択のうちどちらかを選択して返信を行うことができる。選んだ内容によっては返信が異なり、本作における数少ない「後戻りできない選択肢」である。
(同一のYostarIDで複数サーバーに登録することは利用規約上は問題ないが、艦船通信の検証のためにそれを行うプレイヤーは稀であると思われる。また、選択肢が1つしかない場合もある。)
投稿者となるKAN-SENは基本的には新規実装されたKAN-SENや直近でイベントに関わっていたり、着せ替え等の新規要素が追加されたKAN-SENが多いが、その限りではない。またコラボキャラクターも開催期間中は投稿・返信を行い、期間が過ぎても投稿は残り続ける。

そんな艦船通信、良く言えば「KAN-SENの意外な趣味や交友関係がわかりキャラクターの掘り下げとして作用する」反面、悪く言えば「内容によっては悪ノリやキャラ崩壊がみられ、評価が分かれることもある」とも言える。最近ではその傾向は少ないが、以前は公式アカウントで謝罪・修正の旨が発信されたこともある。
(バイブリー版を意識したと思われる投稿であったが、エンタープライズのアニメ版のような辛辣な返信や態度に違和感を覚えるアニメ版未視聴または否定的なプレイヤーが一定数いたことにより、運営として「適切な表現でなかった」という判断に至ったと思われる。)

現在ではこういった騒動に発展するようなこともなく、後から追加された「艦チャット」や「1コマ」と合わせて、キャラクターの掘り下げに作用するコンテンツとして更新が続いている。
前述したように「桃饅頭マヨ事件」は艦船通信にて行われ、オイゲンがマヨネーズを使ったのはこの1回だけである。

【前提条件】

「オイゲンがマヨラーなのか」を考察する準備段階として、3つの前提条件を提示したい。

【前提①:艦船通信は全ての陣営の対立がないものとする】

まずひとつは、桃饅頭マヨ事件の舞台である艦船通信は陣営・勢力による対立がなく全陣営が友好的に共存している枝(≒世界線)という地盤である。
本作の設定・世界観を再確認すると、幾つもの並行世界が存在し、「びそくぜんしんっ!」のように平和な世界もあれば、メイン海域や陣営イベント、またはバイブリー版のようなシリアスな世界、「クロスウェーブ」のようなストーリー上に「指揮官」が存在しない世界も存在する。
艦船通信そのものは難しく考えなければ「実装されたKAN-SENが陣営・勢力・派閥に関係なく指揮官(≒プレイヤー)のもとで共生している母港に存在するSNS」以上の意味はないが、考察する上で今回はこれを前提とする。

【前提②:オイゲンは秘密主義者】

次の前提として、オイゲンのプロフィールの不透明さを上げておきたい。
公式漫画「びそくぜんしんっ!」の単行本版、及びコンシューマ版派生作品「クロスウェーブ 」に登場するKAN-SENは簡単なプロフィールが掲載されている。
オイゲンの場合はこの通り。

(クロスウェーブより)

「苦手なもの:二日酔い」を除いて、すべて(秘密)と記載されている。
他のキャラクターで「現時点でプレイヤー側に開示できない情報」の場合は伏せ字で処理される為、これは本人の意志であると考えられる。
問題の艦船通信でマヨラーか訊ねた際の回答を見ても曖昧にはぐらかすことから、徹底した秘密主義者であることがわかる。

【前提③指を口に当てる・指を咥える癖は考察に含まない】

最後にオイゲンの特徴的なポーズであり度々描写される「示指を口に当てる」、または「示指を咥える」癖については今回は考察に含まないものとする。
理由としては、これらの行動を人間基準の心理学的に結びつけることは安直であり、ネガティブな要素にしか結び付かない為である。これから考察するオイゲンのパーソナリティを読み解くヒントにはなり得る可能性はあるものの、具体的な頻度や習慣、判断材料が提示されない限り「指を咥える、つまり強いストレスを抱えている!または幼少期の○○が考えられる!」と断定するべきでないと筆者は考える。
何より、「だからマヨネーズをかけた」に繋がるとは考えにくい。よって、今回の考察には含まない。

【(1/7追記)「碧き航路にバカンスを」は考察に含まない。】

アズールレーン関連作品のうち、スピンオフ漫画「碧き航路にバカンスを」については今回は取り扱わないものとする。
バイブリー版の関連作品という位置付けとのことだが、アニメ版に登場しないKAN-SENが数多く登場する他、言動や性格付けがゲーム本編やその他の関連作品と異なることも少なくない。これは同作の「辿り着いた離島での陣営の垣根を越えた共同生活」という主題によるものと考えられる。同作にはオイゲンが瑞鶴とともに主人公として立ち回っているが、「資源・人員が限られた共同生活という環境から、当人らの自由意志ではない」と判断して今回は取り扱わない。

