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記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
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【一切攻略に関係しない紹介】アドミラル・ヒッパー級姉妹を振り返る。

【はじめに】

前回、「プリンツ・オイゲンはなぜ桃饅頭にマヨネーズをかけたのか」にて、アプリゲームを主軸とする作品群「アズールレーン」に登場するKAN-SEN(同作に登場する艦船を擬人化したキャラクター)、プリンツ・オイゲンのプロフィールを読み解き、なぜ桃饅頭にマヨネーズをかける奇行に及んだかを考察した。その中で彼女の「姉」にあたるアドミラル・ヒッパーの存在は大きなヒントとなった。
今回はプリンツ・オイゲン(以下オイゲン)への知見をより深めるにあたり、彼女の「姉妹」、つまりアドミラル・ヒッパー級(以下ヒッパー級)に着目することを目的とする。
今回は考察ではなく「キャラクター紹介」または「振り返り」である。

【前提条件及び諸注意】

〈取り扱う「枝」について〉

前回から延長であるが、プレイヤー側の母港に実装されているKAN-SENは陣営や勢力による対立がなく共生しているものとし、「艦船通信」や「1コマ」、「びそくぜんしんっ!」も同様とする。
なお今回はキャラクターによっては上記の「平和な母港」とは別にメインストーリー(イベント等で展開される各陣営の対立やセイレーン・エックスといった敵対勢力との戦いを描いたストーリー)での動向も取り扱うものとする。そのためネタバレを含むことはご留意頂きたい。

〈主人公組の扱い〉

今回はアドミラル・ヒッパー級の交友関係にも着目するが、彼女らとの交友関係として「主人公組」とよばれるラフィー 、ジャベリン、綾波、Z23の4名についてはカウントしない。メインストーリー以外のイベント等ではストーリー中でほぼすべてのKAN-SENがこの4名と面識・交流がある前提、または出会う形で進行する為である。「びそくぜんしんっ!(以下びそく)」が顕著である。

〈「姉妹艦」の扱い〉

アズールレーン(以下、本作)では、史実における同型艦・姉妹艦は基本的には「姉妹」として扱われることが多く、ヒッパー級もその例に漏れない。未成艦(史実においては実際に完成・就役しなかった艦船)や改装により艦種が変更されたり他国に移籍された場合も姉妹関係にカウントされる。
よってヒッパー級は
1番艦(長女):アドミラル・ヒッパー
2番艦(次女):ブリュッヒャー
3番艦(三女):プリンツ・オイゲン
4番艦(四女):ヴェーザー(2代目ザイドリッツ)
5番艦(五女):タリン(2代目リュッツォウ)
の5姉妹として扱う。

なお姉妹艦であっても姉妹設定ではない場合も存在する。例えばクイーン・エリザベス級でありながら、2番艦ウォースパイトはクイーン・エリザベスを「学友」と称しているほか、ボルチモア級の9番艦ブレマートンはボルチモアを「親友」としている。

〈計画艦の扱い〉

本作は(擬人化でない)艦船シミュレーションゲーム「World of Warships」との常設コラボコンテンツとして「特別計画艦」が実装されている。原案・計画自体は史実にある場合もあれば、完全にWoWs側の創作である場合もあり、「計画艦」はそれらの艦船をKAN-SENとして擬人化したキャラクターである。キャラクター付けについてはアズールレーン側の匙加減で行っているようで、派生元である既存KAN-SENとの関係は姉妹同様の扱いの場合もあれば言及されない場合もあり、扱いはまちまちである。
今回、改ヒッパー級のマインツは少なからずヒッパー級と交流が確認できるため、「ヒッパー姉妹の親戚」として取り扱う。

〈取り扱わない関連作品〉

アズールレーン関連作品のうち、スピンオフ漫画「碧き航路にバカンスを」と京楽産業のパチンコ「アズールレーン THE ANIMATION」及び後継作「異次元トリガー」については今回は取り扱わないものとする。
前者についてはバイブリーアニメーションスタジオ製作のアニメ版(以下バイブリー版)の関連作品という位置付けとのことだが、アニメ版に登場しないKAN-SENが数多く登場する他、言動や性格付けがゲーム本編やその他の関連作品と異なることも少なくない。これは同作の「辿り着いた離島での陣営の垣根を越えた共同生活」という主題によるものと考えられる。
同作で接点を持ったKAN-SENがその後の関連作品に反映されたり、独自設定が逆輸入された例は現時点ではない為、今回は取り扱わない。 
後者については単純に、筆者がパチンコの経験がない為である。探せる範囲で動画等も探したものの、同作独自のキャラクター設定等はなく、あくまでバイブリー版ベースと判断して今回は取り扱わないものとした。

〈取り扱わないグッズ〉

基本的に、「ゲーム中のイラストを流用したグッズ」は独自性に欠ける為、取り扱わないものとする。大陸版の公式カードゲームや国内でコラボ弾が販売された「ヴァイスシュヴァルツ」や「z/x」等のトレーディングカードゲームの一部レアカードには描き下ろしのイラストも存在する場合があるが、その殆どがキャラクター単体のイラストなので「交友関係」の裏付けにはならないと判断して今回は取り上げない。

また、店舗コラボに多い描き下ろしイラストにおいて同じ空間にいる場合も、独自にストーリー等が用意されていない場合は「外部コラボの実績」のみ換算し、「交友関係」には含めない。

( https://x.com/azurlane_bisoku/status/1384123072941158402 より引用)

例を挙げるとアニメ版びそくとアニメイトのコラボイラストがこちらになるが、オイゲンと主人公組(ラフィーとジャベリン)以外に大鳳とホノルルが並んでいる。
両者は作中、他のイベント等で接点がない限り「オイゲンとの交友関係」には含まないものとする。

