【老いの克服】 細胞のリプログラミング【未来寄付 / Future寄付】
ジェンロトロジー、そして、老いの克服??
年々、先進国は高齢化が進んでおり、「人生100年時代のリテラシー」を獲得すべく、「ジェロントロジー」※ が重要視されています。
【ジェロントロジーとは?】
※加齢に伴う心身の変化を研究し、高齢社会における個人と社会の様々な課題を解決することを目的とした、AGING(加齢・高齢化)を科学する学問
確かに、高齢社会において生き生きとした社会であることは非常に重要です。老いへの対応、ないしは、健康寿命を伸ばすための対応なども、これに含まれます。
しかし、私は、Futurist(フューチャリスト)として、「そもそも問題自体を根本的に無くしてしまうアプローチ」として、「老いの克服」に関心があります。
つまり、歳を取らない、ないしは、若返る、といった可能性です。
これは、生物工学(バイオインフォマティックス)が発達しつつある21世紀であれば、挑戦可能なテーマかもしれません。
老いへの克服のアプローチについて
では、生物工学的に(ないしは再生医療的に)、現状はどのような研究が進んでいるのでしょうか?
それについては、こちらのnoteが非常にわかりやすいです。
主に、以下の4つアプローチについて記載されています。
i. パラバイオシス(血液交換)
ⅱ. 代謝のコントロール
ⅲ. 老化細胞の除去
ⅳ. 細胞のリプログラミング
特に私は、「ⅳ. 細胞のリプログラミング」について関心を持ちました。
なぜなら、これが可能なら、寿命を引き伸ばすどころではなく、若返らせ続ける=死なない、といった可能性までありうると考えたからです。
細胞のリプログラミングとは?
「リプログラミング」とは「初期化」、つまり巻き戻し的なことを指すようです。
われわれの身体を構成する膨大な数の細胞は、もともとはたった1個の受精卵、すなわち精子と卵子が一緒になった1個の細胞からできてくるわけですが、最終的に細胞分裂によって各機能が構成され体が出来上がります。その際には、少なくとも、計算上は60兆個ぐらいの細胞で成り立っていると言われます。
参考(図):https://www.jpte.co.jp/introduction/tales/02/index.html
逆に言えば、それら60兆個の細胞は、最終的に体を構成する時点では、それぞれの機能を持つ細胞になっているわけですが、元を辿れば、どんな細胞にもなりうるものだったわけです。つまり、体にある細胞を、どんな細胞でも良いので抽出して、それが「リプログラミング」できれば、またどのような細胞にもなりうる細胞にすることができる、ということです。
これにより、「先祖返り」のようなことが可能となり、応用することによって、「若返り」も可能となると。
※ちなみに、この「どんな細胞にもなりうるもの」は、ES細胞やiPS細胞など、体の全ての細胞を作り出す能力である「多能性」を持つ幹細胞(多能性幹細胞)と呼ばれる、とのこと。
参考(図):https://www.jpte.co.jp/introduction/tales/04/index.html
細胞のリプログラミングの「課題」
しかし、細胞のリプログラミングの課題としては、以下のようなものがあります。
・がん化のリスク
・コスト
etc
どういうことかというと、「どんな細胞にもなりうる」という幹細胞に巻き戻すことから、それががん細胞になる可能性があるということです。また、あらゆる細胞になりうるため、目的の細胞になるまでの培養であったり、誘導のコストが発生するといった課題が発生します。
これらの課題に対し、少し前進し始めているのが、次の「ダイレクト・リプログラミング」というアプローチです。
ダイレクト・リプログラミングというアプローチ
近年、分化細胞を多能性幹細胞を経ることなく別の分化細胞に直接誘導できることが報告されており、それを「ダイレクト・リプログラミング」と呼んでいます。
この「ダイレクト・リプログラミング」によって、狙った細胞にダイレクトに誘導することにより、がん化のリスクを減らし(幹細胞からがん細胞化するリスクを排除)、さらに、培養や誘導のコストも下がります。(幹細胞から目的の細胞への誘導が不要)
参考(図):https://skip.stemcellinformatics.org/knowledge/basic/direct/
ですがもちろん、このダイレクト・リプログラミングにも、課題はあるようです。例えば、長期培養が困難であること、純度が低いことなど。これらについては、引き続き研究がされていくのでしょう。
未来寄付 / Future寄付
今回、「老いの克服」をテーマに寄付先の選定に迷いましたが、再生医療・細胞のリプログラミングの分野などにおいて、様々なアプローチ(研究やプロジェクト)があり、それぞれに観点があると感じました。そのため、特定の研究やプロジェクトに寄付を意思決定することには、非常にリテラシーが求められるとわかりました。(例えば、どれが絶対に重要だと思う!など、有用性比較のリテラシーがないと、個別に選ぶのが難しい)
私はこの分野については全くの無知であり、そのため、「さまざまなアプローチの研究・プロジェクトを統合的に、化学反応を起こすための機関は存在しないか?」と考えていたところ、「日本医療研究開発機構(AMED)」がそれに適しているのではないか?という結論に至りました。
日本医療研究開発機構(AMED)は、医薬品、医療機器・ヘルスケア、再生・細胞医療・遺伝子治療等、6つの統合プロジェクトを推進し、基礎研究から実用化までの一貫した医療研究開発を推進しています。国や政府のビジョン反映、大学や研究機関への支援、企業とのイノベーション創発など、横断的に推進しています。そのため、統合的な視点からアロケーションを代行してくれることが期待できるのではないか?と考えています。
無知ゆえに、選択に十分な自信が持てませんが、一旦の結論としたいと思います。今回、この分野について、良い勉強になりましたし、今後ライフサイエンスとデータサイエンスの融合などが大事になるだろうといった、新たな示唆・気づきもありました。
今回、「新しい贈与論」をいった団体メンバーとして寄付先を推薦するにあたり、調査をしておりました。推薦がメンバー投票で選定されることにより、集団寄付が行われる可能性があります。
以上
※ Futurist(フューチャリスト) 活動の一環として、未来寄付についても、検討しております。Futurist(フューチャリスト)活動について、こちら をご参照いただけたらと思います。
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Sho T(高橋 翔)
https://www.sho-takahashi.com/