【オイゲンが本当に好きなものは何か】

なぜ桃饅頭マヨ事件は起きたか、それを読み解くにあたり、第一段階としてオイゲンが本当に「好きなもの」は何なのかを考えたい。

【酒】

まずひとつは「酒」である。ことあるごとに酒を飲みたがり、酒癖の悪さについては各方面で描写されているほか、唯一開示されている「苦手なもの:二日酔い」から、酒好きであることは間違いないだろう。

【オフニャ】

次に、「オフニャ」が好きであると考えられる。これは「酒好き」と比べるとあまりピンと来ないかもしれないが、オイゲンがオフニャ好きと思われる描写は複数回ある。
初めてオフニャとオイゲンが絡むのが、クロスウェーブのエピソード「開店!オフニャカフェ」である。

(クロスウェーブより)

要約すると、合同大演習期間にベルファストが開いた「オフニャカフェ」にオイゲンとプリンス・オブ・ウェールズがハマってしまうといった内容のサブストーリーである。
正確にはこの他にヘレナもオフニャカフェにいるのだが、オイゲンとウェールズはキャラ崩壊を起こしながらオフニャを愛でているのだ。
(ちなみにこの際オイゲンはオフニャを「とてもセクシーよ」と評している。)
ウェールズのプロフィールには猫やオフニャに関する記述はないのだが、元ネタである同名のイギリス戦艦には、「ブラッキー」と名付けられた船乗り猫の歴史があり、それが転じて猫が好きであってもおかしくはない。「船乗り猫」とは、ネズミ対策兼マスコット(長期航海する上での船員の癒し)として船内で猫を飼っていた当時の風習である。
筆者が調べた限りでは、ドイツ重巡洋艦プリンツ・オイゲンと猫の繋がりを見つけることはできなかった。(ドイツ海軍に船乗り猫の文化がなかったわけではなく、SSRオフニャ「おすかー」の元ネタは戦艦ビスマルクに乗っていたとされるオスカーと思われる。が現代ではオスカーが実在したかは疑問視されていることは補足しておく。)
何かと縁のあるウェールズに勧められたのかは定かではないが、オイゲンのオフニャ好きが初めて描写されたのがこのエピソードである。
クロスウェーブのエピソードは逐一「関連作品とはパラレルである」と予防線を張っている為ここまでなら独自設定なのだが、これ以降もオフニャ好きと思われる描写が度々描かれる。

こちらは日本版3周年のアニメPVである。オイゲンがオフニャを抱いていることがわかる。ゲーム上ではRに相当する白いオフニャである。

( https://www.youtube.com/watch?v=9hn3kWDafiQ  より)

そしてこちらはアイドルマスターとのコラボイベントのアニメPVである。

( https://www.youtube.com/watch?v=3melm_VeCCI  より)

厨房でどちらのカレールーを使うかで赤城と言い争っていると思われるオイゲンが身に着けるエプロンには、やはり白いオフニャがプリントされている。
これは憶測の域を出ないのだが、カレーの調理をすることが多く予想される母港の厨房で、薄いピンクの布地に白いオフニャの印刷はあまり相性がよくない(汚れが目立ちやすく落ちにくい)。これを共用の備品とするのは堅実ではないことから、このエプロンはオイゲンの私物と考えるのが自然ではなかろうか。
これらの経緯から、オイゲンはオフニャ、特に白いオフニャが好きであると考えられる。

【イタズラ】

次に、「イタズラ」ではないかと考えられる。
「え、さっきからそれ関係ある?」と思われる読者もいるであろう。この後桃饅頭マヨ事件を考察する過程で必要なので、どうかご辛抱願いたい。
「イタズラ」に踏み込む前段階として、オイゲンは普段から敵味方含めた誰か(主に姉のアドミラル・ヒッパー)を揶揄ったりする様子がイベントや艦船通信、バイブリー版等各方面でみられる。シリアスな場面だと、「翳りし満ちる影の華」で同盟国、即ち味方である能代を挑発して(赤城が仲裁しなければ)殺し合いに入る寸前の喧嘩を仕掛けたこともあり、悪い意味でもオイゲンにはそういった言動がみられるのだ。

(イベント「翳りし満ちる影の華」より)

クロスウェーブのエピソード「イタズラ研究会発足!?」で紆余曲折あったのちサラトガ・エイジャックスらと組む流れとなる。これもクロスウェーブの時点では単発のサブストーリーに過ぎず、「イタズラ研究会」としての再登場はない。
しかし主に日常系のイベントでは仕掛け役として度々名前が上がり、直近では「ゼロから頑張る魔王討伐」でVRの制作メンバーとして名前が上がっているほか、ウルリッヒ・フォン・フッテンの艦チャット「不思議事件」がわかりやすい。

(ウルリッヒ・フォン・フッテンの艦チャット「不思議事件」より書き起こし。
なお、艦船通信同様後戻りできない2択が含まれることはご理解頂きたい。)