〈その他用語集〉

今回、「そこまで深くアズールレーンのストーリーに触れていない方」を対象に、簡単な用語集を用意した。
あくまで「今回あると理解しやすい予備知識」かつ「初心者に最大限分かり易く噛み砕いたもの」であることはご留意頂きたい。

なお、今回も実在の人物名については敬称略とする。

【アドミラル・ヒッパー】

(艦船通信より)

史実においても実在するヒッパー級のネームシップである。
口調や態度で攻撃的と見られがちだが、実際は協調性を重んじる真面目かつ姉妹想いな長女である。オイゲン曰く「ツンデレまな板」。
サービス開始から3ヶ月頃のイベントで実装されて以来3年ほどはヒッパー級がオイゲンとヒッパーだったこともあり、姉妹の中では最もオイゲンとの絡みが多い。
基本的に「ヒッパー」と呼ばれる。

・プロフィール

アドミラル・ヒッパー級の長女。同型艦の中では一番胸が小さいもののプライドが高く、強がりで短気、よく機嫌を損ねる。指揮官には終始上から目線で馬鹿にするが命令にはちゃんと従う。妹のプリンツ・オイゲンによくいじられる。

(キャラクター紹介 https://x.com/azurlane_staff/status/943458562159738880 より引用)

古より人類を脅かす怪異「セイレーン」に対抗する、
人類海路保全組織「アズールレーン」に属する重巡洋艦。
妹曰く「ツンデレテンプレート」のような性格の持ち主。

(μ兵装版のキャラクター紹介 https://x.com/azurlane_staff/status/1187992470002421761 より引用)

妹であるプリンツ・オイゲンに並び、優秀な【鉄血】のエリート。
オイゲンとはまた別の方向性で素直ではなく、ぷりぷりしていることが多いが、それは気になる相手を前にしたときに限られる。
一言で表現するならば、「ツンデレ」に他ならない。
オイゲンにそのことをばっちり見透かされているためヒッパー本人としては不服なものの、姉妹仲は悪くない。
合同大演習には支援要員としての参加となり、一見すると不貞腐れているように見えて、内心ではオイゲンや他の人物との交流に胸を弾ませている。

(クロスウェーブ版のキャラクター紹介 https://www.compileheart.com/alcw/chara/?page=ch36 より引用)

好きなもの・こと:ビール、艤装(機械いじり)
苦手なもの・こと:妹たち(特にオイゲン)、もじもじする人
趣味:生け花
特技:ギター演奏

(クロスウェーブ ゲーム中プロフィールより)

手先が器用で、趣味や特技から凝り性な性格と思われる。苦手なものに「妹たち」と記載されるが妹たちへの面倒見の良さは度々描写されており、この自己申告こそが「ツンデレ」と呼ばれる所以と思われる。ただしオイゲンの酒癖の悪さや日常的な体型弄りに関しては、実際にストレスを抱えているとも考えられる。

(1コマより)

(グラーフ ・ツェッペリンの「無回答」やオイゲンの(秘密)といった表記から、クロスウェーブのプロフィールは自己申告がベースと解釈している。)

・容姿

金髪で姉妹中で最も小柄。実際にヴェーザーらが実装される前から「同型艦の中では一番胸が小さい」と明言されている。
前髪や横ハネからやや癖毛の傾向がみられ、アンテナ(いわゆるアホ毛)が頭頂部に1本生えているのが目立つ。
右目の下には泣きボクロが確認できる。
とにかく体型を話題にされることが多く、普段よりも胸が大きいと言われたASMRのパッケージイラストが修正されたり「ヒッパーのまな板」というグッズが公式で販売されたりとゲーム内外で取り上げられている。なお担当声優の山岡ゆりもこれらの扱いを認識した上で話題に上げている。(余談だが、ヒッパー級の担当声優のうちアズ生にゲストとして登壇したのは現時点では山岡のみ。)

キャラクターデザインを担当したNINのイラストによると、想定身長は146cm。
NINはあくまで「勝手なヒッパとブリの脳内設定」としているが、後述するMETAヒッパーのマフラーへの言及から、ある程度は公式設定に反映されていると思われる。

・ゲーム内外での登場頻度

ゲーム上では着せ替えは1種のみと少ないが、μ兵装1期に「Polaris」のメンバーに抜擢された他、伝統工芸の阿波藍コラボやASMR、まな板のグッズ化、World of Warships側での初年度のコラボでは艦長ボイスやイメージスキンの実装など、キャラクターとしては優遇されている部類である。またびそくにも登場し、キャラストーリーも実装されている。
オイゲンを除いた姉妹の中では、唯一バイブリー版及びクロスウェーブ、陣営別ドラマCDにも登場している。

( https://x.com/azurlane_staff/status/1527305385207422976 より引用。
なお、こちらは修正後のイラストである。)

・他の姉妹との関係

実装時期の関係でオイゲン以外の同時出撃専用ボイスはないが、北方連合に出されたタリンや改ヒッパー級のマインツも気にかけていることが艦船通信から確認できる。姉妹の艦船通信には必ずと言っていいほど高頻度で返信しているほか、ヒッパーは唯一(後述するオイゲンちゃんやマインツを含む)全員から何かしらの言及がある。長女として面倒見が良く、やはり妹たちが苦手というのは建前なのだと伺える。
なお、マインツによれば、マインツ・ブリュッヒャー・オイゲンとの大浴場での入浴に誘ったが断られたとのこと。おそらくヒッパーが自身の体型へのコンプレックスから断ったと思われる。

