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博物画を描き始めた頃

文化財を写していて、凄いなーいいなーと感じる事は多く、自分でもこんなの描けたらなーという憧れをもっていたのですが、写す事は出来ても自身のオリジナルが描けるという実感は無くそれは別世界の事。
そんな事が出来るのは特別な人だと壁を作ってしまっていました。

貴重文化財の公式レプリカを作る仕事で得た技術や知識を使って日本の古画みたいなモノを描き始めるには、自分で作ってしまった壁を乗り越える必要がありました。すでに有る絵を写す事と、何も無いところから絵を構築する事は全く違うと思っていたからです。

でも、それってそんなに違いがあるのか?

写す事が仕事なので、それ意外に興味が無ければ写す事以外はしないでしょう。
一から描く事と写す事は違う。だけど、それは地続きになっていて、その気になれば移動出来るものだと気が着きました。

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