情報提供者がオイゲンと分かった指揮官は何かを良くない思惑を察して、それを聞いたウルリッヒは「オイゲンならやりかねない」と理解を示す。

鉄血陣営のリーダーであるビスマルクとオイゲンの同時出撃時のビスマルクの専用ボイスは、
「オイゲン、遊びはほどほどになさい」
であり、ビスマルクZweiの場合は、
「オイゲン、相変わらずね」
である。
また、オイゲンの有無に関係なく、出撃ボイスが「オイゲンではなく私についてきて(ビスマルク通常衣装の場合)」である。他にも際どい水着を選ばれたり(ビスマルクZwei「清澈のヴィントシュティレ」、最終的に却下された)、クイーン・エリザベスと模擬店の勝負を吹っ掛けておきながら責任とリーダーはビスマルクに無断で押し付けたり(イベント「炭酸と紅茶」)とオイゲンの行いに度々巻き込まれては手を焼いている苦労が伺える。
(「オイゲンではなく私に〜」は史実におけるライン演習作戦にてフッドがオイゲンをビスマルクと誤認したことや、転じて本作においては同作戦を元にしたチュートリアル戦闘にて、オイゲンが偽ビスマルクとして登場することに由来するとも考えられる。)

(イベント「炭酸と紅茶」より)

これらのことから、少なくともウルリッヒ・ビスマルク・指揮官の間では「オイゲンはたまに周りを巻き込んで悪ふざけをする」という共通認識があると思われる。
(余談だが、ウルリッヒはこういったオイゲンの悪癖を理解しながらも、能力や努力を認めていると思われる。イベント「覆天せし万象の塵」ではウルリッヒとZweiとして復帰したビスマルクが衝突する場面があるが、その際にビスマルク不在時に苦労を強いた人物としてフリードリヒとオイゲンを上げている。口が悪く現実主義者であるウルリッヒが認める程にはリーダー不在の鉄血陣営を支えるべく奔走していた「枝」もあったのだろう。)

【新たな体験】

最後に、停滞・退屈を嫌い、新たな娯楽・刺激を求める傾向にあることも補足しておきたい。
イベント「謹賀新年」で重桜の初詣に参加したオイゲンの願いは「この艦隊でもっと面白いことに出会えること」であり、そもそも参加した理由が「毎年同じ年越しは飽きたから」である。また同イベントでは、指揮官への独占欲が強い赤城に敢えて指揮官が他のKAN-SENと一緒にいる情報を流して指揮官の元に誘導して楽しむなど、(先のイタズラ好きとも重なるが)悪く言えば火に油を注ぐようなことも時として行う。

(イベント「謹賀新年」より)
(同上)

また詳しくは後述するが、元ネタであるドイツの国柄からか、他の鉄血のKAN-SENはビールの話題が多いのに対し、オイゲンはそれ以外の酒への言及が多い。マンネリを嫌い新たな体験・刺激・快楽を求めるのがオイゲンなのだと伺える。

【好きな食べ物の傾向】

ここまででオイゲンの隠されたプロフィールの「好きなもの」が「酒・オフニャ・イタズラ・新たな経験や刺激」ということは確認できた。
ここからは裏付けとなり得る資料が少ないが、オイゲンの「食の好み」を考察していきたい。

【ゲーム本編】

まず、本人のボイスで食の好みに関するものは一切ない。
(デフォルト衣装、ケッコン含む着せ替え7種、μ兵装までの2024年12月時点での全ボイス)
酒についてはかなり言及されているものの、食については一切言及がない。
唯一あるとすれば、μオイゲンとμフォーミダブルを同時編成した際の「甘いものは控えた方がいいと思うわ」だが、これは本人の話ではない。
(プリンツ・オイゲンちゃんまで含めると「そろそろおやつの時間にしない?」がある。実装時の「甘えちゃいたい ケーゼクーヘン」というイベント名や、「ケーキPt」から、オイゲンちゃんはチーズケーキ(ケーゼクーヘン=ドイツのベイクドチーズケーキ)が好物と思われる。
しかしリトルKAN-SENは「仮想の幼少期とされる別個体」であり、オイゲンちゃんは「お酒が苦手」と言っていることから本来のオイゲンの感覚とは異なることが予想される。したがって今回は「桃饅頭マヨ事件のオイゲンとは別人」として考える。)

なのでまずは立ち絵から確認する。
デフォルト衣装・μ兵装と着せ替え7種を含めた全9種のうち「百花繚乱」のみ「三色団子」が確認できた。

(着せ替え「百花繚乱」より。全体像で見た際、左の足元に確認できる。)

また、バイブリー版でも重桜が舞台であるからか、「みたらし団子」を食べる姿が確認できる。オイゲンの食べ方が特徴的なことや鮫のような艤装も食べたことから、加賀の狐やゆーちゃんの巨大化に次いで話題になった印象的なシーンでもある。

( https://azurlane-anime.jp/story/02.html  より引用)