ブリュッヒャーは艤装も風呂に持ち込もうとしていたから、オイゲンと一緒になんとか止めた。それとヒッパーのことだが、どうやら一緒に湯に入るには抵抗があるようだ……

マインツ着せ替え「珈琲紗羅」詳細確認ボイス

・姉妹以外との交友関係

史実において因縁がある(ヒッパーが体当たりを受けた)ロイヤル(イギリスがモデル)のグローウォームとは非常に友好的な関係を持っていると思われ、専用ボイスや2人のスタンプがある他、ヒッパー側のキャラストーリーにも登場している。

(クロスウェーブより)

ギター趣味からかクロスウェーブではサンディエゴ・ホーネット・ダウンズらとバンド活動をしているほか、μ兵装実装以降はPolarisの他のメンバー(ガスコーニュ、赤城、クリーブランド、シェフィールドら)との付き合いも増えている。

(艦船通信より。隣はDOAXVVのコラボキャラの「なぎさ」。)
(クロスウェーブより)

陣営内でもよく名前が上がるほか、「姉・長女」としての部分から、妹想いなKAN-SENとの絡みもあり、攻撃的と捉えられかねない言動に反して交友関係は広い。

【アドミラル・ヒッパー(META)】

2024年12月のイベント「星降る夕影の残光」で実装されたMETA版のヒッパー。鉄血公国の世界は独自の時間軸と思われるが、フリッツ・ルメイらのレジスタンスには参加せず、同時に鉄血公国に指名手配を受けていることも明かされている。独自の時間軸であることから、「余燼」・「METAヘレナらの勢力」のどちらにも関係していないものと思われる。
このヒッパーはおそらく「星の獣」の3度目の襲来でブリュッヒャー・オイゲンと死別しており、それ以降は単独行動で妹らの仇を討つべく各地で戦い続けているものと思われる。

・容姿

体型や髪型は元のヒッパーと変わらないが、顔付きはやや険しい。ただ顔差分においては元のヒッパーよりも表情豊かであり、特に笑顔は妹のブリュッヒャーを彷彿とさせる。
また、妹らの遺品と思われる装飾や艤装を身に付けていることがわかる。

META艦船の仕様上着せ替えや外部コラボは現時点では前例がない為、プロフィールやゲーム内外での登場頻度については割愛する。

・他の姉妹との関係

プレイヤー側の母港においてブリュッヒャーとオイゲンが平和に暮らしていることに安堵している様子が伺える。
鉄血公国の世界におけるヴェーザーやタリンの処遇には触れられていないが、少なくとも史実において就役した妹2人への愛情が伺える。

・姉妹以外との交友関係

罪状は不明ながらも指名手配犯とされているが、ルメイらレジスタンスもヒッパーを売るようなことはせず、レジスタンスの協力要請にも応じていることから、それなりの信頼関係があることが伺える。(デュイスブルクらの発言から、ヒッパーの境遇・心情を汲み取った上で気を遣っていると考えられる。)
他の既存鉄血KAN-SENの「鉄血公国の世界」での安否はわからず、ストーリー中でもMETAヒッパーの台詞でも確認できる情報はない。

【ブリュッヒャー】

(1コマより)

史実でも就役したヒッパー級の2番艦。
史実においては就役から半年で撃沈した不遇なカンレキを持つが、本作におけるブリュッヒャーは感情豊かで明るく人懐っこいキャラクターとして描かれている。指揮官(プレイヤー)への好感度も初期時点で高いと思われ、「大大大好き」という言葉を惜しみなく使う。
ヒッパー級においては最も遅く、2022年8月に実装された。

・プロフィール

鉄血所属、アドミラル・ヒッパー級の重巡洋艦。
元気であざとく、指揮官への愛情アピールが目立つハイテンションガール。
いざという時は頼りになる…かもしれない?
「にゃは☆」

(キャラクター紹介 https://x.com/azurlane_staff/status/1558299134712418304 より引用)

現時点ではこれ以外のプロフィールは存在しない。
イベントや艦船通信、1コマにおいては明るく行動的で素直な性格が確認できる。語尾に☆が付くことが頻繁にあり、「にゃは☆」が口癖。
その明るさ・素直さについてはビスマルクZweiが羨ましいと吐露するほどである。

時々ブリュッヒャーを羨ましく思う。あの子はどんなときでも素直に胸中を打ち明けられるのに、私は……ふふふ、さすがにあなたも私にそんな風になってほしくない……かしら?

ビスマルクZwei メイン6Exボイス

・容姿

次女にあたる為か、目の色を除いてヒッパーと似た容姿だが表情は明るく、より幼く見える。髪型はほぼ同じでアンテナ(アホ毛)は1本。
キャラクターデザインについては(上記イラストの投稿タイミングから)おそらく原案はヒッパーと同じくNINが担当したと思われ、上記のイラスト(「勝手なヒッパとブリの脳内設定」)によると想定身長は154cmで、デフォルト衣装もヒッパーと共通。マフラーはヒッパーが贈ったものとされている。体型だけはあまり似ていない。
このマフラーについてはヒッパーも思い入れがあるようで、ブリュッヒャーと死別した「鉄血公国」の時間軸ではMETA化したヒッパーの元に戻っている。METAヒッパーの親密度が上がっても、このマフラーだけは誰にも触られたくないと語っていることから、ほぼ公式設定と考えて差し支えないと思われる。

・ゲーム内外での登場頻度

登場が遅かったこともあり、クロスウェーブやびそくといった派生作品での出番は少ないが、着せ替えは2種実装されている。キャラストーリーも実装済み。
また大黒湯の銭湯コラボ(1年目)ではデフォルメイラストのみだがグッズ類に採用された他、アズ旅in沖縄でもコラボキャラクターの1人として採用されている。

( https://shop.yostar.co.jp/products/detail/1487  より引用)

ブリュッヒャーは実装こそ遅かったものの、おそらくサービス開始1年を迎えた頃にはキャラクター性が定まっていたと思われ、ヒッパーに対してコメントしており、特徴的な「にゃは☆」もこの時点で使われている。

・他の姉妹との関係

やはりオイゲン・ヒッパーとの絡みが多い。オイゲンがヒッパーの体型いじりが多いのに対し、ブリュッヒャーはヒッパーの素直でない言動への言及が多い。ただ、自身の体型について「オイゲンちゃんほどではないけど、ヒッパーちゃんよりは〜 にゃは☆」と発言している。
ヒッパーからは(ヒッパー実装時点で)「ブリュッヒャー、今度こそ守り切ってやるわ!」と言及されている。この2人には基本的にちゃん付けで呼ぶ。
実装時期の関係か、ヴェーザー・タリンからの言及はなく、ブリュッヒャーからもない。これは憶測だが、史実において両者のその後の境遇を知ることなく早期にブリュッヒャーが撃沈したため、「妹が生まれる前に死去した姉」としてみれば言及がないのも辻褄が合う。
なおオイゲンとの同時出撃時の専用ボイスに「金髪にしてやる〜」があるが、ヴェーザーとタリンを妹だと知らないとすれば、「姉妹で一人だけ髪の色が違う」と思うのも無理はないのかもしれない。(ただしヴェーザーについては「結像点作戦」においてZ16の「敵の駒にお前の妹もいた」という発言に対して「ザイドリッツのこと?」と返していることから、ブリュッヒャーは少なくとも「ザイドリッツという妹がいる」という認識はあると思われる。)
ブリュッヒャーの性格上ヴェーザーやタリンを妹と認めないとは考えづらいので、今後のアップデートに期待したい。
マインツに対してはブリュッヒャー側からの言及はないものの、前述したようにオイゲンも含めて大浴場に行く程度には付き合いがあると思われる。

・姉妹以外との交友関係

ビスマルクはブリュッヒャーの行動姿勢を問題視する一方、前述したとおり明るく素直な人柄を評価している。
「結像点作戦」においてZ16とタッグを組み、作戦上の敵役となったブリュンヒルデにも初対面ながら友好的に接しているほか、ビスマルクには作戦要項をろくに読んでいないことに苦言を呈されている。
同作戦でブリュッヒャーは鉄血の仲間の「駒」多数と対峙するが、そのリアクションを確認すると
・Z46やグラーフ・ツェッペリンの調整は終わっていない(実戦投入されていない)はずと認識しており、グラーフの艤装の迫力に驚いている。
・「グラーフの妹」(ペーター・シュトラッサー)の名前を知らない。
・Z16から聞いた自身の妹(ヴェーザー)を「ザイドリッツ」と旧名で認識している。
・「再現」におけるビスマルクの顛末を知らず、連絡が来ないことをオイゲンに尋ねる。
・それに対してオイゲンは「「再現」の影響がまさかここまで…?」と戸惑う。
といったように現在の状況と本人の認識が噛み合っていない、俗に言う「浦島太郎状態」に陥っていると思われる。

これらのことから、やはり史実における撃沈されて以降の戦況・仲間や姉妹のその後を認識できていない可能性が高い。(「結像点作戦」に登場したブリュッヒャーとプレイヤー側のブリュッヒャーは別個体とも考えられる。「結像点作戦」そのものの考察については今後行いたい。)
なお本人がそれを「死」と捉えているかは不明だが、史実における死因である「ヴェーザー演習作戦で要塞砲にボコボコにされた」というカンレキそのものは認識している。(自己紹介ボイスより)
個別のキャラストーリーも、途中でオイゲンが冷やかしに来る以外は終始ブリュッヒャーと指揮官の2人きりで進行する為、指揮官と姉妹(ヒッパーとオイゲン)以外への言及はあまり多くない。

かといって出番がないわけではなく、イベント「ゼロから頑張る魔王討伐」ではVR内で魔王側幹部として登場している。
艦船通信においては陣営内だとエムデン、陣営外ではギシャンの投稿に返信しているほか、記念イラスト等では鉄血陣営の飲み会に参加している様子も確認できる。
なお筆者はアズ旅in沖縄には参加していないので、そこでの独自ストーリーがあったのかは確認できていない。
(1/25追記)

アズ旅in沖縄参加者から情報提供を頂いたので追記。
沖縄旅行においてもブリュッヒャーは「指揮官とのデート」と認識しているほか、やはりオイゲンとヒッパーへのお土産を選んでいる。

【プリンツ・オイゲン】

(艦船通信より)

3番艦。サービス開始時から登場。
基本的なプロフィールやゲーム内外での登場頻度については、前回深掘りしたので割愛する。
基本的に「オイゲン」と呼ばれることが多い。

・容姿

銀髪に赤メッシュ。前髪には多少癖毛の傾向がみられる。アンテナ(アホ毛)は頭頂部に2本、結んだ側面に各2本と多い。
体型についてはグラマラスな部類。特記事項として右乳房の側面にホクロがある。