「百花繚乱」に話を戻すと、実装時のイベント「謹賀新年」では重桜の年越しに参加することになったオイゲンが大掃除や正月準備を手伝うのだが、この時点で「鏡餅」に興味を示している。オイゲンのテキストの傾向として、聞き慣れないであろう日本語・異国語はカタカナ表記される(「オショウガツ」「オオソウジ」等)中で鏡餅を「餅みたいなの」と形容していることから、餅は元々知っていたと思われる。

(イベント「謹賀新年より」)
余談だがオイゲンをデザインしたREALMBWは本作で特に好きなキャラクターとして蒼龍を挙げている。
(一迅社「Febri vol.47」のインタビューにて)

これらのことから、重桜という環境においては、餅や団子といった「柔らかく弾力のある食べ物、丸い形状のもの」を好む傾向にあると考えられる。
他のイベントで重桜の宴会に参加した際に(Z2がわさびを塗りたくった)刺身などにも触れていると思われるが、ストーリーの進行上実際に食べる描写はカットされている。

ほかにオイゲンの食べ物に関係するイベントといえば、ミニゲーム「饅頭アイス」にも客として登場する。

( https://x.com/azurlane_staff/status/1560144461807734785  より引用)

これは「ランダムで出してくる注文を正しく処理する」というゲーム性質上「味の好み」を推定するには値しないが、「アイスクリームを買いに来る」ということはわかる。
「そりゃそうだろ」と思うかもしれないが、このミニゲームに客として登場するKAN-SEN7人中3人が鉄血で、その中にはキャラクターデザインが似ていたり担当声優が同じことから「なぜかオイゲンと似ている」と言われがちなエーギルも含まれる。(もう1人はフリードリヒ・デア・グローセ)
注文はランダムなので客を見分ける必要もないのだが、見分けづらいエーギルや他のKAN-SENもURやDRが多い中でわざわざオイゲンが採用されたのは何らかの意図があったのかもしれない。

(余談だが饅頭アイスのドット絵を用いたグッズが中国版でのみ販売されている。)

他にゲーム本編で食べ物関係だと、イベント「潮風と夏の無人島」のバーベキューがあるが、これは共同生活という性質上本人の自由意志とは離れていると思われるため、今回は考慮しないものとする。

(イベント「潮風と夏の無人島」より)

他のイベントでも宴会やパーティーにオイゲンが参加することや他KAN-SENのボイスでオイゲンに関する言及はいくつかあるものの、オイゲンが食べ物の感想を述べたり、オイゲンの食の傾向に関するコメント等は少ない。

【びそくぜんしんっ!とチョコレート】

ここからは公式漫画「びそく」の登場回を振り返りたい。
公開がバレンタインが近い時期であった為か、チョコレートを作る回である。ジャベリンらに教えられる程度には作り方を理解していることが伺える。もっとも、この場合は指揮官らに渡す為に作っているに過ぎないとも考えられるのだが、この回は後にアニメ版でも採用された。
アニメ版の人選基準については不明だが、この数話後にはダンケルクの回である。具体的な起承転結は異なるが、「ジャベリンらと比べて大人びたKAN-SENがお菓子作りをする」という大筋は共通している。加えてダンケルクは元々お菓子作りが趣味であり特技でもある、そういったキャラクターである。
限られた話数の中でわざわざ似通った内容の話、それも強豪・専門家といえるダンケルクと並行してオイゲンを採用したとなると、オイゲンもチョコレート作りは得意分野なのではないかと考えられる。
そして英語版の2024年のバレンタインでは独自に用意されたショートアニメがあり、オイゲンも登場する。

( https://www.youtube.com/watch?v=QQWQwLmLM4I  より引用)

なんと作ったチョコレートの殆どを自分で食べ尽くしてしまうという意外な姿が描写されている。
コメディタッチな作風かつ日本版に来ていない動画なので検証材料として適切か悩んだが、オイゲンについては各言語版での差異は特にないと判断して、今回は採用するものとした。
よって、「チョコレートはしっかり作る派で、人並みにはチョコレートが好き」と判断するに至った。