・他の姉妹との関係

出番が多いこともあり、(仮想の)幼少期の自身であるプリンツ・オイゲンちゃんを除いて(マインツを含む)全員から何かしらの言及がある。バイブリー版やクロスウェーブ、陣営別ドラマCDではヒッパーと共に登場している為、全体を通して見るとやはりヒッパーとの絡みが最も多い。
オイゲンは基本的に二人称・三人称は敬称は付けずに名前・愛称が多いが、ヒッパーに対しては「姉さん・お姉ちゃん・ヒッパーちゃん・ヒッパー」とレパートリーが豊富である。単に表記揺れ・擦り合わせの不足である可能性も否定できないが、テキストの傾向としては基本的には「姉さん」、煽る時には「お姉ちゃん」「ヒッパーちゃん」、三人称として「ヒッパー」が多い。ブリュッヒャー実装までは「姉さん」=ヒッパーを指していたが、ブリュッヒャーの方は「ブリュッヒャー姉さん」と呼び、煽る際は「甘々ブリュッヒャーちゃん」が確認できる。

・姉妹以外との交友関係

繰り返しになるがオイゲンは各媒体で出番が非常に多く、メインストーリーにおいても外交役のような立ち位置にいる為、少しでも関わり・言及があるKAN-SENを羅列すると途方もない分量になってしまう。
今回は「個別ボイスでオイゲンについて複数回、または媒体を跨いで交友が認められるKAN-SEN」に限定する。
(例えば、Z2は「翳りし満ちる影の華」以降はオイゲンの付き人・副官といった役回りとなっているが、双方の各種ボイスにおいての言及は一切ない。同じ陣営の仲間としてそれなりの付き合いはあると思われるが、今回は取り扱わないものとする。)

〈鉄血陣営内〉
ビスマルク:信頼し自身の右腕と認めながらも「何を考えているかわからない」と評している。同時にオイゲンに振り回されることも多く、ビスマルクが露出度の高い服を着ている場合、オイゲンが入れ知恵していることが多い。バイブリー版、クロスウェーブにおいても自身の代理としてオイゲンを鉄血の代表者に立てている。

ライプツィヒ:史実において様々な不運が重なり、味方であるプリンツ・オイゲンに追突されて大破したカンレキから、オイゲンを苦手(怖い)としている。ただしこれは最初期の設定であり、着せ替え「フロントウェイ・トレーニング」の台詞から、その頃には和解していると思われる。なおライプツィヒが事実上の主人公となる陣営別ドラマCDでも関わりがあるが、こちらではカンレキ由来の苦手意識ではなくライプツィヒ自身の人見知りが苦手の理由となっている。

さかなきゅんのことですか?オイゲン姉ちゃんにお願いして、面倒を見てもらっています…

ライプツィヒ着せ替え「フロントウェイ・トレーニング」メイン1ボイス

〈他陣営〉
プリンス・オブ・ウェールズ:ロイヤルの戦艦。史実におけるライン演習作戦からの因縁とされているが、本作において「ライバル」といった関係性はあまり見られず、プレイヤー側の母港では「腐れ縁の友人」といった関係性に近いと思われる。サービス開始最初期の水着着せ替えで双方に言及があり、それ以降もウェールズの着せ替えではたびたびオイゲンについて言及しており、気に掛けている様子が伺える。そんなウェールズもオイゲンに関してはやはり「何を考えているのか分からない」と評している。
クロスウェーブにおいては、演劇をやったり共にオフニャカフェに入り浸る様子が伺える。

(クロスウェーブより)

バイブリー版では本編中では直接的な関わりはないものの、キャラクターソングが2人のデュエットとして発表された。更にCD版では本編の後日談と思われるボイスドラマが追加されているが、こちらではオイゲンがウェールズに興味を持って接触している。

加賀(空母):空母としての加賀は、初年度の年末年始ミニイベント「謹賀新年」から度々オイゲンとの交流があり、主に酒絡みの話題が多い。着せ替え「白狐賀正」で酔い潰れたオイゲンの介抱を行っているほか、艦船通信では逆に日頃のストレスからか泣きながら酒を飲む加賀をオイゲンが宥めている。バイブリー版の6.5話ではやはり泥酔したオイゲンが加賀に絡んでいるほか、本編エンディングのイラストでも同様の光景がみられる。本編では赤城の暴走に付き従う役回りから荒んでいく加賀を煽りつつも気に掛けている様子がみられる。

(艦船通信より)

また、クロスウェーブにおいては後輩・部下の教育方針について語り合う様子も描かれている。

(クロスウェーブより)

能代:ボイスでの言及はないものの、ゲーム本編中の両者の関係が「枝」によって大きく異なる例として特筆する。
メインストーリーのイベント「翳りし満ちる影の華」では味方(同盟国)であるオイゲンから(侮辱に近い)挑発を受けて戦闘になる。赤城が仲裁して事なきを得たが、後にびそくの単行本版でプロフィールが公開された際には苦手なものとして「挑発してくる人」が記載されている。

(「翳りし満ちる影の華」より)

一転して、イベント「共鳴のパッション(μ兵装3期)」では両者がμ兵装を獲得、後述するフォーミダブルを含めた3人で「Alizarin」として活動している。特別仲が良いとされる描写はないものの、特に気まずい様子もなく接している。なお、μ兵装版は両者共に同時編成時の専用ボイスが用意されている。

( https://www.azurlane.jp/special  より引用。
なお、このイラストを含む一部のスチルは同URLから壁紙として配布されている。)

・フォーミダブル
こちらも「Alizarin」の仲間。
μ兵装版のみ相互に同時編成時の専用ボイスがあり、自身の体重を気にしながらも食べるのが好きなフォーミダブルに対し、甘いものは控えるように釘を刺している。
これ以上の言及はないものの、前回の考察によりオイゲンもおそらく甘いものが好きであると思われることから、趣味が合う者同士と考えられる。

(https://spice.eplus.jp/articles/283286 より引用)

また、アニメ版びそくのBD版の店舗特典では両者の描き下ろしのアクリルスタンドが配布されたことがある。μ兵装実装前であり、これだけでは今回の「交流」の条件には換算されないが、共鳴のパッションでAlizarinが結成されたことで後天的に意味が成されたと言える。
ここからは憶測ではあるが、前述した能代の「挑発してくる人が苦手」というプロフィールとオイゲンの「コミュニケーションの一環として挑発を行い、真面目な相手ほど揶揄いたくなる」という悪癖から、両者の人格的な相性は本来あまり良くないものと考えられる。Alizarinが活動できているのはフォーミダブルが両者をうまく取り持っているためではないか、と筆者は考えている。
(フォーミダブルは求められるロイヤル貴族らしい振る舞いをする一方でそういった堅苦しさを煩わしいと感じており、「俗っぽい」とされる素の人格は貴族然とした姉たちよりも現実的に物事や戦局を捉える能力に長けている。)

【プリンツ・オイゲンちゃん】

毎年5月恒例の(仮想の幼少期とされる)リトル艦船版のオイゲン。読書が好きで酒は苦手。
後発のリトル艦船は実装時のストーリーがない為他者との関わりが分かりにくいが、「リトル学園へようこそ」に登場した際の言動から、通常オイゲンでみられる社交性やノリの良さはこの時点ではみられない。実装はブリュッヒャーより少し早い2022年4月(イベントの仕様上正式加入は最速でも月を跨いで5月になる)。

・プロフィール

「指揮官、そろそろおやつの時間にしない?ふふふ、もっと、もっとよ♪」
小さくてもミステリアス(?)な雰囲気を纏うプリンツ・オイゲン。
素直じゃない長女もその挑発(?)を可愛らしく思っている。

(キャラクター紹介 https://x.com/azurlane_staff/status/1519300360829308931 より引用)

・容姿

ほぼそのままオイゲンを幼くしたような見た目だが、元のオイゲンよりも全体的に癖毛が強いと思われる。
艤装に落書きしたり、饅頭が焼かれている絵を描いていたりと子供ゆえのやんちゃさや残酷さが垣間見える。
リトル艦船も仕様上着せ替え等は前例がなく、現時点ではゲーム外の出番はない。(第一号のベルちゃんに限り、びそくやTVCMに登場するほかロイヤルメイド隊のコラボカフェにも採用されている。)

・他の姉妹との関係

現状ではヒッパーに対してのみ言及があるが、「にゃは☆」という発言からブリュッヒャーの影響もみられる。(ブリュッヒャー実装より前だが、前述したように、ブリュッヒャーのキャラクター性と「にゃは☆」は早い時点で定まっていたことや、ブリュッヒャーは少なくともオイゲンについては自分の妹と認識していることから「姉の影響」と考えて不自然ではない。)
また明言こそされていないものの、ヒッパーはおそらく嫌がるオイゲンちゃんに酒を飲ませていると思われる。KAN-SENでなければ虐待と取られかねない行動であり、通常オイゲンの酒癖の悪さに悩まされているヒッパーがわざわざオイゲンちゃんに苦手な酒を飲ませる理由は不明。
(敢えて飲酒させてトラウマを植え付けることで酒嫌いにさせる為と考えられなくもないが、ベルちゃん実装時の説明からリトル艦船はあくまで仮想の幼少期とされる別個体なので、仮にオイゲンちゃんを酒嫌いにさせたところで通常オイゲンに影響を与えるとは考え難い。)

【ヴェーザー】

(艦船通信より)

史実においては4番艦ザイドリッツ(2代目)として建造されていたが、後に護衛空母ヴェーザー1に改修が決まるも完成に至らず、就役することはないまま自沈している。本作においては改修後の軽空母「ヴェーザー」として実装されている。
2020年12月に実装され、ヒッパー級としては3番目の実装となった。

・プロフィール

「ザイドリッツ」という名前で設計され、重巡洋艦から空母へと変更されたカンレキを持つ。
いかなる状況においても冷静沈着で、余裕のあるように振る舞うが、時々無感情だと勘違いされることも…?

(キャラクター紹介 https://x.com/azurlane_staff/status/1342312767500402688 より引用)

現時点ではこれ以外のプロフィールは存在しない。
他の姉妹と比べて感情の起伏が少なく、落ち着いた印象を受ける。
無表情というわけではなくボイスや着せ替えからも怠惰な印象は受けないものの、「のんびりしたい」といった台詞がところどころにみられ、同時実装されたペーター・シュトラッサーの時間を気にする性格について遠回しに苦言を呈していることや戦禍の中でもコーヒーを嗜む1コマなどから、マイペースな性格が伺える。

(1コマより)

これは筆者の憶測に過ぎないが、入手時ボイスの「したかったこと・あの時の心残り」については、「完成・就役して仲間や姉妹を守ること」と「KAN-SENとして自我を持って生きること」両方の意味を持っているものと考える。前者については前衛にシールドを付与するゲーム中のスキルやヒッパーまたはオイゲンとの同時出撃時の専用ボイスから読み取れる。後者については「のんびりするのが好き」という多くの台詞や趣味を探しているような描写、また史実においての境遇から「時間に追われず好きなことをしたい」といった願望が読み取れる。

・容姿

艦種が変わった為か、他の姉妹とはあまり似ていない赤髪のショートヘア。辛うじて後ろの外ハネになっている部分がヒッパー級共通の癖毛とも解釈できる。アンテナ(アホ毛)は生えていない。
デフォルト衣装の軍服はヒッパーらと異なり、白を基調としている。
やはり体型についてはオイゲンに近い。

・ゲーム内外での登場頻度

着せ替えは4種と姉妹の中ではオイゲンに次いで多い方だが、その他の媒体や各種コラボでの出番は現時点ではない。英語版の4周年PVではオイゲンと共に登場し、ゲーム中よりも表情豊かなヴェーザーが確認できる。