これ以外の公式の派生作品等ではオイゲン本人の食の好みに繋がるものは確認できないので、ゲーム外のコラボ等を確認したい。

【コラボカフェでの扱い】

2024年12月時点でゲーム外のコラボレーションでオイゲンが関係するものは筆者が知る限りでは9件。 (1/7追記)10件。
(玩具・グッズメーカーによる一般流通商品は除外。また、筆者は5周年のクルーズ船及び2024年のアズ旅沖縄には参加できなかった為、そこでのメニュー等は把握できていない。)
執事眼鏡eyemirror:キャラクターイメージの眼鏡が販売された。
Super Groupies:キャラクターイメージのバッグ、財布が販売され、後に別デザイン版も販売された。
U-TREASURE:キャラクターイメージのリング(指輪)が販売された。
アニメユニバーシティコープ:コミックマーケット97にて販売されたうどんの器(丼)に入ったデフォルメイラストのグッズがベルファスト・エンタープライズ・綾波と共に販売された。
アニメイト:アニメ版びそく名義でアニメイト制服(紺色のエプロン)を身に着けた描き下ろしイラストのグッズが販売された。
マルイ(商業施設):バイブリー版の名義で描き下ろしイラストのグッズが販売された。
Gz cafe/mixx garden:コラボカフェ。四大陣営に合わせた計4回のうち鉄血の回でメニューが用意された。
アニメイトカフェ:コラボカフェ。ベルファスト ・エンタープライズと共にメニューが用意された。
プリンセスカフェ:コラボカフェ。バイブリー版名義でドリンク・フードメニューが用意された。
(1/7追記)Z/X(ゼクス):トレーディングカードゲーム。アズールレーンのコラボ弾があり、基本的にはゲーム中のイラストの流用が殆どだが、一部描き下ろしイラストのレアカードが存在し、オイゲンも含まれる。
この他に6周年の際に秋葉原ピコクレープのコラボビジュアルに後ろ姿だけは確認できるものの、専用のメニュー等はなく本人の持ち物も確認できない為、今回は除外している。
また、うどんについても自由意志とは考えにくい(他作品でも同一フォーマットの商品が複数販売されていた)為除外している。

( https://x.com/au_coop_info/status/1209035917496741888  より引用)

このうちコラボカフェ3回の内容を振り返りたい。
まずはGz cafe/mixx garden。
こちらは前述したとおり、四大陣営に合わせて計4回、各陣営8人をイメージしたフードとドリンクが用意された。前半の重桜・ロイヤルがGz cafe、後半の鉄血・ユニオンがmixx gardenでの開催で、今回は鉄血テーマの3回目について触れる。
店舗側の公式サイトには残っていないが、4Gamerの紹介ページにメニューとグッズの一覧が残っているのでそちらを参照している。

( https://www.4gamer.net/games/390/G039084/20181219057/  より引用)

まずはドリンクだが、当たり前のようにアルコール対応である。(ノンアルコールも選べる。)
グラーフ・ツェッペリンがビールを担当しており、オイゲンはホットワイン。これに関してはイメージに合っていると言える。
(余談だがオイゲンは酒であれば何でも飲む。他の鉄血のメンバーや鉄血生まれでオイゲンの末妹にあたるタリンはドイツのイメージからかビールを好む発言が多いが、オイゲンが敢えてビールを話題にすることは少なく、着せ替え等のボイスではワインやシャンパン、イベントでは重桜酒(日本酒)への言及が多い。ビールが嫌いなわけではなく、公式のイラスト等ではビールを飲んでいたり、少ないながらも言及はある。)

(同上)

そしてフードメニューの方だが、オイゲンはデザートのプリン枠である。
プリンツ→プリンとも取れなくもないし、重桜食で好きな傾向と思われる「柔らかく弾力のある、丸い食べ物」と取れなくもない。
そもそもこういったコラボメニューは「キャラクターをイメージしたメニュー」なのか「キャラクターが提供しているていで考案されたメニュー」なのか判断が難しい。筆者は当時友人らと各陣営で1回ずつ、計4回足を運んだのだが、主観ではドリンクが前者、フードメニューが後者に近い印象だった。
いずれにせよ、こちらのコラボメニューとしてのオイゲンは白めのプリンがイメージされている、またはそれを提供するイメージのもとで考案されていると思われる。

次に、アニメイトカフェ。
イラストを見る分にはバイブリー版のような雰囲気だが、3人分の描き下ろし以外のグッズやノベルティはアプリ版のイラスト流用であり、名義もあくまで「アズールレーン」である。

( https://collabo-cafe.com/events/collabo/azurlane-4th-anniversary-good-smile-animate-cafe2021/  より引用)

(本来バイブリー版として企画されたが放送終了間近で世界的なCOVID-19の流行によりお蔵入りしたのち、自粛ムードが緩和された頃に4周年の企画の一環でアズールレーン名義で復活し、描き下ろしの3人のイラストが再利用されたのでは?というのが筆者の憶測である。)
余談だが、秋葉原のアニメイトカフェ×グッドスマイルカフェはこれが最後のコラボカフェとなった。(開催告知時点でテナント撤退は決定しており、これが原因による閉店ではない。)
こちらも店舗側の公式サイトには残っていないが、コラボカフェ全般を紹介するポータルサイトにメニューとグッズの一覧が残っている。

( https://collabo-cafe.com/events/collabo/azurlane-4th-anniversary-good-smile-animate-cafe2021-add-info-lineup/  より引用)

こちらは「キャラクターやゲーム中に登場するものをイメージしたメニュー」という印象が強いが、デザートメニューはメインの3人がイラストで持っているものと同一である。こちらも判断が難しいが、オイゲンはカップケーキがイメージされている、またはそれを提供するイメージのもとで考案されていると思われる。