( https://www.youtube.com/watch?v=rjGnIeSpAOM  より引用)

・他の姉妹との関係

ヒッパーやオイゲンと共に戦えることを素直に喜んでおり、同時編成で「安心して行って、援護するわ」という専用ボイスも存在する。
オイゲンの酒癖の悪さにも言及しているほか、後述のマインツの艦船通信にも返信している。

・姉妹以外との交友関係

同時期に実装されたペーターの手腕について優秀だと認める一方で時間にうるさい性格は苦手としている。艦船通信からエルベの「ワルイコ芸」にも理解した上で付き合っていることもわかる。前述した英語版の4周年PVでは、マクデブルクと仲の良い様子が伺える。

( https://www.youtube.com/watch?v=rjGnIeSpAOM  より引用)

フリードリヒ・デア・グローセに対しては、同時編成の専用ボイスで「計画」に関する疑問を投げ掛けている。これは純粋に計画の内容を知りたいのか、フリードリヒに疑いの目を向けているのかどちらとも取れる。
また、先代ザイドリッツにいつか会いたい旨のボイスがあり、2022年4月末には先代ザイドリッツが実装された。

【タリン】

(艦船通信より)

史実における5番艦リュッツォウ(2代目)だが、史実どおり(ソ連をモデルとした)北方連合に移籍されたペトロパブロフスク→タリンとして2021年2月に実装された。ヴェーザーの実装から2ヶ月後、ヒッパー級としては4番目の実装となった。

・プロフィール

アドミラル・ヒッパー級重巡洋艦「リュッツォウ」としてのカンレキもあった重巡洋艦。 規則や「役割」を重んじ、常に主導権を握りたがるのは、 艦船として戦う存在だからだけでなく、自身の「本心」にも起因している。

(キャラクター紹介 https://x.com/azurlane_staff/status/1363830330570854402  より引用)

好きなもの・こと:鉄血ビール、北方連合のコーヒー(とホットココア)
苦手なもの・こと:ヴォッカ、もじもじする人
一人称:私
趣味:ギターの練習
特技:不明

(びそくぜんしんっ! プロフィールより)

ヒッパーとは趣味や嗜好が似ているが、言動はヒッパーよりも更に攻撃的で、指揮官に対しても常に優位に立ちたがる傾向がみられる。ただ、指揮官を上官であることは理解しており、台詞の内容・任務に対する姿勢自体は至って真面目な部分もヒッパーと共通する。
史実において、条約によりソ連に売却されたのちソ連が祖国ドイツと開戦することとなり、未完成状態で砲台として運用された複雑なカンレキからか、キャラクターとしても他の姉妹と比べてやさぐれた印象がみられる。後述する装飾やびそくでの私室、ゲーム中の発言からサディスティックな傾向もみられる。
本作においては北方連合の仲間ともそれなりに親しく接している様子もみられるが、ビールが好きでウォッカは苦手という酒の趣向や鉄血の装備でもバフ対象となるスキルから、鉄血出身であること、鉄血への郷愁または未練を感じさせる。

・容姿

銀髪でオイゲンとは逆の位置に赤いメッシュが入っている。アンテナ(アホ毛)はみられないが後ろ髪は癖毛がみられる。耳には刺々しいピアスが複数付いている。

帽子を外してもアンテナは確認できない。

こちらもデフォルト衣装は白を基調としているが、ヴェーザーのグレー寄りの白とは異なり北方連合に多い雪のような白や寒冷地の防寒着のようなファーが特徴的である。
体型もオイゲンに近く、こちらは右乳房の内側にホクロが確認できる。

・ゲーム内外での登場頻度

着せ替えは2種実装されており、びそくでも登場している。各種コラボでの出番は現時点ではないが、姉妹で唯一実装発表時にアズ生でのKAN-SEN本人及び担当声優からのボイスメッセージが公開された。
(余談だが、タリンの担当声優である下屋則子の代表作に、Fateシリーズの間桐桜がいる。間桐桜に関する詳細は割愛するが、「家系・親同士の取り決めで養子に出されて後に元の実家・実の姉と敵対する立場になる」というバックボーンはタリンと似た境遇が感じられる。タリンより先に実装された(同作でセイバーを演じた)川澄綾子演じるキング・ジョージ5世に同作を彷彿させる台詞があることから、タリンのキャスティングはこれを意図したものではないかと筆者は邪推している。)

(キング・ジョージ5世が激辛麻婆豆腐を作り女王陛下に振る舞うキャラストーリー)

・姉妹との関係

北方連合所属ということもあり、他の姉妹との絡みは少ないが、趣味が合うヒッパーとは姉妹としての付き合いが描写されている。(艦船通信では一緒に飲みに行っていたり、1コマではギターのセッションを行っている。また本人も「ヒッパーとは気が合う」と発言している。)

(1コマより)

また、(実装時期の関係か)ブリュッヒャー以外の姉妹との同時編成で「様になってるじゃない」と肯定的な専用ボイスがあることから、姉たちに対してネガティブな感情はそこまで持っていないと思われる。

・姉妹以外との交友関係

やはり北方連合コミュニティでの出番が多く、中でもキーロフとは仲が良いのか相互に同時編成の専用ボイスが存在する。
姉妹を除いた鉄血陣営については、ドイッチュラント(3代目リュッツォウ)との同時編成で「名前がややこしい」という専用ボイスがある。

【マインツ】

(艦船通信より)