最後にプリンセスカフェ。
これに関しては筆者は把握しておらず、今これを書いている途中で見落としがないか調べていたところで開催していたことを知り、狼狽している。
本当に知らなかったのだ。
関東圏であったイベント等は全てチェックできていると自負していたが、ここにきて取り返しの付かないミスを起こしていたことを知った。
筆者は落ち込んだ。

話を戻すと、こちらはメニューが公式Twitter(現X)に残っていた。行けなかった以上はメニュー画像から読み取る他ない。

( https://x.com/princesscafe333/status/1207949192062107648  より引用)

ドリンクメニューは全12種。10種はドリンク名で誰か凡そ見当が付くが、右下2種はおそらくオイゲンとZ23のどちらかであろう。ドリンク名はいずれもドイツで親しまれる「コーラとオレンジ等の何らかのソーダを混ぜた飲み物」と「アップルソーダ」のドイツ語なので判別が難しい。他のはだいたい想像がつく名称なのに鉄血の2枠は普通にドイツ語で飲み物の名前なので、こればかりは現地に行っていない過去の自分を恨む他ない。いずれにせよ、オイゲンのメニューにしてはドイツアピールが強く、それでいて酒ではない。

(同上)

フードメニューは、ロイヤルと重桜が劇中に登場したものに近いプレートで、ユニオンはネバダ、鉄血はオイゲンのイメージと思われる。ネバダがこういったコラボで取り上げられる機会は非常に珍しいことを思うと、やはり見逃していた過去の自分を呪う他ない。
オイゲンはココアマフィンとのことで、他2件と合わせてやはり甘い菓子やケーキ類がイメージされやすいことがわかる。3件で採用される以上、嫌い・苦手ということはない、と判断して差し支えないと思われる。

(1/7追記)これ以外にTCG「Z/X」の描き下ろしイラストが存在する。
こちらがオイゲンの描き下ろしレアのイラストである。

( https://www.zxtcg.com/  より引用)

手にはおそらく苺のクレープ、テーブルにはクリームソーダが確認できる。
コラボとはいえ、キャラクター性を損なうとすればこういったイラストは修正されると思われるので、やはりオイゲンは甘いものが好きであると考えられる。
(追記ここまで)

ここまで限りある情報を読み解いた結果、
「オイゲンは甘いものが嫌いではなく、最低でも人並み程度には好きと思われ、柔らかく弾力のあるもの、丸いものを好む傾向にある」というところまでは掴めた。

【なぜ「桃饅頭マヨ事件」は起きたか】

オイゲンの傾向や食の好みを整理できたところで、改めて桃饅頭マヨ事件を振り返りたい。
逸仙が作った桃饅頭にオイゲンが反応したことから、逸仙が(おそらく)鉄血寮まで届けに来た。
なぜかオイゲンはそれにマヨネーズをかけた。

先程まで整理した情報から、まずオイゲンは慣れない異国語がテキスト上カタカナ表記されることが多い。この場合SNSでのコメントなのでそれが適応されるかは怪しいが、逸仙は投稿に桃饅頭とは書いていないので、「桃饅頭」の名称は元々知っていたと考えられる。(平海・寧海姉妹の返信からカンニングした可能性もなくはないが、オイゲンは知ったかぶりをするタイプではなく、知らなければ素直に聞いたりそこから話題を広げることが多い。)
そしてオイゲンは餅や団子の類を好む傾向にあるので、桃饅頭にも興味を持った、あるいは既に好きな甘味だった為、逸仙から貰う流れとなった。
ここまでは不自然な流れはない。
問題はここからである。
なぜ、マヨネーズをかけたのか。
先程までオイゲンの食の好みを考察したが、マヨネーズはこの回を除いて出てきたことはない。

これまでの流れから絞り出すと、以下の4つの可能性が考えられる。
①国辱(挑発)
②イタズラの一環として
③鉄血の文化
④新たな刺激・体験を求めて

これらを一つずつ考えていきたい。

【国辱(挑発)】

まずこれは無いと断言できる。
万一オイゲンにそういった意図があったとしても、その形で通ることはまずない。
なぜなら、開発が中国である以上そういった部分は非常にデリケートな話題であるからだ。
こちらもデリケートな話題だが、とある日本の声優の降板問題を考えても、中国やその文化への否定的な表現が行われるとは非常に考えにくい。。
また、今回の考察においては艦船通信は陣営の対立はないものとするので、やはり国辱とは考え難い。

【イタズラの一環】

これもありえないとは言い難いものの、この場合第三者に食べさせてそのリアクションを見て初めてイタズラとして成立する。
結果的にヒッパーはそれを食べたことになるが、その感想が「意外とイケた」という時点で「奇抜でミスマッチな組み合わせのものを食べさせてリアクションを楽しむ」というイタズラとしても失敗しているので、イタズラとしては弱く、この場合自分が食べる為に行ったものと考えた方が自然である。
(なお、前述したクロスウェーブの「イタズラ研究会発足!?」にてオイゲンは、サラトガが仕掛けた入会テスト(サラトガの脳内にしかない組織に関する問い)に珍しく苛立ちを顕にしている。そんなオイゲンが「成立しないイタズラ」を仕掛けるとは考え難い。)