World of Warshipsとの常設コラボの3期で実装された改ヒッパー級の軽巡洋艦マインツ。史実におけるザイドリッツ以降のヒッパー級の原案からの派生であり、デザインやマインツという名称はWoWsの創作と思われる。(ドイツの軽巡洋艦の名称は都市名から取られる通例に基づいてはいる。)
史実におけるヒッパー級の姉妹ではないが、ヒッパー級からの派生ということでヒッパー姉妹の親戚といった立ち位置である。人間社会でいうところの従姉妹(いとこ)といったところだろうか。
ヴェーザーより約半年早い2020年7月に実装された。

・プロフィール

アドミラル・ヒッパー級の別案として設計案が存在した巡洋艦。
律儀で責任感が強く、無我夢中で指揮官と艦隊の為に尽力してくれる。
コーヒーへのコダワリだけ指揮官相手でも決して己を曲げない。

(キャラクター紹介 https://x.com/azurlane_staff/status/1279690897701998592 より引用)

現時点ではこれ以外のプロフィールは存在しない。
ステレオタイプの生真面目な軍人といった性格付けだが、とにかくコーヒーへのこだわりが強い。母港にコーヒーメーカーがないことを嘆き、ブラックコーヒー以外認めず、ミルクや砂糖を入れるのは「冒涜」と豪語する。
本作、特に鉄血陣営に多い計画艦や未成艦が抱えがちなカンレキがないことに対する不安やコンプレックスについては、「戦績か…… 今日から数えるとしよう」と前向きに捉えていることが伺える。

・容姿

銀髪で編み込みを後ろに回したロングヘアで、癖毛はみられないがアンテナ(アホ毛)はヒッパー同様に頭頂部に1本みられる。
(立ち絵では2本にも見えるが、SDでは1本となっている。)

目のハイライトは控えめで目の下に隈のようなものがみられるが、これはコーヒーに含まれるカフェインの過剰摂取によるものなのではないかと筆者は考えている。
デフォルト衣装の軍服はヴェーザー同様白を基調としている。2代目ザイドリッツ(ヴェーザー)の原案をモデルにしたキャラクターであると考えると、結果的に似たデザインになっているところに因果が感じられる。
体型についてはオイゲンに近く、デザイン元であるWoWsにおいても3Dモデルのベースもプリンツ・オイゲンと思われる。

・ゲーム内外での登場頻度

同期(開発3期)は続々と着せ替えが追加され、チェシャーに至っては明らかに優遇される中、マインツだけはなかなか着せ替えが実装されない憂き目に遭っていたが、現在では1種類実装されている。その他の媒体や各種コラボでの出番は現時点ではない。(常設コンテンツなため忘れがちだが、マインツを含む計画艦自体が一応はコラボコンテンツである。ただし計画艦も各種コラボへの登場実績はあり、鉄血陣営においては先輩(1期)のローンや後輩(4期)のエーギルの登場頻度の高さを鑑みるに、やはり不遇と言わざるを得ない。)
コーヒーへの造詣が深いというアイデンティティを持つ反面ブラック至上主義という思想が災いして、そういったコラボとの相性がよくないのではないかと邪推してしまう。
(1/25追記)2025/1/25のアップデートにて2着目にして初のLive2D付きの着せ替えが実装された。翌日には「びそく」にも登場し、不遇といった扱いから脱し始めていると思われる。

・ヒッパー級との関係

満を持して実装された着せ替えにて、ヒッパー・ブリュッヒャー・オイゲンへの言及がある。大浴場に誘う程度には親交があり、ヴェーザーとも艦船通信でやりとりが確認できる。
(1/25追記)
着せ替え「珈琲紗羅」では大浴場に誘ったヒッパーから断られていたが、続く着せ替え「セレニティ・ブレンド」では「ヒッパーがこの衣装のデザインをどうやら気になっているようで、この間じっと見られていたのだが…彼女にも一着用意したほうがいいだろうか?」と発言している。おそらくヒッパーが気にしていたのは衣装そのものよりもマインツの体型の方であると考えられ、これらのことからマインツの善意が結果的にヒッパーのコンプレックスを刺激してしまう関係性が伺える。

・姉妹以外との交友関係

上記のヒッパー級を除いてKAN-SEN個人に対するボイスでの言及はないものの、いずれかの鉄血計画艦との同時編成で専用ボイスが存在する。
メインストーリーにおいてはローンと共に鉄血艦隊の援軍として登場しているほか、艦船通信ではコーヒーを嗜むエーギルに反応している。1コマではヒンデンブルクに反応していることから、やはり鉄血計画艦のコミュニティに属していると思われる。

(1コマより)
マインツが登場する艦船通信の書き起こし。
1段目はエーギルのコーヒーに反応するマインツ、2枚目はヒッパー級とのやりとり。

(1/25追記)
「セレニティ・ブレンド」実装時の艦船通信にて、ミルクティーについて「お茶に牛乳や砂糖を入れるなど……東煌の子が見たら怒りそうだ」との投稿があった。これによって従来「ブラックコーヒー至上主義者」と思われていたマインツの思想は「出されたものの味付けを変える行為は提供者に対する無礼に相当する」といった意味合いも含まれていると考えられるようになった。

【最後に】

以上、「ヒッパー級」に関連する計8体を振り返った。
(このほかゲーム上は別個体扱いのヒッパー・オイゲンのμ兵装がいる。)
今回はここからの考察等はないので、これで終わりとなる。
今回改めてイベント中の動向やボイス等を調べなおしたが、やはりヒッパーの面倒見の良さが目立ち、ネームシップであり長女として慕われているさまが伺えた。対してブリュッヒャーは本人の明るい性格の一方で本人の認知に若干の不穏さも感じられた。実装時期の都合もあると思われるが、今後の掘り下げや、現状では言及のない妹たちとの絡みに期待したい。

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