(クロスウェーブより)

【鉄血の文化】

これについてはヒッパーがはっきり否定している上、他の鉄血KAN-SENのボイスや艦船通信を見てもそのような風習に触れたものは一切ない。
ただ、鉄血の元ネタであるドイツのマヨネーズは基準や成分の違いから「日本のものと比べると酸味が薄く甘味が強い」とされている。味については各々の主観となるが、我々が思っているマヨネーズとオイゲンが桃饅頭にかけたマヨネーズは異なる可能性があることは補足しておく。
参考までに、ドイツではフライドポテトにはケチャップよりもマヨネーズが好まれるとされる。

【新たな刺激・体験を求めて】

これまでのオイゲンの特性を振り返ると、これが一番適切ではないかと考えられる。既に桃饅頭を食べたことがある、または味の予想が付いているのでアクセント、いわゆる味変としてマヨネーズをかけた、という流れと思われる。
しかしなぜマヨネーズなのか、疑問は残る。
ここで最後の手掛かりであるヒッパーに着目したい。

【アドミラル・ヒッパー】

本作ではヴェーザー、タリンを含めて5姉妹、それに改ヒッパー級の計画艦・マインツと鉄血では(Z級やUボートの大所帯を除けば)賑やかなヒッパー一族だが、史実においては実際に就役したのは三番艦のオイゲンまでで、二番艦ブリュッヒャーは就役から僅か半年程度で撃沈している。
何の因果か本作においても(日本版基準では)サービス開始から3ヶ月後にヒッパーが実装されてから、ヒッパー級はヒッパーとオイゲンの2人だけの状態が長く続いた。(オイゲンのみサービス開始時点で実装、ヒッパー実装から3年後にヴェーザーが実装され、現在では5人揃っている。)
その為、必然的にオイゲンとのやり取りが最も多いのがヒッパーであり、おそらく多くのプレイヤーが「オイゲンと一番親しい姉妹はヒッパー」という印象を持っていると思われる。実際、イベントや派生作品では一緒に出ることが多い。
そんな背景を反映してか、オイゲンとヒッパーは対照的なキャラクター性が伺える。
体型に関しては作中でもよく引き合いに出されるが、例えば(ヒッパーはプロフィールが明記されており、)趣味や特技にギター、生け花、機械の修理、模型作り等が挙げられる。これらに共通することとして、知識や経験を必要とし、すぐに成せることではない。常に新しい娯楽を探すオイゲンとは対照的に、積み重ね・自己研鑽を重んじる人柄を読み取ることができる。ちなみにヒッパーの趣味・特技は全てが何らかの形で描写されている。(生け花だけ分かりにくいが、「激奏のポラリス」の頃の艦船通信にて盆栽が趣味のクリーブランドにアドバイスを送っているほか、植物を扱う趣味同士で意気投合している。)
びそくでの登場回もオイゲンとは別の年のバレンタインに近い時期で、こちらでも手先の器用さや機械修理の腕を発揮している。

そのヒッパー、攻撃的な口調と態度で誤解を招きやすいが、実際は真面目で協調性を重んじるKAN-SENである。「良識もある」と加えたいところだが、あまりにも辛辣すぎるデフォルト衣装の秘書艦ボイスを鑑みて保留とする。

そう、オイゲンの良くない行いを見ると指摘するのだ。
しかし、桃饅頭マヨ事件の際は、鉄血の名誉の為の否定しかしていない。そして「意外と」と前置きしていることから、ヒッパー自身は少なくとも「桃饅頭にマヨネーズをかけるという行為は普通ではない」と捉えていることが伺える。
つまり、「妹が他国の料理に奇妙な味付けをしていることを問題視しながらも黙認している」ことになる。
黙認している理由については色々考えられるが、これが仮に「日常的に行っているため指摘・矯正を諦めた」だとすると、やはりオイゲンはマヨラーであると考えられる。逆に「ここでマヨネーズを批判するとマヨネーズの脂肪分と自身の体型を引き合いに出されて煽られることを見越してスルーした」といった事情も考えられる。
(「普通ではない」と認識している桃饅頭マヨを「食べないとは言ってない」と口にした経緯としては、ヒッパーのプライドの高さから来る負けず嫌いが影響していると考えられる。またそんなヒッパーの性質をオイゲンは熟知しており、「押して引けば食い付いてくる」姉の扱いに慣れていることが伺える。)

【結論】

これ以上は判断材料がない為、現時点での結論としては、
「オイゲンが桃饅頭にマヨネーズをかけたのは新たな経験・刺激・快楽を求める挑戦心または好奇心からだと考えられるが、ヒッパーの反応から日頃からマヨネーズを好んで使う可能性は否定できない」
である。
ここまで長文を綴っておきながら、結局のところ「マヨラーか否か」を結論付けることはできなかった。

ただ、憶測の域を出ないが、なぜこのような描写がなされたか、筆者はひとつ心当たりがある。

【(仮説)声優ネタである可能性】

アズールレーンはいわゆる声優ネタが使われることがたまにあり、主に外部コラボで担当声優が被る場合に使われる傾向がある。また、今より砕けたキャラ付けだったリリース前の公式Twitter(当時)では、担当声優発表の際に声優ネタを用いることもあった。

(赤城役の中原麻衣は日ナレこと日本ナレーション演技研究所の卒業生であり、現在も同校のCMナレーションを担当している。後半は中原の代表作のヒロインらの能力及び印象的な台詞である。)
(ヴァンパイア、フォーミダブル、コラボキャラの水瀬伊織は全員担当声優が釘宮理恵である。)

プリンツ・オイゲンに話を戻すと、彼女の担当声優は佐倉綾音である。
佐倉の事細かな芸歴についてはここでは割愛するが、出世作のひとつに2013年の「ビビッドレッド・オペレーション」の「一色(いっしき)あかね」があるのはご存知だろうか。
ビビッドレッド・オペレーションは2013年の1月から3月まで放映されたアニプレックス系のオリジナルアニメであり、その後続編等は制作されていない。よくある10代の少女が変身して戦うアニメ作品なのだが、臀部の描写・アングルへのこだわりが特徴であり、話題を呼んだ作品としても有名である。
同作の主人公であるあかねは、「明るく活発、運動は得意で勉強は苦手」という元気なタイプの主人公としては珍しくないキャラクターなのだが、極度の「マヨラー」である。公式サイトのキャラクター紹介でもそう紹介されている程で、マヨネーズかけご飯は当たり前、マヨネーズのキーホルダー、発売されたフィギュア「ねんどろいど」にも小道具としてマヨネーズが付属する、病的な程のマヨラーなのである。

( https://www.vividred.net/chara/index.html#chara01  より引用)

ここまでの解説では、「昔のアニメで同じ声優が偶然マヨラーキャラを演じただけでは共通点としては弱くないか?」と思われるであろう。
だが、彼女のマヨラーとしての知名度は一部のアニメファン以外にも広まっていることをご存知だろうか。
その理由として、同作のPlayStation3専用ゲーム作品「ビビッドレッド・オペレーション あかねとマヨっとオペレーション!」の存在が大きい。これがクソゲーマニアの間で有名なのだ。
元々は、数ヶ月後に発売される同機種タイトル「ビビッドレッド・オペレーション -Hyper Intimate Power-」(以下本編)の有償の販促用ミニゲーム的な立ち位置だったのだが、本編の内容の薄さや自由度の低さがクソゲー界隈で話題になったことで、マヨっとオペレーション(以下マヨっと)の狂気にも注目が集まったとされている。
ゲームとしては、PS3のアナログスティックを回すことであかねの腕を操作し、どんぶりに盛られた白米にマヨネーズを盛り続けるだけの至ってシンプルな内容である。

( https://www.famitsu.com/news/201303/28031023.html  より引用)
なお、販売終了に伴い公式ページは既に消滅している。

重要なのは、その衝撃的なビジュアルが発展したのか、後にその年一番のクソゲーを決める有志活動「クソゲーオブザイヤー」の中で「マヨ」、または「ケツマヨ」なる派生キャラとして独自の進化を遂げたことである。
即ち佐倉は「一度極度のマヨラーキャラを演じたことのある声優」に留まらず、「ゲーム史に(良くない意味で)名を残す狂気のマヨラーを演じた声優」であると言えるのだ。
なお、本編・マヨっと共にダウンロード専売のゲームソフトであり既に販売終了している為、現在新たに購入・プレイする手段はない。(この方式を取ったことも2013年の据え置き部門の大賞に至った要因のひとつとされている。)

ここで問題の艦船通信のイラストを振り返ってみよう。

MAYO

「MAYO」
マヨはマヨネーズ全般の略称であり、広く一般的に用いられている略語なので、(桃饅頭にマヨネーズをかけるという行為の異常さに目を瞑れば)この場面で使われていても意味は通る。
しかしこの「MAYO」が同じ佐倉が演じた「マヨ」を示唆している可能性がないとは言い切れない。否定する資料がないのだ。
今回改めて調べても、
「フランス王族に生まれながらオーストリア側に就いて祖国と戦った軍人
 に肖って名付けられたオーストリア併合時代のドイツ海軍の重巡洋艦
 をモデルにした佐倉綾音が演じるキャラクター」
でマヨネーズに引っ掛かる部分がこれしかないのだ。
筆者は熱心な佐倉綾音のファンでも声優マニアでもないので調査が甘いとは思うものの、桃饅頭マヨの一件は「伝わりづらい声優ネタである可能性がある」という仮説を提唱するところで一旦終わりとさせて頂きたい。

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